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新新宝島〜少年少女たちは昼夜を問わずこの世界を駆け抜ける〜  作者: 六葉翼
式日

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4/8

式日Ⅳ



思っていたより待たされなかった。


携帯ショップはいつも狭くて。混んでいて、けっこう待たされる。そんな印象だ。


それでも、その時間帯学校に呼ばれたのが、6年生の生徒と父兄だけだったせいか。僕と母さんは、それほど待たされずに、手持の整理券の番号で呼ばれた。


「本日は・・御契約の御家族様のうち、現在小学校などに就学中のお子様のみ、機種変更の対象となります!」


ショップのお姉さんは、少しだけ緊張気味の僕と母を笑顔で出迎えた。


後は前にも聞いたような説明。

僕は少しだけ眠くなった。


「では・・ご説明は以上になります」


それで、新しい携帯の入った紙のバックを手渡され家に帰る。そう思っていた。


「では・・お子様は、そちらの衝立の裏で必要な処置を受けて頂きます」


処置ってなに?


新しい機種を受けとるだけでしょ?


「制定された新法では、外科手術扱いになりますので。なお、処置には医師が必ず立会いますので・・どうか御安心下さい」


外科手術ってなに!?


僕は思わず母さんの顔を見た。


「それなら安心出来ます」


見上げた母の顔は、美術室の石像のレプリカみたいに無表情に見えた。



店員の言葉と、立ち上がった母に促され。僕は白い衝立で仕切られた、ブース裏のスペースに足を踏み入れた。


小学校の身体検査の時の教室。

その場の印象はそれだけだった。

違うのは父兄の同伴者がいること。


白衣を着た、おそらくは医師と看護師さん。そして携帯ショップの人。


普段あり得ない組合せ。


その前には見慣れた同級生たちの列。男女の区別なく。生徒たち皆が、その場に行儀よく並んでいた。


服を脱いで心音を計ることもない。


「滅菌服の頭だけ脱いで…こちらの籠に」


自分の順番が来ると、目の前に置かれた丸い椅子に「腰かけて」と言われ。ただ黙って医師に必要な処置を受けていた。


「注射よりも痛くないからね」


目の前で、唇を弓に結んで座る女の子。


目の前には、白い電話の受話器に似た物体。


その子が目を瞑る。


「ほら痛くないでしょ?」


それが右耳の裏にあてがわれたのは、ほんの一瞬に思えた。


「もういいですよ」


彼女は、看護師さんに耳裏に小さな絆創膏を貼ってもらうと、医師に小さな紙箱を手渡された。


ご褒美の飴でも入っているのだろうか。


そのまま彼女は解放されたような、安堵の表情を浮かべて立ち上がる。


「ぜんぜん痛くないよ」


彼女は小声で僕に囁いた。


そのまま、近くで待っている母親の元へと、ぱたぱたと走って行った。


すぐに僕も看護師さんの言葉を聞いた。


耳裏がひやっとする。

消毒ガーゼの感触。


彼女の後ろでチカッ!


光ってた。


青い光は今の僕には見えない。


それでも僕は病院の匂いが嫌いじゃない。なぜか安心出来るんだ。


皮膚にあてがわれた謎の機械から、バチッ!という音が耳の中で響いた。


家に帰ってから、携帯ショップで貰った紙の小箱を開けた。


サービスポイントで貰える、携帯ケースや、会社のキャラグッズだと思った。


箱の中身はコンタクトレンズだった。


「母さん・・僕、目は悪くないよ」


「新しいヒロトの携帯には必要なのよ」


そうは言っても、肝心の機種は渡されなかった。僕は首を傾げた。


「新しい携帯は・・もうヒロトの頭の中に埋め込まれているの」


母さんは、説明書に目を通しながら僕に説明した。


「これは…表示された画面を見るための、モニターの代わりになるらしいわ」


そう言って、一度消毒した手でレンズを人差指の先にのせた。


「ヒロト・・天井に顔を向けて」


まず僕の右目の目蓋を左手の細い指で広げて。それからレンズを眼球に被せる。


左目も同じようにして。僕にコンタクトをつけてくれた。それで、視力が急によくなるわけではないみたいだ。僕はもともと目は悪くない。


「まだ機種の電源が入ってないからね」


少しだけ異物感。


涙が滲んで来そうになる

僕は拳の裏で瞼を擦る。


「それにこれは・・自然の植物由来の成分で作られているらしいから、ヒロトの涙で溶けてから眼球全体を覆うの・・大丈夫?痛くない?」


「痛くないよ」


「そうよかった」


母さんの言葉通りだった。


僕の目の中に何かが入ってる。


そんな感じ。


それは、すぐに消えて無

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