小春 2
ゲーム開始から終了までなので長いです、すみません。
笑い声が多いのでどれが誰なのか事前に説明しておきます。あまり気にする必要はありませんが一応。
ハハハ→元木(3年会長)·アハハ→菊池(3年副会長)·フフフ→千葉(2年)·あはは→藤澤(1年)·ふふふ→小春(1年)
「えっと、私からですよね」
私がサイコロを振ると6が出た。
1円玉を6マス移動させる。
『左隣の人と
あっち向いてホイをして
勝った人が+1』
「えっと……」私が戸惑っていると
「最初はグー」と藤澤君が何の前置きもなく始めたので焦りながらついていく。
「ジャンケンポイ」私がグーで藤澤君はパーだ。
「あっち向いてホイ」私は左を向くと藤澤君も同じ方向を指差していた。
「アハハハ、コハルン一発で負けてるー」
「藤澤に+1だな」
「ごめん菱川さん。僕が勝っちゃって……」
「ううん、気にしないで」
1回で負けたのは少し恥ずかしかったけれど、藤澤君とあっち向いてホイができたので少し嬉しかった。
「次僕ですよね」
藤澤君は5が出たので5マス進めた。
『なんでもいいので
ものまねをしろ
上手ければ+1』
「えぇ、ものまねかぁ……上手ければって誰が判定するんですか?」
「全員だ。今日は5人だから自分以外の4人中2人以上が◯を出せば+1だな。それと点数をやりたくないからわざと✕を出すのは駄目だからな」
「わかりました。……じゃあカラスのものまねします
……カァー、カァーカァー、カァー? カァー!」
「アハハ、カラスだ〜、アタシはまる〜」
茜先輩が両手で◯を作ったのを見て「じゃあ私も◯で」と賛同すると、千葉先輩も「私も」と3人が◯になった。でも会長は両腕を胸の前で交差させ✕を出した。
「駄目だな、カラスはもっと大声で鳴くだろう。それにまだ少し羞恥心があるな」
「会長厳し過ぎますよ。上手くできたと思うんだけどなぁ……」
「コーイチはものまね得意だからね〜」
「藤澤がまた+1だな」
ものまねをする藤澤君のイメージがなかったので少し驚いてしまった。
このゲームを通じて藤澤君のことをいろいろ知ることができるかもしれないと思い、少しワクワクしてきた。
3人が話している間に千葉先輩はすでに3マス進めていた。
『けん玉世界一周
大皿まで成功+1
小皿まで成功+2
中皿まで成功+3
全部成功+4』
「けん玉だな。あの中にあるはずだ」
会長が先程のダンボールからけん玉を取り出し千葉先輩に手渡すと、千葉先輩はあっという間に玉を大皿、小皿、中皿に乗せ、けん先にも通してしまった。
「えー! なっちゃんけん玉上手過ぎ!」
「凄いですね……」
「おー、お見事」
誉め言葉を一通り言われてしまいなんて声をかけようか迷ってしまった瞬間、会長が拍手をし始めたので私も拍手をすることにした。
なんでもいいから声をかければよかったとちょっと後悔した。
「……けん玉得意なので」
「千葉は一気に+4だな」
千葉先輩の意外な一面を知ることができた。
今度これをきっかけに話しかけてみよう。
「アタシの番だね〜。ほいっ……4だ。いちにさんしっと」
『生麦生米生卵を
3回連続で言えたら+1
途中で噛んでも
最後まで言い切ること』
「なまむぎなまごめにゃまたまご、
なまむぎなまごめにゃまたまご、
なまむぎにゃまごめにゃまたまご!」
「ハハハ、全部にゃまたまごになってるぞ」
「あはははは」
「ふふふふ」
面白くて笑ってしまった。会長と藤澤君も笑っている。
千葉先輩のリアクションが気になったので左を見てみると顔を少し伏せ「フフ、フフフ」と笑っていた。良かった、千葉先輩も楽しそうだ。
「うー、言えると思ったんだけどなぁ〜。はい、じゃあ次コーイチの番」
「ああ」
会長がサイコロを転がすと1が出た。
『たけのこ、たけのこ、
ニョッキッキ
ミスした人は−1、1回勝負』
たけのこニョッキは生徒会室でいつも皆とやっているゲームだ。
「よし、全員で掛け声するぞ。せーのっ」
「「「「「たけのこ、たけのこ、ニョッキッキ!」」」」」
「「1ニョッキ!」」
「ちょっとコーイチ、被らないでよ!」
「それはこっちの台詞だ!」
「あはははは」
「ふふふふ」
「フフフ」
会長と茜先輩が1ニョッキで被った。まるで漫才みたいだ。この2人が付き合っているのかはわからないけれど、それにしても仲が良い。
「くそ、俺と菊池がそれぞれ−1ずつだ。次は菱川だな」
「はい。……2かぁ。いちにっ、と」
『好きな人がいる+1
学年も言う+2
クラスも言う+3
フルネーム言っちゃう+4』
え!?
