五章 らのべは、ぷろらに、まかせろ
五章
「遥 奏多の復活を全国ファンが喜んでいます。」
俺は朝のテレビを待ちわびるかのように聞く。
「彼女に何もなかったようで何よりでした。」
奏多はどうやらうまく言ったらしい。ニュースによるとファンに対しての謝罪の言葉とこれからも活動していくということを言ったようで、ファンはその言葉を聞き安堵しているみたいだ。
「でも、幾ら何でもなあ…。」
奏多は謝罪において俺のことも少し言っていた。
「事が大きくなってしまい、同性の知り合いのいえで過ごしていました。」
そう、『同性』。ファンに対しての発言として正しいのだが。まごう事なく俺と奏多は異性だ。ここに断言しておこう。
「まあいいか。」
今日も畑仕事だ。叔父とともに畑へ向かう。今の俺は昔と同じく都会から離れた田舎で密かに過ごしている。
「さあ、頑張りますか!」
きっといつまでもそれは変わらない。
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何日か経った。いつも通り俺は畑で仕事をするつもりだった。
しかしその日はいつもの日ではなく、いつかのような日になった。
「そこの農家さん!」
俺を呼ぶ声。
「奏多…か…?」
「はいっ。今からちょっと付き合ってください!」
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「休みをもらったので来ちゃいました。」
「今度はちゃんと私も同行していますから安心してください。」
奏多とそのマネージャーを家にあげ俺は話を聞いた。たくさん話をした。俺が見送ってからのこと。そしてちゃんとこれからもアイドルとして活動出来る環境を作ってもらったということ。
「つまり、俺の家に匿っていた時は休暇を取っていたときだったのか?」
「そう言うことになりますね…。」
実は奏多は休暇の間に逃げていたらしい。奏多は仕事から距離を置くため、連絡を完全に経っていた。マネージャーの確認のメールの返信が無く自宅にもいないため行方不明と出てしまい、休暇を取ったと言える雰囲気にならず俺の家の所までやって来たのだ。一週間経ってようやくGPSを使ったのは、休暇が開ける前の日だったからとマネージャーの話を聞き、やけに使うのが遅いと思っていた疑問が晴れたりもした。
「今度、ライブがあるんです。ぜひ見にきてくれませんか?」
「当たり前だ。むしろすでにライブの話も聞いているし。チケットの抽選の予約もしているぞ。」
「そうなんですか…。」
奏多は照れ臭そうにそう答えた。俺としては今度はステージで見ると言ったのに、その前にこうしてあっていることに驚いているくらいだ。
「必ず、成功させるんだぞ。」
「わかりました。待ってくれるファンのために。遥 奏多、頑張ります!」
楽しみにその時を待とう。きっとその時は最高の時間となる。
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「みんな!今日は僕のために来てくれてありがとー!」
「遥ちゃん、お前のことが好きだったんだよ!」
「遥―!俺だ、結婚してくれ!」
「愛してるぜー!」
騒がしい場所だ。でもみんな奏多を待っていたんだ。
「心配かけた分、今日は精一杯歌うよ!」
「うおぉぉぉ!」
「お前のステージを待ってたぜ!」
「動いてる!ほんものだ!」
俺のことを気にするようなやつなんていない。
「僕の歌、ここにいる届けたい人たちに向かって歌います。聞いてください!」
あの事は二人の秘密にしておこう。
::*
「ちょっ!うっそだろお前!」
「これはちょっと驚いたね。」
最後の章を読んでもらった。この反応、やったぜと言わざるを得ない。
「つかこれっていったいどんなお題なんだよ。」
「お題なら最後のページの裏にあるよ」
・・・




