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アリアドネ・コード─少女兵たちよ人類を奪還せよ─  作者: チャハーン
第2章 断絶の箱庭編

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第38話 合併

すみません、書いてて思ったんですけど今回はあんまり面白い内容じゃないです

スランプかなぁ……

「アリアドネとパエトーンが、合併?」

「ええ。アイアンメイデンとレヴナント、オルフェウスとミラーガーデンも合併を開始している。私たちはネクストルムと戦うから必然的に数が減っていく。最近は合併して少しでも隊員を増やそうとしているそう」


 エリヤが挙げた四つの部隊は、どれもリリスの耳に入ったことのある実力者集団だ。それが殉職による部隊の縮小により合併していく。エリヤが言った「数が減っていく」という言葉の重みがリリスの胸に刺さる。

 壁が修復されたことにより、一見平和を取り戻したかのように思えるが、それでもセクターとネクストルムの戦争は続いている。深刻な消耗戦はどちらかが絶えるまで終わらない。


「でも、なんで私たちと?あんたたちくらいの権力があれば、もっと強くて数の多い部隊と組めるはずだけど」


「リリスは自分を低く見すぎている。本当に自分たちより強い部隊がいると思っているの?」

「……どういう意味?」


 エリヤの言葉に、リリスは口元へコーヒーの入ったカップを運ぶ手を止めた。エリヤは組み替えた足の上に両手を置き、リリスを見る。


「言葉通りの意味だ。アリアドネ第一分隊の強さは相当なものだったと聞く。それに……名前が思い出せないな、なんとかヴォイドというネクストルムの研究者がリグを最初に提供した部隊とも聞いたことがある」

「ヴィクター・ヴォイドね」

「つまり一時期はリグがなくともネクストルムと渡り合った超人、ということになる」


 リリスはため息混じりに考える。

 ヴィクター教授ことヴィクター・ヴォイドがリグを開発し、それをアリアドネに使ったという事実は、軍の上層部か当事者しか知りえない情報だ。いくら少佐といえど、この秘匿情報を知っているということは、今回の合併の話がただの兵員不足による思いつきではなく、もっと深い上層部の意図が絡んでいるのではないかとリリスは考えた。


「買い被りすぎだよ少佐(・・)、私たちは……いや、彼女たちは死にたくないからひたすら戦っただけ。超人と持て囃されても瓦礫に当たったら死ぬし、ネクストルムに食われれば当然死ぬ。ま、せめて自爆くらいはするか」


 おどけるようにリリスは言ったが、その目は笑っていなかった。

 エリヤたちの気持ちはリリスに痛いほど伝わった。先の戦闘を経て、このままアリアドネの精鋭たちが無惨にも散っていくのを傍観することは出来なかったのだろう。

 自分が持つ権力でなんとか出来ないか考えた結果が、これだ。


「あんたたちがただの数合わせじゃなくて、本気で私たちを欲しているのはよくわかったよ」


 リリスは立ち上がると、空になった二人のカップを手に取る。キッチンに向かうと「おかわりいる?」と聞いた。二人は首を縦に振る。リリスは少しだけ笑みを浮かべながらおかわりのコーヒーを注いだ。


「この話、二人が帰ってきたら慎重に相談してみるよ。私たちの身を案じてくれるのは嬉しいけど、私だけじゃ決められることじゃない」


 ベティは政治には鈍感だが、勘は鋭い方だ。パエトーンがヴィクターとアリアドネの関係を知っているとなれば、何らかの陰謀を感じ取り、不快感を顕にするだろう。軍の上層部がアリアドネをどう扱おうとしているのか、その意図を力ずくでも読み取ろうとするはずだ。


「はい、おかわり」


 リリスはなみなみと注がれたコーヒーのカップを置いた。二人がそれぞれカップを取るのを見届けると、リリスは口を再び開く。


「ところで、誰から聞いた?ヴィクターのことは」

「……中央書庫でリグの歴史を調べればわかることだ。私たちは貴族の生まれだからそういう事情にも精通している」

「ほー……それは羨ましい。本当に調べただけ?」


「嘘をつく理由はない。それに嘘をついたところでどうする」

「じゃ、私の考えすぎか。てっきり政府の陰謀とかが絡んでると思ったけど」

「大体考えてみろ。まさか私たちがお前たちを暗殺したりすると思うか?貴重な戦力を減らす真似はしない」


「まさか暗殺なんて、そこまでは思ってないよ。でも上の連中がどうやって私たちを使おうとしてるかは気になるからね」


 リリスはそう言ってカップに視線を落とした。黒い水面に自分の顔が歪んで反射している。

 そうだ、ただの考えすぎだ。よく考えると中央政府が自分たちを消す必要性はない。なせなら自分たちは最前線でネクストルムと戦う兵士だからだ。


 リリスが考えを巡らせていると、少し離れた場所でゲートが開く音が聞こえた。リリスははっと顔をあげる。三人のうち誰が帰ってきたのか、期待に胸を膨らませながら席を立つ。


「ちょっと見てくる」


 二人に短く言い残すと足早にリビングを後にした。


「ただいま戻りました。リリスさん」


 最初に入ってきたのは両手に袋を抱えたエレンだった。リリスは片方の大きな袋を取ると、エレンの後ろにベティがいることに気づいた。冬だというのにベティは汗に濡れ、一目で任務帰りということがわかる。


「エレン、ベティ、おかえり」


 ベティは小さく頷き、バッグから一つの袋を取り出した。ビニール越しからでも甘い香りが漂ってくる。


「昨日さ、午後から任務でずっと外してて祝えなかったんだ。誕生日、おめでとう」

「え、ありがとう!あ……そういえば、お客さんが来てるんだよね」


 両手にベティとエレンの荷物を持ちながら言う。ベティは首を傾げ、エレンが誰なのか聞いた。


「パエトーンだよ。なんか色々伝えることがあるらしくてね」

要約

エリヤがパエトーンとアリアドネの合併を提案、しかしなんか重要そうな秘密をエリヤが知っていたのでリリスが怪しむ、でもそんなこと無さそうだから安心!

って内容です

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