「ほらほらどうしたのコハルン〜。『好きな人がいない場合はどうなんですか?』って聞かないってことは好きな人いるってことだよね〜。しかも『好きな人がここの学生じゃない場合はどうなんですか?』って聞いてもこないってことはうちの学生の可能性大でしょ〜。だれだれ〜? 多分1年でしょ〜?」
茜先輩にグイグイ詰め寄られる。
「ちょ、な、なんでそんなに鋭いんですか!」
「あ、自分から白状しちゃったね〜」
「う……」
「ほらほら〜、もうフルネーム言っちゃえ」
「藤澤諒太」なんて口が裂けても言えない。でもすでに1年生に好きな人がいるということはバレているし私はまだ点数が0だ。クラスまで言ってしまうと「え! もしかしてリョー?」なんて言われかねないので「1年生に好きな人がいます……」と渋渋答えた。とても恥ずかしい……。
私に好きな人がいると知って藤澤君はどう思っているのだろう……。
「えー、クラスも言っちゃおうよー」
「もういいだろ。菱川は+2だな。次は藤澤」
「はい。……4ですね。いち、に、さん、しー」
藤澤君が私の踏んだマスを1つ追い越した。藤澤君があのマスを踏んでいたらどう答えていただろう……。
『たけのこ、たけのこ、
ニョッキッキ
ミスした人は−1、1回勝負』
「たけのこ、たけのこ」
会長がすぐさま始めた。
「ニョッキッキ」
「「1ニョッキ!」」
「コーイチー!」
「またかよ!」
「あはははは」
「ふふふふふ」
「フフフ」
「コーイチのせいでアタシ−2なんだけど!」
「俺だってお前のせいで−2だぞ!」
2人がやり取りしている間に千葉先輩が4マス進めた。
『好きなポーズで
ウインクする
可愛いかったら+1』
千葉先輩がウインク!? 見たい!
「……私ウインクできないので次いってください」
残念! それとももしかしてやりたくなくて嘘をついたのだろうか?
「えー、そうなの? なっちゃんのウインク見たかったなぁ」
「僕もできないんですよね」
「藤澤君もできないんだ」
藤澤君がウインクするところもちょっと見てみたい。
「できないものは仕方がないな」
「じゃあアタシだね〜。ほいっ……いちにさんしっ」
『好きな人がいる+1
学年も言う+2
クラスも言う+3
フルネーム言っちゃう+4』
「アタシの好きな人は渡辺イヅマ君です!」
「誰だ? そんなやつ知らんぞ」
「茜先輩、それってもしかしてジャカドーラの渡辺君ですか?」
「そうそう、ジャカドーラの渡辺イヅマ君! コハルンもジャカドーラの曲聴くの?」
「はい。大好きです。いろんな曲聴いてます!」
私はジャカドーラのメンバー全員のフルネームを把握しているくらいにはファンなのだ。
「ジャカドーラってなんだ?」
「男性アイドルグループですよ会長! 藤澤君と千葉先輩は知ってますか?」
「すいません、僕は知らないです」
「……私も」
うーん、残念……。
「えー、3人とも知らないのー? 遅れてるな〜。じゃあワムリグシャとかデャバロームは知ってる?」
「ダバ? なんだって?」
「デャバロームだってば」
「聞いたことないぞ」
「僕も全然わからないです」
「……私も」
「私はワムリグシャもデャバロームも知ってます。どっちも良いバンドですよね」
ワムリグシャもデャバロームも今勢いのあるバンドグループで、私はこの2グループの曲もよく聴いている。
「おお〜、コハルンとは音楽の趣味が合いそうだね〜」
「待て待て、話が脱線し過ぎだ。続きは後でやってくれ」
「結局菊池先輩が言ったのは男性アイドルグループの人ってことですよね?」
藤澤君が改めて確認した。
「そんなの駄目に決まっているだろう。✕だ✕」
「茜先輩、ジャカドーラは好きですけど当然ダメです」
「そうですね、さすがに駄目です」
「0点」
「えー、なんでよー。ぶーぶー」
ジャカドーラのことを語り合える相手が見つかって嬉しかったけど、そういう人を除いて好きな人がいるのか知りたかった。
会長のことはどう思っているのだろう?
