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落ちこぼれの行使魔法  作者: つかっちゃ
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4/6

標的二人組

バスに乗り、揺られているときにふと昨日のメールを見返した。


「………というかあいつ“そっちはどうだった?”って…俺の成績がどの程度が良く分かってる癖にこんなもん送ってきやがって」


あいつまじで性格糞だよな、なんてちょっと苛立ちながら窓の外に目をやって流れていく風景をぼ〜っと眺めながらこれからのスケジュールを立てていく。そしてバス停で止まると


「あ〜、歩く〜ん」


開くドアに少しだけ目をやると─────目を逸らし何も見なかったことにした。


「えっ?ちょっとひどいよ〜」


玲はそういって歩に一気に近づき後ろに手を回しながら


「お〜はよっ!」

「……おはよう」

「ん〜?なんでそんなに不機嫌なのかな?」


そんな事を本当に素で聞いてくるあたり本当にたちが悪い。軽く無視をすると当たり前のように玲は歩の横に座ってくる。まあそうだろうな、と感づいていた歩は特に何も言わずに窓に目をやる。

さっきまでは確かに晴れていたのだが曇り始めている。

なんか嫌な天気だな、なんて考えていると学校前の停留所に着いた。席を立ち前に行くと腕時計型端末をリーダーにあてて料金を支払う。玲の方も同じようにして払うと一緒に降りる。


「う〜ん、長かったぁ…」


玲は思いっきり背伸びをすると大きなあくびをした。


「そんなに乗ってないだろ」

「そんな真面目に返さないでよ〜。それより今日からもう魔法の授業が2時間入ってるんだ〜良いでしょ」

「俺らも一応2時間入ってるぞ。といっても多分そこまで魔法のことはしないと思う。俺らはまずは基本からだからな」

「そっか〜頑張ってね。あ、私こっちだからじゃあね!」


駄弁りながら歩いていたので気づかなかったが既に校舎の中まで入ってきていて玲は左側のエレベーターに乗って行った。

歩の方は昨日行った通りの道を進み、これから起こるであろう事を想像して少しの覚悟をした。







教室の部屋を開けると既に7〜8人来ており喋っていたのか数人で集まっていた。別に興味もないので窓際の1番後ろの席まで来る。するとクスクスと笑い声が聞こえてくる。恐らく俺の方向を見て笑ってんだろうな、なんて考えながら端末を開き空中ディスプレイを表示させ趣味である小説を読み始める。歩は特にラノベが好きで毎日ネット小説などでスコップをするのが好きだ。ラノベなら何でも好きになれるが特に好きなのはバトル物で、どんなにやられても諦めない主人公などを見ていると心を動かされる。そして(自分もいつか絶対に……強くなってやる…)と心の中で思いつつ自分の世界にのめり込む。


気付けば朝のHRの時間になっていて先生が入ってくるが、ディスプレイを最小化させ先生の話を聞く。


「皆、おはよう」

「「「おはようございます!」」」

「今日の日程は昨日話したとおりだ。早速魔法学が始まる。心しておくように。では朝のHRは終わりだ」


そう言い残しさっさと教室から立ち去る佐藤。あまりの速さに全員唖然としたがすぐにざわざわし始めた。歩はまた小説を読み始めると隣から声がかかった。


「え、えっと、確か月城君で、あってるよね?」


歩は頭だけを動かして見ると、爽やかな、でも少し気弱い感じの男の子が立っていた。


「うん、あってるけど。君は確か…」

「僕は日向 竜、気軽に日向って呼んでね」

「ああ、よろしくな」


そういって握手をした。歩も(こいつは下心とかそういうのが無さそうだ)と判断して心を開いた。そして会話をしていると趣味がラノベが好きな所が同じだったり、少し込み入った話をしたりして境遇がかなり似ていてすぐに打ち解けた。こんなに打ち解けて話せる奴は初めてだな、なんて思っていると


「くくく…面白れぇな。ダメダメ2人組が一緒になかよくおはなししている構図はなぁ」


そういって突然割り込んできたのは少しチャラく見える男だった。


「……なんだよ、いきなり」

「おおっと怖がらせてしまいましたかこれは失礼!」


少し戯けた雰囲気で接してくるこいつはこのクラスで1番の調子者の三船 愁だった。そしてそいつは特に何も用は無かったのかすぐに


「じゃあな、落ちこぼれ二人組(・・・)、せいぜいあがくことだな、ははははは!!」


そういって教室から出てそこにいた集団に混ざるとどこかに行ってしまった。


「……ごめんな、俺のせいで落ちこぼれ、なんて言われて」

「いや、実際そうだからね。僕も歩の1つ上の順位だし」


ははは、と竜は気にしてなさそうに笑う。そんな竜を見て、歩も決心する。


「はぁ……なら、二人で頑張っていこう。いつかあいつらを見返して、大事なもの(・・・・・)を守るために」

「うん、あんな奴らどうってこと無いさ!強くなって大切な者(・・・・)を失わない為に」



そうして、二人の成長の第一歩を踏み出したのだった。

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