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病町5
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「どうだ、寝付きのほうは」
「だいぶ良くなってきたよ。お前の薬のおかげだ」
「顔色がよくないな」
「最近はいつもこんなだ」
「まったく、しっかりしろよ。前は有り余るほど元気だったくせに」
「…」
「気になってるのか。…あの町のこと」
「ただの噂っていうのはわかってるけど、でも、どうしても院長がそんなことするような人には見えなくて」
「もうあれから行ってないんだろ」
「不眠やら、なんやらでやつれきった身体ではな。バス停がどこだったか覚えてないし、第一もう外に出るのがしんどいよ」
「しっかりしろ。俺がついてるから」
「うん、ありがと」
「じゃあ、まあとにかく薬だけはしっかり飲んで、無理はするなよ」
「おう、じゃあまた…」
「診察中失礼します。ドクター」
「はい?」
「私たちはこういうものです」
「…警察?」
「ドクター、あなたを逮捕します」