ブーイングする茜先輩を無視し会長がサイコロを転がすと1が出た。
「コーイチまた1じゃん。遅っそー」
「早く進めば良いというわけではないだろう」
『変顔
面白ければ+1』
「変顔か」
会長が後ろを向いて顔を隠し、変顔を作ってからこちらを振り向いた。
「あははははは、会長、その顔どうなってるんですか」
「フフフフフフ」
「ふふふふふ、会長もういいですって」
「けっこう受けたな。これは+1だろう」
「アタシは何回も見てるからなぁ……」
次は私の番なのでサイコロを振ると6が出た。
1円玉を6マス進める。
『全員から
デコピンをくらう+1』
「よっしゃー、アタシが最初にやってやるぜぇーー!
そこの椅子に座れやぁーー!」
茜先輩が気合いを入れ近づいてきたので、言われたとおり隅に寄せてある椅子に座り、両手で前髪を上げて目を瞑った。
「くらえぇーー!」
タンッ
!!
「いったーーい!」
思っていた以上に痛かったので、手でおでこを押さえて顔を伏せてしまった。
「え、ごめーん、そんなに痛かった?」
「うぅ……痛いですよ!」
「大丈夫か菱川?」会長が声をかけながら寄り添ってきてくれた。「でこ出せ」と言われたので仕方なく顔を上げおでこを出すと指でチョンと軽く弾かれた。「じゃあ僕も」と藤澤君にも同じく軽くしてもらい、千葉先輩も無言のまま全然痛くないデコピンにしてくれた。
「ちょっと、これじゃアタシが悪者見たいじゃん!」
「お前のがかなり痛そうだったから1回で十分だと思ってな。それに俺と藤澤は男子だしな」
「なっちゃんは女子じゃん!」
「千葉はあれが全力だろ」
「そんなわけないでしょ! ね、なっちゃん?」
「……次、藤澤君」
「あ、はい」
「ちょっと、なっちゃん無視しないでよー!」
「……」
「菱川+1だな」
「えっと、2マス進みますね」
『赤巻紙青巻紙黄巻紙
3回連続で言えたら+1
途中で噛んでも
最後まで言い切ること』
「あかまきがみあおまきかまみきまきかまみ、
あかまけがみあおまきがみきがきがみ、
あかまきががめあおまきがみきがきがみ」
「はい、ダメーーーー」
「ハハハ、けっこう噛んでたな」
「フフ、失敗」
「僕早口言葉苦手です……」
「ふふふ、藤澤君ドンマイ」
藤澤君は早口言葉が苦手みたいだ。
千葉先輩は4を出し4マス進む。
『赤巻紙青巻紙黄巻紙
3回連続で言えたら+1
途中で噛んでも
最後まで言い切ること』
「あかまきがみあおまきがみきまきがみ
あかまきがみあおまきがみきまきがみ
あかまきがみあおまきがみきまきがみ」
「ええー、ノーミスじゃん!」
「千葉先輩凄いです」
「おー、またしてもお見事。千葉+1だな」
「千葉先輩さすがです。早口言葉も得意なんですね」
今度は声をかけられた。少し変だっただろうか……。
「別に得意じゃない……。たまたま……」
「あ、そうなんですね……」
かける言葉を間違えたかもしれない……。
なんとかもっと仲良くなりたいのだけれど……。
「次アタシだね。ほいっ……5だ。いちにさんしっごっ!」
『サイコロが出た目の数だけ
左隣の人から、点数を1奪う
自分の場合は−1』
「やったー、かなりラッキーなマスじゃん」
「1か6だと俺だな。2だと藤澤、3だと菱川、4だと千葉からで、5だと菊池が−1」
「よっしゃー、1か6出ろ〜。とりゃっ……3だからコハルンからだ」
「酷いですよ茜先輩!」
「お前さっきから菱川ばかり虐めてないか?」
「いやいやこれはたまたまでしょ!」
「茜先輩は菊池先輩じゃなくてキチク先輩ですよ!」
茜先輩に少し腹が立ったので試しに言ってみた。
「キチク先輩」
「……キチク先輩」
まさかの藤澤君と千葉先輩も悪ノリしてくれた。
「ちょっと、なっちゃんまで!? キチクって呼ばないでよー。茜先輩だから。あ·か·ね·せ·ん·ぱ·い!」
「コハルン虐めたからキチク先輩」
コハルン!!
