45.警報
地下研究施設に警報が響く。
赤いライトが回る。
白い廊下が真っ赤に染まる。
「警備が来る!」
れんは叫んだ。
ゆきが周りを見る。
「研究所全体が動いてる!」
僕は未来を見る。
でも何も見えない。
未来はまだ消えたままだ。
ひなが壁にもたれている。
呼吸が浅い。
「しょうた、急いで」
ひなは呟いた。
僕は頷く。
オラクルは後ろに下がった。
顔が青い。
「来るな……」
僕は一歩進む。
その瞬間、廊下の扉が開いた。
黒い装備の兵士たち。
能力者対策部隊だ。
銃が向けられる。
「動くな!」
「やばい!」
れんは言った。
「止まれ」
僕は言った。
「撃つぞ!」
兵士は怒鳴った。
「撃て!」
オラクルは叫んだ。
銃声が響いた。
未来が見えない。
でも体が動いた。
僕は横に飛んだ。
弾丸が壁に当たる。
「しょうた!」
れんは叫んだ。
僕は床を転がる。
そして兵士の足を払う。
兵士が倒れ銃が落ちる。
僕は銃を蹴り、遠くへ飛ばす。
「すごい!」
ゆきは言った。
「未来がなくても戦える」
「でも多すぎる!」
れんは言った。
廊下の奥からさらに兵士が十人以上くる。
オラクルが後ろへ下がる。
でも突然止まった。
「……そうか」
オラクルは言った。
僕を見る。
そして笑った。
「じゃあ未来を作ればいい」
僕は眉をひそめる。
「何?」
「この研究所、未来予測装置がある」
「装置!?」
れんは驚いた。
「能力だけじゃない。機械でも未来は計算できる」
オラクルは言った。
「君が未来を消しても、計算された未来は消えない」
廊下の奥の扉が開く。
巨大な部屋。
無数のモニター。
巨大なコンピューター。
オラクルがそこへ走る。
「未来を取り戻す」
「止めて!」
れんは叫んだ。
僕は走る。
一人殴る。
二人蹴る。
でも数が多い。
「しょうた!」
その時、ひなが立ち上がった。
体が震えている。
「しょうた、任せて」
「ダメだ!」
空気が歪む。
世界が揺れる。
「機械を消す」
ひなは言った。
オラクルが振り向く。
「やめろ!!」
ひなが手を上げる。
存在消去が発動する。
巨大なコンピューター。
未来予測装置。
その瞬間、音が消えた。
世界が静止する。
モニター、光、全部消えていく。
「やめろぉぉぉぉ!!」
オラクルは叫んだ。
「これで終わり」
そしてひなは崩れ落ちた。
「ひな!!」
僕が抱き止める。
ひなは笑っていた。
「これで自由」
ひなの目がゆっくり閉じる。
そして動かなくなった。
「ひなぁぁ!!」
れんは泣き叫んだ。
未来予測装置は完全に消えた。
未来を見る能力。
機械の未来。
全部消えた。
僕はひなを抱えたままオラクルを見た。
オラクルは震えていた。
未来がない。
完全な未知。
「終わりだ」
オラクルがゆっくり後ろに下がった。




