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メルシアとして頑張ります。

(……………………)

少女はベッドを飛び起きた。

「今のは…あぁえぇ…?あっおおヤバいやつじゃん」

シュリ・ハリス10歳は今日、前世を思い出してしまいました。

(おちつけ私!えーとまずはほらなんかしみじみね!懐かしいな、みたいな?え?なんか違う?)

シュリは心の中で自問自答する。

記憶を取り戻した彼女はまるでいままでとは別人である。貧相な自室の時計を見るとそこに表示されてる時刻は午前2時

起きるのにはすこし早い時間だった。

(せっかく前世を思い出したけど、明日は大事な日だし早く寝よう)

シュリはにっこり笑って布団を被った。

そう明日は彼女にとって大切な日だ。

シュリは6歳の時に火事で両親を無くした。もともとは名はしられていないが一応下流貴族だったシュリだが、両親とともに家も何もかも火事で無くしたため、彼女は行き場がなく、孤児院に連れていかれた。

そんな中娘を欲しがっていた名家メルシアの当主が孤児院を転々としている中シュリをみつけた。

美しい紫檀色の瞳と綺麗な桃色の髪が大変気に入ったらしく長女として迎えることになった。

そう、彼女は黙っていれば大変美しい。

もう一度いう''黙っていれば''大変美しいのだ。





「うーんよく寝たわ」

ガッツポーズを決めるシュリ。その顔はやる気に満ちていた。

「さぁシュリお迎えですよ」

優しげな表情をしたシスターがシュリに話しかけた。

「メアリーさん4年間お世話になりました。絶対また顔を出しに来ますからね、私のこと忘れないで下さい。」

シュリが涙ぐみながら言う。様々な思い出が蘇ったのだろう。

「えぇ、待っていますからねシュリ・ハリス…いえシュリ・メルシア様」

シスターは涙ぐみながら微笑み頭を下げた。その表情はまさしく聖母マリアのようで実に優しげな表情だった。

「では、いってきます」

メルシア家から定期的に送られてきた高価なドレスやアクセサリーを身につけたシュリは御者に手を取られ馬車に乗る。その顔はじつに幸せそうだった。





「あの、メルシア邸ってここから遠いんですか?」

シュリが目の前にいる執事らしき人に聞く。

「あまり遠くはありませんよ、馬車で30分程度です、ご心配なさらないで下さい。」

執事が優しく丁寧にシュリに言った。

整ったシワひとつない服と目鼻口の顔立ちがハッキリとした黒髪の執事の雰囲気に思わずシュリも惚ける。

(うっわ超美少年、歳は15歳ぐらいかな?こんな弟ほしかったわ)

心の中がだらしない。

「すみませんお名前はなんて言うんですか?」

シュリが恐る恐る聞いてみる

「アルネと申します。シュリさまとは6つ上の16歳です。これからはシュリさまの身の回りのお世話をすることになりますのでどうぞなんなりと申し付け下さい。」

アルネが右手を胸にあて、頭を下げた。表情はかすかに微笑んでおり16歳とは思えない程の色気が溢れていた。

(アルネ…か、どこかで聞き覚えがあるなーと思ったら最愛の

アリスちゃんに唯一優しかったモブの執事と同じ名前ね)

シュリは関心した表情を見せる。しかしみるみるうちに顔が青ざめていく。

(ん…?アルネ…え?いやまさかね)

(いやでもめっちゃ似てるよ!?アリスちゃんに優しかった人はみんな覚えとこ〜っておもって記憶の片隅に残したはずだもん!)

ま さ か ね。

(そのまさかかな??あれかなよく小説で読んだ転生もの的な?)

シュリの表情の喜怒哀楽が激しくなる。

その様子を見ていたアルネは思わず笑いそうになるのを堪える。

実に楽しそうだった。




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