千葉先輩が私のことをコハルンと呼んでくれた!!
「私も千葉先輩のこと夏実先輩って呼んでいいですか!?」
「……いいよコハルン」
「コハルン!!」
すごく嬉しい!
夏実先輩との距離がゲームを通して縮まっているのかもしれない。
「ちょっとなっちゃん! アタシは?」
「……」
「お前はキチク先輩だとさ」
「菊池だから菊池。アタシ小学生の時にそうやって男子にいじられてから自分の苗字好きじゃないんだよねー。それにアタシがキチクならコーイチはもどきじゃん! や〜い会長もどき〜。高3なのにコーイチ〜、コーイチもどき〜」
「お前だってそのイジり何回もしてるだろう。『元木光一』は画数少ないから楽でいいんだぞ。テストのとき名前を早く書き終わるからな。たった15画だ!」
「確かに『元木光一』って画数少ないですよね。僕の場合『藤澤』だから書くのけっこう面倒なんですよ」
「澤を簡単な沢にしたらどうだ?」
「どうなんでしょう。勝手にそっちを書いてもいいんですかね? でも、もしそっちの沢を書いて認められなかった場合大惨事になるかもしれないですよね? きちんと名前書いてないから0点とか……。それに僕から言い出しましたけど数秒ですし」
「『菊池茜』、『千葉夏実』、『藤澤諒太』、『菱川小春』。
………確かに『元木光一』って画数少ないですね。すみません、呼び捨てで……」
言った後に初めて藤澤君をフルネームで呼び捨てしてしまったことに気付いた。変じゃなかっただろうか……。
「俺の15画が3年では1番画数が少ないんだよ」
「わざわざ調べたんですか!?」
「そうなんだよリョー。生徒会長も案外暇だよね〜」
「生徒の名前と顔を把握しておくのは生徒会長として当然だろう」
「えー? 普通いちいち覚えないでしょ」
「また脱線してしまったな」
「えっと、菱川さんが−1で菊池先輩が+1ですよね?」
「リョーもアタシのこと茜先輩って呼んでよ〜」
「絶対嫌です」
「え〜、なんで〜?」
「絶対に絶対に絶対に嫌です!」
「なんでよ〜?」
「ほらほら戻るぞ。次は俺だな」
千葉先輩とかなり打ち解けられて良かった。次からは夏実先輩と呼べるのでもっと仲良くなっていけそう。
そんなことを考えていたら会長が3マス進めていた。
『なんでもいいので
ものまねをしろ
上手ければ+1』
「ものまねだな、まかせろ。ゴリラをやる」
「コーイチのものまね、2人には初披露だね」
会長がゴリラのものまねをするみたいだ。先程得意だと言っていたけれどどんな感じなんだろうか?
