たすけて……くださいいぃぃ
人って、見る角度によって善悪が分かれますよね。
大人ですら難しいのに、立ち向かうリディアと生徒会役員。
暗闇に閉じ込められたような錯覚さえあったリディアにとって、アイリスのその一言はまさに福音だった。
思えば、最初から自分一人で解決できないからこそ、王太子であるレオンに助けを求めに来たのだ。
方法は間違っていたし、今もどうすれば良いのか分からない。
それでも、アイリスの言葉が、温もりが自分を救いあげてくれたように、自分にだって何か出来るのかもしれない。
「たすけて……くださいいぃぃ」
強ばった手をスカートから離し、添えられたアイリスの手をギュッと握り締めると、涙でぐちゃぐちゃの顔のまま、アイリスに助けを求めた。
きっと酷い顔をしているし、ちゃんと助けてって言えたかどうかも怪しい。
それでも、目の前にいるアイリスなら、ここにいる人達ならどうにかしてくれる予感があった。それはロウソクのように儚いけれど、それでもしっかりとリディアの胸の中に灯った明かりだった。
「よく言った。民を助けるのが王族の仕事だ。今までよく頑張った。大切な我が民を苦しめてしまってすまなかった」
「そ、そうです。そして、生徒を助けるのは生徒会ですわあぁぁぁ」
レオンはニヤリと尊大な笑みを浮かべて立ち上がると、リディアの前で胸にスっと片手を添えて軽く頭を下げた。
本来であれば、たとえ貴族の前であろうと王族が頭を下げることは良しとされていない。
それでも、レオンはリディアに敬意を込めた。学園にいるとはいえ、まだ少女に過ぎないリディアが、一人で守ろうと抱え込んだものの大きさに、ただただ頭が下がる思いだった。
初めてリディアの事情を知った時、同じ学園の、自分よりも年下であるリディアが置かれた状況の悲惨さにレオンは頭を殴られたような衝撃を受けた。
これくらいでショックを受ける自分は、王族として相当甘いのだろう。
それでも、自分がまだこの国について知らない部分、未熟な部分も浮き彫りにしてくれた。
それは、将来この国を治める為に、学ぶべき課題をレオンにもたらした。
感極まったのか、ナタリーとフローライトも自分達生徒会が守るのだと、お互いに泣きながらリディアの手を握っていた。
それを仕方の無いような顔で、スコロライトもサリオスも見ていたが、2人の目元が少し赤くなっていることにレオンは気付いた。
今日のところは皆感情が昂りすぎているのもあり、また別日に集まることになった。
リディアも両手をそれぞれナタリーとフローライトに繋がれて、生徒会室を出ていく。今日は3人一緒に寝るそうだ。
アイリスも微笑ましげに眺めて、嬉しそうにしている。
ナタリー、リディア、フローライトは仲直りしました。
仲良い女の子可愛い。




