高柳
完全な単発epです。
「はいどーも、1年5組の高柳です」
『同じく1年5組の日和田です、2人合わせて柳日和です。よろしくお願いしま〜す』
「よろしくお願いしまーす。いや、聞いてくれよ日和田、俺の先輩に太っててめちゃくちゃブスの先輩がいてさ」
『へぇ。そのデドブス先輩がどうしたんだ?』
「デドブス先輩? デドブスって何だ?」
『おいおいデドブスも知らないのかよ。じゃあダブスも知らないのか?』
「ダブス? なんだよそれ。知らねぇよ」
『わかったわかった。今から俺がお前にブスの呼び方を教えてやる』
「ブスの呼び方? そんなのあるのか、初耳だ」
『よし、まずはダブスについて教える』
「ほうほう、ダブスとは?」
『ブスが2人いるときそいつらを纏めてダブスと呼ぶ。ダブルのブスだからダブスだ』
「成程、2人組のブスはダブルのブスでダブスね」
『そうだ。そして次は太ったブス。これはデブでブスだからデブスだな』
「成程、太ったブスはデブスね」
『そしてめちゃくちゃブスのやつはドブスだ』
「成程、めちゃくちゃブスのやつはドブスね」
『じゃあ応用編だ。太っててめちゃくちゃブスのやつの呼び方は?』
「太ってるブスはデブスでめちゃくちゃブスのやつはドブスだよな? ……デブスドブス?」
『違う違う、そうじゃない。太っててめちゃくちゃブスのやつはデドブスだ。デブスでドブスだからデドブス』
「成程、最初に言っていた俺の先輩のことだな」
『そうだ。じゃあ応用編を続けるぞ。太ったブス2人組は?』
「えーと、太ったブス2人組なんだから……デダブス?」
『惜しい! 正解はダデブスだ。人数のダを先に持ってくるのがルールだ』
「成程、ダが先ね」
『じゃあ次だ。めちゃくちゃ太ったブスは?』
「え? それはデドブスじゃないのか?」
『デドブスはお前の先輩のように太っててめちゃくちゃブスのやつだろ。めちゃくちゃ太ったブスとは違う。めちゃくちゃ太ったブスの呼び方はドデブスが正解だ』
「デドブスとドデブスか。ややこしいな……」
『ドはデブに掛かっているのかブスに掛かっているのかで順番が変わってくる。ドデブスはめちゃくちゃ太ったブスのことだが、太っていることを強調するためのドをデの前にする必要があるからドデブスになる。なのでドデブスはめちゃくちゃ太ったブスの呼び方で、デドブスは太っためちゃくちゃブスの呼び方だ』
「うわぁ、ややこしいな……」
『ドが何の前に来て何を強調しているかを考えれば簡単だ』
「成程」
『じゃあ次だ。太っててめちゃくちゃブスの2人組は?』
「えーと、太っててめちゃくちゃブスの2人組だろ……太ってるのはデで、めちゃくちゃブスはドで、2人組のダは先に持ってきて、ブスを強調するためにドはブスの前にして……ダデドブス?」
『正解だ!』
「おお! なんとなくわかってきた!」
『じゃあダドデドブスを説明してみろ』
「ダドデドブス? ダが付いてるから2人組だろ。それでドがデとブスの前に両方付いてるんだからえーと……めちゃくちゃ太っててめちゃくちゃブスの2人組?」
『正解だ! じゃあトリデブスは?』
「トリデブス!? なんだよそれ……そんなの教えられてねぇよ……」
『トリデブスはトリプルのデブスでトリデブスだ。つまり太ったブス3人組だな』
「なんだ、トリプルの太ったブスでトリデブスか。てっきりお城の砦を防衛してるブスかと思ったぞ」
『まぁ確かに太ったブスが3人もいれば相当な防衛力になりそうではあるな』
「じゃあ3人組のブスがトリブスってことだよな?」
『そうだ。お前もわかってきたじゃないか』
「……ん? ちょっと質問いいか? 2人組のブスはダブスだよな? でも片方がデブスでもう片方がドブスだったらなんて呼ぶんだ?」
『それは普通にダブスだよ。デブスとドブスのダブスだな』
「そうか、その場合はそうだよな」
『組み合わせは様々あるからな。ドデブスとデドブスのダブスとかダドブスとドデブスのトリブスとかデブスとドブスとドデブスのトリブスとかダデブスとドデドブスのトリブスとか』
「ごめん、何言ってるか全然ついて行けないわ……」
『ま、慣れればわかるようになるって。そうだ、ここらへんけっこう人多いから練習してみようぜ。お、あの女子たちはどうだ?』