「ウホウホ、ウホ? ……ウホウホ、ウホ、ウホホホホッ! ウホー、ウホウホウホホホ、ウホッウホーー。ウホウホッ! ウホホホッ!! ウホーー? ウホッウホッホホホ!!」
全身を使い動きながら鳴き声も交え「ドスドス」とドラミングをしたり上を向いて叫んだりしながら会長がゴリラのものまねを続ける。
おまけに途中からは変顔でやりだした。
「アハハハハハハハハハ、コーイチのゴリラ最高!」
「あははははははは、会長その変顔はずるいですよ」
「ふふふふふふふ、もういですよ会長、ふふふ」
「フフフッ、フフフフフ」
「どうだ、これがゴリラのものまねだ」
「あははは、会長は羞恥心なさ過ぎですって」
「藤澤もこれくらいやれるだろう」
「無理ですよ」
「アハハハ、コーイチだけだから、こんなことできるの」
「フフフ、会長+1」
「ふふ、次は私ですね」
サイコロを振ると6が出た。
駒の1円玉を移動中4が出なくて良かったとほっとした。
『誰かにデコピンを
くらわせる
くらわせた人から
点数を1奪う』
「当然茜先輩です!」
「なんでよー。今1番点数持ってるのなっちゃんじゃん!」
「たしか最下位になった人が罰ゲームでしたよね? だったら1位の夏実先輩狙っても意味ないですよね? というより茜先輩に対してやり返したいだけです!」
「今アタシ最下位でしかも点数マイナスなのに!?」
「関係ないです!」
「やれ菱川」
「思いっ切りやり返そう」
「自業自得」
「ちょ、なんかみんな酷くない? アタシ最下位なのに……」
「いきますよ!」
「……こいやぁーー!!」
茜先輩が隅の椅子に座っておでこを差し出し目を瞑った。
すると会長が無言で『自分と変われ』と、手で合図をしてきたので会長に任せることにした。
そして会長が思いっ切りデコピンをくらわせた。
タンッッッ
!!!!!
「いったーーい!! コハルンのデコピン痛すぎるんだけどー! 女子とは思えないくらい強かったんですけどー!」
私と同じように茜先輩もおでこを手で押さえて顔を伏せた。痛みでかなり悶えている。
「ふふふふふ」
「あはははは」
「フフフフフ」
「もしかしてコハルンゴリラか?」
「そんなわけないじゃないですか!」
「あはは」
「フフフ」
「ハハハ、菱川+1で菊池が−1だな」
藤澤君は4を出し、4マス進む。
『次の自分の番が終わるまで
語尾にニャンを付ける
成功で+1
喋らないのはNG』
「……わかりましたニャン」
「アハハハ、リョーカワイイよ〜」
「早く次行って下さいニャン」
「ふふふ」
藤澤君が照れくさそうに催促する。次の夏実先輩も4を出し、また藤澤君と同じマスを踏んだ。
『次の自分の番が終わるまで
語尾にニャンを付ける
成功で+1
喋らないのはNG』
「……了解ニャン」
「アハハハ、もう一匹増えた〜」
夏実先輩が可愛い!
「次アタシ〜。……いちにっと。お!」
『次の自分の番が終わるまで
語尾にニャンを付ける
成功で+1
喋らないのはNG』
「アタシも仲間だニャン〜」
「ニャン」
「……ニャン」
「お前ら同じマス踏みすぎだ」
「ニャン〜」
「ニャン」
「……ニャン」
正直私も仲間に入りたかった……。
「次は俺だな。……3だ」
『好きな人がいる+1
学年も言う+2
クラスも言う+3
フルネーム言っちゃう+4』
会長がそのマスを踏んでくれた!
