↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
59/72

元木 9 2回目のお題スゴロク開始前

 千葉と常盤が生徒会に加わった。

 女子5人に対し男子が2人なので隈坂先輩が「なんで男子いないんだよ……。結局人数増えても雑談相手元木しかいねぇじゃん……」と当初はぼやいていたが、常盤とは以外と趣味が合ったらしく、2人はよくゲームやスポーツについて語り合っている。

 千葉は美冬先輩·秋陽菜先輩·茜の3人から可愛がられ、常盤は毎回誰かをからかいその都度生徒会室を賑やかにしている。


 そんな中、再びお題スゴロクが開催されることになった。

 秋陽菜先輩が常盤と千葉にルールを説明している間、他の4人で机や椅子を移動させていく。


「元木、あっちからダンボールのやつ持ってきてくれ!」

「わかりました」


 美冬先輩に頼まれ隣接している物置部屋から例のダンボールを探す。

 去年古賀先輩と戻した場所と同じ場所にあったためすぐに見つかったが、1つ気になる点があったので美冬先輩を呼ぶことにした。


「美冬先輩、ちょっとこっち来てもらっていいですか?」

「どうした?」


 少し大きな声で呼ぶと美冬先輩が物置部屋に来たので、声のボリュームを落とし会話を続ける。


「お題スゴロクはどちらをやるんですか?」

「普通の方でいいだろ」

「千葉は大丈夫だと思いますか?」


 マスの内容的に千葉がやるには抵抗がありそうなものがいくつかある。


「んー、大丈夫じゃないか? 夏実からはあんまり話しかけてこないけど、こっちが話しかけるとしっかり返してくれるし、コミュ障ってわけでもなさそうだからな」

「そうですか。なら大丈夫そうですね」

「一応やりたくないマスはパスしてもいいって言っておこう。それで問題ないだろ」


 ということで去年と同様普通バージョンでやることになった。

 しかし去年と同様駒は無い。


「美冬、駒用意してなかったのね」

「すっかり忘れてたな……。去年と同じように小銭で代用するか」

「アホか筑紫。小銭は6種類しかないから無理だろ」


 隈坂先輩が美冬先輩を馬鹿にしたが、その指摘は間違っている。


「いえ、小銭でできますよ」

「は? どうやって?」


 自分のカバンから財布を取り出し、その中から小銭を1枚ずつ机の上に並べていく。


「1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、旧500円玉、新500円玉です」

「ほら見ろ隈坂、小銭で代用できるだろ!」


 何故か美冬先輩が偉そうにドヤ顔を決めた。

 目線は完全に下からだが。


「ちなみに昔の銀色の500円玉もありますよ」

「なんでそんなの持ってんだよ……。つーかそれ製造された時代俺らまだ生まれてなくね?」

「祖父から頂きました。平成ニ年って書いてありますから、俺たちよりけっこう年上ということになりますね」

「まぁいいや、さっさとやろうぜ。菊池、その中からサイコロ取って」

「はいは〜い、こちらサイコロで〜す。そういえば今回は1位や最下位になったらどうするんですか?」

「去年と同じように順位で夏の部活見回りの組み合わせを決める!」


 美冬先輩が堂々と宣言した。


「またかよ……」

「えー、またなのぉ……」


 隈坂先輩と秋陽菜先輩が嫌そうな顔をしている。

 先輩2人も聞いていなかったようだ。


「ただ今回はあとで揉めないように3位以上は文化部、4位以下は運動部にする! それと次回やるとききの組み合わせと秋の組み合わせはまた別でくじ引きするからな!」

「なぁ、俺と元木がどっちも3位以上になったらどうすんだ? 男子は最低1人運動部確定だろ?」


 各部室を回るので男子のどちらかは運動部担当にする必要がある。当然女子もそうなのだが、女子は人数が多いので関係ない。


「そのときは順位が上のやつが文化部で下のやつが運動部だ。そして4位の女子が文化部になる。でも2人とも4位以下だったらどっちも運動部だ」

「それ男子不利じゃね? ズルくね?」

「男子少ないからしょうがないだろ。不満なら新入生の男子連れてこい」

「……」


 反論できなくなり隈坂先輩が黙ってしまった。

 おそらく3年生の3人が上位を独占した場合も同じルールが適用されるのだろう。


「すんませーん。さっきから言ってる文化部とか運動部とかなんすか? 私と千葉さっぱりなんですけど」

「生徒会の仕事で各部活を見て回るんだよ〜。文化部担当は大変だし、トッキーは運動部の方が合ってると思うから4位以下を目指した方がいいと思うな〜」

「そっすか、わっかりましたー。1位目指しまーす」

「ちょっとトッキー! アタシのアドバイス無視しないでよー!」

「千葉、あいつの言っていることはデタラメだから1位目指せよ」


 たまたま千葉が隣にいたので一応優しく小声で伝えた。


「……はい」

「それより順番どうするの? 学年順?」


 秋陽菜先輩が確認する。


「それなら俺最後でいいわ。で、俺の前が筑紫で千葉が最初でいいよな?」

「ちょっと、それズルいからダメ」


 秋陽菜先輩が却下した。

 なにがズルいのかよくわからないが……。


「隈坂、お前それ腕相撲対策だろ」


 ……成程。

 美冬先輩の指摘で納得がいった。

『左隣の人とあっち向いてホイ』『右隣の人とサイコロ勝負』この2つのマスは相手が誰だろうがあまり関係ないが『左隣の人と腕相撲』このマスだけは順番決めの段階で勝ち負けがほぼ確定してしまう。

 先輩3人はこんな細かいことまで気にしてでも勝ちたいらしい。


「私光一君の隣イヤだなぁ〜」

「俺も元木の隣嫌だ」

「私も光一の隣イヤだ!」


 理由はわかりますよ。

 わかりますけど、その言い方なんとかなりませんか?


「じゃあいっそのことジャンケンで順番決めませんか〜?」


 茜のこの提案が採用され全員でジャンケンをした。

 

 茜→常盤→秋陽菜先輩→隈坂先輩→元木→千葉→美冬先輩


 結果この順番でやることに。


「私は新500円玉だな!」


 何故か美冬先輩が嬉しそうだ。

 1円玉の方が似合っていると思うのだが。


「順番は決まりましたけど、これ正面じゃないとマスの内容わかんなくないっすか?」

「お前に正面の位置を譲るから、その代わりにそれぞれが踏んだマスの内容をお前が読み上げてくれ。俺も去年そうしたんだ」


 マスの内容の読み上げは千葉より常盤の方が向いているだろう。


「成程、了解でーす」

「それと点数計算は俺がやりますね」


 点数の操作や計算間違いなどを防ぐためにもその方がいい。


「よーし、なら始めるぞ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。