適正検査
適性検査は一気に行われるのでかなり時間がかかるのだが幸い歩も玲も前の方に座っていたのですぐに順番が回ってきた。
「No.32の人ー!」
「あ、私だ、行ってくるね!」
「おう、いってらっしゃい」
「No.33の人〜」
「あ、次俺か」
呼ばれた方に行くと小さな個室が用意されており案内された通り中に入る。他の人たちは前の方にあるテーブルの上で何かしているのになぜ俺だけ?と少し不安になりつつ
「し、失礼しま〜す」
「ようこそ来てくれたね。私はこの魔法学校の校長を務めている五十嵐 那由美と言うの」
「は、始めまして。俺は月城 歩と言います」
「歩君ね。なぜ一人だけここに呼ばれたか分かるかい?」
「なぜって……?」
五十嵐校長は女性で黒髪の長髪で少し頭を傾かせ聞いてくる。若く見えるし美人なので少しドキッとしたがここはできるだけ平静を保たなければと思い、努めて普通にしている。
「……分からないかい?なら教えてあげるよ。君には他の人には多分気づけないほどの、微小ではあるが開花すれば凄まじい才能を持っているんだ」
「才……能…?」
なぜかこのセリフでまたおばあちゃんの言葉を思い出した。
『───貴方はね、才能があるの───』
その上から被せるように
「そう、才能。私は人の才能、正確には真意が見抜ける特別な能力があるの。だからこそ気づけたの。初めてあったとき周りを見てみたのだけれど君だけ他の子とは全く違う素質を持っているようだったの」
「全く違う素質?」
「私もあまり詳しく見通せなかったからよく分からない。でも才能があるのは確か」
「でもそれは極微小であると。……なら努力次第では開花するのですね?」
五十嵐は目を細め柔らかく微笑みながら頷き肯定を示した。
「それで、適性検査なのだけれど。現時点での君の魔法適正はほぼ0に等しいようね」
「ほぼ0、ですか」
「そう。0じゃない。だから現時点ではクラスはmgc-1-10、魔法のクラスでは1番適性が弱い子達が集まるクラスなのだけど、ここでいいかしら?」
「はい。俺は特に不満は無いです」
「なら決まりね。6年間のうちにここで開花すると良いわね」
そう言われ、適性検査は終了した。
「あっ!お〜い、歩〜!」
ホールを抜けて少し離れた場所に居ると遠くから玲が手を振って走って近付いて来るのが分かった。そして息を切らせながら
「はぁ、はぁ、はふぅ〜…適性、どうだった?」
「はは、見事にほぼ無いに等しいってさ」
「あ〜それは残念だったね。因みにクラスは?」
「mgc-1-10」
「あれ?魔法のクラスなんだね」
「なんか頑張りようではMJ無しでも使えるっぽいからって入れられた」
「そうなんだ〜。因みに私はmgc-1-2になったよ」
「へぇ、優秀クラスじゃん。まあお前の適性は入学前から大体分かってたし予想してた通りだったな」
「私は今からクラスに行かないと行けないけど、歩もそうでしょ?」
「うん。まあ、お互い頑張ろうな」
「うん!」
そういって玲と別れた。
喋りながら来ていたので気付けば校舎の前に来ていた。なので自動扉をくぐり、三階の1番奥の部屋に向かった。
因みに一階は購買部や職員室、用具室、応接室など様々な部屋があり、二階から教室が広がる。一階の自動扉をくぐってすぐ目の前、広い空間の真ん中にエスカレーターが設置してあり、かなり様々な機能が完備されているようだ。
様々な施設があるなぁとのんびり教室に向かっているとある広告が目に入った。
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〘!!校内魔法大会!!〙
校内最強を決める大会が今年もやってきた!
昨年度はmgc-4-1である佐野 拓真選手が優勝し、校内史上最年少での優勝に激震しました!!
一体今年は誰が優勝するのか!?
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開催日時: 2079/10/18
開催場所: 実習ドーム
※テレビでも生中継されるので騒ぎを起こさない事!※
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「へぇー、面白い事もやってるんだな」
ここ国立魔法学校は日本一規模の大きな学校なのでこういう校内イベントはかなり力が入っているようだ。それこそ、生中継されるくらいには。しかし
「ま、俺には関係のない代物か…」
そう呟くとさっさと歩き出すと教室に向かった。
教室に向かい、スライド式のドアを開くと20人程既に集まっていた。歩は適当に窓際の席につくとさっき来た玲からのメールを見て、返信も返した。
2079/04/01/11:37
学校生活楽しみだね!!٩(๑>ω<๑)۶
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→そうだといいな。
メール返信の後は机に頬杖を付き外を眺めた。
───微小な才能が────
──────開花すれば凄まじい────
──ほぼ0に等しい────
─物は考えようだな。0じゃないだけまし、頑張り次第によっては強くなれる。なら、頑張ればいいだけの話だ。
もう二度と、あんな事にはならないために。