「俺は今のところ好きな人はいないんだよなぁ」
気になってしょうがないので直接聞いてみることにした。
「あの、会長と茜先輩って付き合ってないんですか?」
「俺と菊池か?」
「はい!」
「俺と菊池は従兄妹だ」
「え、そうなんですか!?」
まさかのいとこだった……。
「そうだニャン。アタシの母親がコーイチの母親の妹なんだニャン。アタシの家とコーイチの家は近いから子供の頃からの付き合いなんだニャン」
「へぇ、そうなんですかニャン」
「……初耳ニャン」
「アタシ、こんなゴリラみたいなやつタイプじゃないニャン」
「俺だってお前みたいなやつはタイプじゃないが」
「そうだったんですか……」
でも従兄妹同士は確か……。
「俺は+は無しだな。次は菱川」
「はい」
私がサイコロを振るとまた6が出た。
「コハルン6ばっかりだニャン」
「そうですね。3回連続6です」
何故か6が多く出る。
『右隣の人とサイコロ勝負
出目が大きい人が+1
引き分けは2人とも−1』
会長が先にサイコロを振ると6が出た。
私がサイコロを転がすと1が出た。
「コハルンの負けだニャン〜」
「……コハルン弱いニャン」
「うう、また負けた……」
「悪いな菱川。俺が+1だな」
「次、僕ですニャン……2だニャン」
『全員から
バーカバーカ
言われる−1』
「アハハハ、バーカバーカニャン。
リョーのバーカバーカニャン」
「バーカバーカ」
「バーカバーカ」
「バーカバーカニャン」
「なんなんですかこのマスニャン……」
「……藤澤君−1ニャン。次私ニャン。……4ニャン」
「僕ニャン終わりなんで+1です」
「そこは終わりニャンでって言わなきゃダメニャン」
『自己紹介タイム
好きな食べ物、嫌いな食べ物
趣味、好きな異性のタイプ
全部言えたら+1』
「……好きな食べ物はアイスニャン。嫌いな食べ物はワサビニャン。趣味は読書ニャン。好きな異性のタイプは……優しい人ニャン……」
恥ずかしそうに自己紹介をする夏実先輩が最高に可愛い!
「なっちゃんカワイイニャン。妹にしたいニャン」
「千葉+1だな」
「……次早くいくニャン」
夏実先輩が恥ずかしそうにしながら茜先輩にサイコロを押し付けた。
茜先輩がサイコロを転がすと1が出た。
「私もニャン終わりなので+1です」
「そうだったな」
『異性を1人選び
愛してるゲームをする』
勝った人+1』
「リョーと勝負ニャン!」
「えぇ、僕ですか?」
「ゴリラと愛してるゲームなんてやりたくないニャン」
「誰がゴリラだ!」
茜先輩が藤澤君に近づき愛してるゲームが始まった。
正直あまり見たくはないけどしょうがない……。
「愛してるニャン」
「愛してる」
茜先輩は可愛く言ったけれど藤澤君は棒読みだ。
「リョー、愛してるニャン」
「愛してる」
「リョー、愛してるニャン」
「……ギブアップします」
「え〜、『茜先輩愛してる』って言って欲しかったニャン」
「だから絶対言いませんって!」
「なんでそんなに頑ななんだニャン」
「とりあえず菊池が+1だな。次は俺で菊池のニャンも終わりだから菊池はさらに+1」
「もっと続けたいニャン」
「勝手にしろ。進めるぞ。……4だな」
藤澤君はなんであんなに茜先輩と呼びたくないんだろう?
