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50.追跡者

 夜明け。

 森を抜けた。

 遠くに小さな町が見える。



「人のいる所は危ない」


 ゆきは頷く。


「でも物資がないと無理」


 食べ物、水、休む場所。

 逃げ続けるには必要だ。


 僕は町を見る。

 未来は見えない。

 何が起こるかわからない。


「どうする?」


 れんは言った。



「少しだけ入る」


「バレたら終わりだよ」


 ゆきは言った。



「その時は逃げる」


 それしかない。

 僕達は町へ向かった。



――――


 一方、警察署。

 電話が鳴っている。


「情報提供?」


 刑事は言った。


 電話の相手はみき。


「しょうたって少年、今も逃げてます」


「どうしてわかる?」


「見えるから」


 みきは言った。


 刑事が眉をひそめる。


「能力者か?」



「過去を見れます」


 刑事は半信半疑だ。


 でも研究所の事件。

 失踪した人間。

 行方不明の少年。

 全部、繋がりそうだった。



「証拠ある?」


「あります」


 その瞬間、刑事の机、過去が見える。


 昨日、今日。

 電話、全部。


 みきの目に映る。


「信じなくてもいい。でも今捕まえないと、しょうたは逃げます」


「場所は?」



「町。北の森の近く」


 刑事が立ち上がる。


「パトカー出せ」


 警察が動き始めた。


――――


 一方、僕達。


 町のコンビニ。

 れんが帽子を深くかぶる。


「バレないかな」


「大丈夫だと思う」


 ゆきは言った。


 僕は外で待つ。


 人の視線が少し怖い。


 未来が見えない。

 それだけでこんなに不安になる。


 れんとゆきが店に入る。


 僕は空を見る。

 その時、遠くの電柱に女の子が立っていた。

 僕を見ている。


 目が合った。

 でも知らない顔だ。

 僕は視線を外した。

 怪しいと思わなかった。



「見えた」


 みきの能力。


 今、僕のすぐ近くの過去が全部見えている。


 テレビ出演、親の死。

 研究所、逃亡、ひな。



「しょうた、終わりだ」


 みきはスマホを取り出す。



「場所、確定しました」


 その時、遠くでサイレンが鳴る。


 僕は顔を上げた。

 胸がざわつく。

 理由はわからない。

 でも危険、直感。


 れんとゆきが店から出てくる。


「しょうた! どうした?」


「逃げる」


 二人が驚く。



「え?」


 その瞬間、パトカーが曲がり角から現れた。


 赤いランプ、サイレン、警察だ。


 みきは僕達を見ていた。


 未来が見えない世界。

 ついに追跡が始まる。

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