第四話 自覚
殺らないといけない...
幼馴染であり親友のぐっちを...
とりあえず帰ろう。まずはそこからだ。
さっきはああ言ったものの家に着いても覚悟は出来てないし、
そもそも大切な人を全員殺すとしたら殺すのは二人になる。
家に居る義父と幼馴染のぐっちだ。
どちらかというとなどはない。どっちもとても大切だ。
どっちも殺したくはない。俺は激しく葛藤した。
だが一度決めた事をやめるのは俺の性に合わない。
殺ろう...まずは義父だ。
すみませんこんな俺を育ててくれてありがとうございました。
俺は背後から義父を刃物でグサりと刺した。ごめんなさい。
ごめんなさい。こんな人間で。義父は息をしていなかった。
次にぐっちの家に向かった。インターホンを鳴らしたら、
ぐっちはすぐに出てきた。俺はぐっちの事を刃物で一突きした。
たまたま散歩している人が居て叫び声をあげた。
しくじった。冷静になって家の中でやるべきだった。
警察を呼ばれる。逃げなきゃ。
どうする...俺に行く場所なんてものはあるのか。
頭が真っ白になった。気づいたら俺は自分のスマホで警察に電話していた。
警察が来て義父とぐっちをころしたのは自分だと自首した。
裁判では「殺したのは俺だ!!殺すなら殺せ!!死刑でも何でもしろ」
と大声で叫んだ。反省の色が見えないとみなされた為、俺は死刑が決まった。
分かっていた。世界の真実なんてものはないと。
そんな夢物語は存在しないと。だけど信じたかったんだ。
この退屈を終わらせたかったんだ。もう全てがどうでもいい。
どうせ終わるんだし、そう思いつつもまだ希望をのこしていた。
裁判時ぐっちはまだ入院していた。
もしぐっちが死んだら俺はなにか変わるかもしれない。
そんな酷い期待をしてその日は眠りについた。
死刑執行の日がついに来た。俺死ぬんだな。
前が何も見えない。もう諦めるよ。
背中を押され、俺は死ぬんだな。そう自覚した時。
急激な頭痛に襲われた。
第四話 完 次回「第一章 真実の瞳 第五話 知らない」