『次の自分の番が終わるまで
空気イス
成功で+1』
「余裕だな。次菱川」
会長が空気イスを始めた。
私がサイコロを振るとまた6が出た。
「え〜、またコハルン6なの! 速すぎるよ〜」
「思ったより早くゲームが終わりそうだな」
『自分以外の誰かを
1人選び+1』
「今点数どうなってますか?」
点数計算係の夏実先輩に確認した。
「……コハルン+3、藤澤君+2、私+7、副会長0、会長+1」
「会長は空気イス成功させられますよね?」
「ああ菱川、もちろん大丈夫だ」
「……なら藤澤君+1で」
「え、僕でいいの? ありがとう菱川さん」
「いえいえ」
「えぇ、コハルン酷いよー。アタシ最下位なんだから点数欲しいよー」
「茜先輩を最下位にします!」
「ええー! ヤダーー!」
「ハハハ、藤澤+1だな。次藤澤」
藤澤君は4を出し、4マス進む。
『4マス戻る』
……ということは。
『全員から
バーカバーカ
言われる−1』
「バーカバーカ」
「バーカバーカ」
「バーカバーカ」
「バーカバーカ」
「だからなんなんですかこのマス……」
「藤澤災難だな、せっかく菱川から+1もらったのに。次千葉」
夏実先輩は5を出したので5マス進む。
『たけのこ、たけのこ、
ニョッキッキ
ミスした人は−1、1回勝負』
「せーの」
空気イスの状態の会長の掛け声でスタートした。
私は誰かが2ニョッキ! した直後に3ニョッキ! を狙うことにした。
「「「「「たけのこ、たけのこ、ニョッキッキ!」」」」」
「1ニョッキ!」 まさかの夏美先輩が1抜け。直後、
「2ニョッキ!」 会長が空気イスのまま抜けた。次だ。
「「3ニョッキ!」」
「ちょっとコハルンーー!」
「私だって茜先輩のせいですよ!」
「あはは、会長が空気イスのまま抜けたの見て笑いそうになりましたよ」
「藤澤、お前1回もニョッキしてないだろう。あと菊池は普通にスリーアウトだぞ」
「……副会長弱過ぎです」
「菊池と菱川が−1ずつだな。次菊池」
茜先輩は2を出し2マス進む。
『投げキッスをする
上手ければ+1』
私が絶対に踏みたくなかったマスを茜先輩が踏んだ。
『上手ければ』ずいぶんと曖昧な表現……。
「んー、こうかな、……チュッ」
茜先輩が可愛いポーズで投げキッスをしたけれど、正直リアクションに困る……。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「ちょっと、誰か何か反応してよ! 逆に恥ずかしいじゃん!」
「どう思う、菱川……」
「まぁ……いいんじゃないですかね……」
「僕も……まぁ……」
「……うん」
「……ギリ+1だな」
「ギリってなによーーー!!!」
「俺の番だな」
会長がサイコロを振ると6が出た。
『投げキッスをする
上手ければ+1』
まさかの会長も踏んだ!
「これ、俺がやっても絶対駄目だろう……」
「いいからやれーーーーー!!」
「……チュッ」
空気イスをしたまま会長が投げキッスをした……。
「アハハハハハハハハハ、ダメーーーーー!! 全然ダメーーーーー!! アハハハハハハハハハハ」
「…………」
「…………」
「…………」
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
茜先輩だけがお腹を抱えて笑い続けている。
私達も笑ったほうが良かっただろうか……。
「もういいだろ……。次菱川。それと俺の空気イスも終わりだから+1してくれ千葉」
「……はい」
「コハルン大きい目出さないでくれーー!」
「嫌です。上がります」
私が4以上を出せば上がりで現在茜先輩が最下位なのだ。
最後は私が5を出しゴールした。
『ゴール
+1』
「それぞれ点数はいくつだ千葉?」
「……コハルン+3、藤澤君+2、私+7、副会長0、会長+2です」
「結局アタシが最下位かー……」
「罰ゲームはどうします?」
「1番点数が多かった夏実先輩が決めるのはどうですか?」
「そうだな、千葉が決めてくれ」
「……全員がデコピンで」
「デコピンかー。さっきのコハルンのデコピンむちゃんこ痛かったからなー……。……よっしゃー、こいやぁー!」
再び茜先輩が椅子に座り目を瞑った。デコピンをされる覚悟を決めたみたいだ。
まず藤澤君がデコピンをした。
「まだまだーー!!」
茜先輩は目を瞑ったままだ。
次に夏実先輩がデコピンをした。
「全然痛くないぞーー!!」
まだ茜先輩は目を瞑っている。今度は私が自分の番だと宣言してからデコピンをした。
「ん? あれ?」
目を開けられる前に立て続けに会長がデコピンをくらわせた。
!!!!!
「ぐわーーー!! さっきのゴリラデコピンじゃねーかーーー!! さっきのもコーイチゴリラだろーーー!!」
「あははははははははは」
「フフフフ、フフフフフ」
「ふふふふふふふふふふ」
「ハハハハハハ、正解だ」
「くそったれがぁーー!!」
こうしてゲームは終了した。
元木と菊池は従兄妹でお互いの家も近く家族ぐるみで仲が良いです。
そして小、中、高、ずっと同じ学校です。