「えーと、あいつらはどっちもブスだからダブスだな」
『は? あれはどっちもノブスだろ』
「ノブス? ノブスって何だ?」
『ノットブスでノブスだ。つまりブスではないってことだな』
「へぇ、そんなのもあるのか。俺にはどっちもブスに見えたんだけどな」
『は? あれがどっちもブスって、お前辛口過ぎだろ』
「そうか?」
『じゃああの女子はどうだ?』
「あれはデブスだな」
『は? あれはぽっちゃりしてるだけだろ。しかもノブスだ』
「そうかぁ? あれはデブだしブスだろ」
『じゃああの2人組は?』
「あれはダデドブスだな」
『は? あれはどっちもぽっちゃりしてるただのブス2人組だろ。つまりただのダブス』
「えぇ? 判定甘過ぎるだろ」
『お前が辛口過ぎなんだよ! ダデドブスなんてかなりレアなんだからな! お前の先輩本当にデドブスか!? なんかかなり怪しいぞ!』
「えぇ……デドブスだと思うけどな。確かスマホに画像あったはず。えーと……ほらこれ、どう見てもデドブスでしょ」
『は!? この野郎!! 何がデドブスだ!! 俺の彼女じゃねーか!!!』
「え!?」
『人の彼女デドブス扱いしてんじゃねー!!! どう考えてもノブスだろ!!! ぽっちゃりしてて普通に可愛いだろうが!!!』
「わ、わかったわかった訂正する、俺の判定が厳し過ぎたんだな。先輩はぽっちゃりしたノブスってことにする」
『当たり前だ!! んで俺の彼女が何だって?』
「え?」
『え? じゃねぇよ、最初に言ってただろ。太っててめちゃくちゃブスな先輩がいるってよ。太ってねぇし可愛いけどな!! で、何だって?』
「いや、太っててめちゃくちゃブスでおまけにうざい絡み方してきて困ってるから、どうしたらいいか相談するつもりだったんだよ」
『……お前人の彼女の悪口言い過ぎだろ』
「……悪い、知らなかったんだから許してくれよ。それより俺の彼女も見てくれ。ほらこの子、めちゃくちゃ可愛いだろ」
『……は? これアイドルの白銀花凛にそっくりじゃん……』
「だろ〜」
『……ま、俺の彼女もお前の彼女も同レベルだな。どっちもノブスなんだから』
「そこは普通に可愛いって言えよ。……はい、ありがとうございましたー」
『ありがとうございました〜』
…………
『いや〜、ありがとな高柳、相方引き受けてくれて』
「あ、ああ……」
『緊張したけどけっこう良かったんじゃないか? だいぶウケてたよな?』
「でも男子は笑ってたけど女子は全然笑ってなかったぞ……。おまけに何人かめちゃくちゃ白い目で見てきてたし……」
『まさかあんなに女子がいるとはな〜。10人くらいいたか?』
「女子いないんじゃなかったのかよ……」
『去年も一昨年も先輩がやったときは男子しかいなかったって言ってたんだけどな〜。実際さっきまでは1人も女子いなかったし』
「なんで俺らのタイミングで女子来てんだよ……。しかもクラスの女子どころか部活の女子の先輩たちまでいたし……やべぇよ……」
『先輩って吹奏楽部の先輩?』
「そう……」
『ま、大丈夫じゃね? 漫才のネタなんだからさ。それより俺トイレ行ってくるわ』
「ああ……」
【おー高柳】
「あ……西島先輩どうも……」
【面白かったよお前らの漫才。なかなかウケてたしなー。わざわざ観にきた甲斐あったわー】
「あ、ありがとうございます……」
【ところで太っててめちゃくちゃブスでうざい先輩ってあたしのことか?】
「ち、違いますよ……。俺は日和田に頼まれたから相方引き受けただけだし、ネタ考えたのも日和田だし、あれはあくまでネタの中の話であって……」
【お前心の中であたしのことデドブス扱いしてたんだなー】
「し、してませんって……」
【午後の演奏会が楽しみだなー。誰がデブスで誰がドブスで誰がデドブスで誰がドデブスか教えてもらわないとなー】
「だ、だから違いますって……」
【そうだよなー。お前の彼女は白銀花凛そっくりなんだもんなー。あたしらなんか全員ブスに見えるよなー】
「そ、それはネタの中の設定であって俺彼女なんていませんし、それに先輩たちは全員ノブスですよ」
【そこは普通に可愛いって言えよ】
「い、いや……あの……その……すみません…………」




