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27.未来と過去の戦い

 僕とみきは向かい合っていた。


「面白くなってきたな」


 じんは腕を組み言った。


 みきは静かな目で僕を見ている。



「僕を捕まえるって言ったよな」


 みきは頷く。



「うん。止める」


「どうやって?」



「過去を見る」 


 みきは言った。



「それだけ?」


 れんは聞いた。



 みきは首を振る。


「違う。戦いの過去を見る」



 僕は理解した。

 もし過去の戦いを全部見られたら。


 人の動き、戦い方、全部覚えられる。

 ゆきの記憶能力と似ている。


 でももっと恐ろしい。



「あなたの過去全部見た」


 みきは呟いた。



 僕の背中に寒気が走る。


「……全部?」



 みきは頷く。


「テレビ、研究所、逃げた日、親を……」


 みきはそこで止まった。



 れんは僕を見る。


「しょうた?」


 僕は目を逸らした。



「あなたの動き、全部知ってる」


 みきは言った。



 僕は拳を握る。


「じゃあやってみろ」


 僕は目を閉じた。

 未来を見る。


 みきが倒れる未来。

 でも未来が乱れる。

 みきの能力。

 過去を見る能力が未来を変える。



「未来を作ってみて」


 みきは言った。



 未来を作る。

 みきが倒れる未来。


 その瞬間、未来が流れ込んできた。



――みき、地面に倒れる――


 未来が終わる。


 僕は目を開いた。


「……行く」



 僕はみきに向かって走った。

 みきは動かない。

 そのまま立っている。


 僕は拳を振る。

 でも、みきは横に避けた。


 僕の拳は空振りした。

 そして地面に転がり倒れた。


「しょうた!」


 れんは叫んだ。


「遅い」


 みきは言った。



 僕は驚いた。


「なんで」


「過去だから」


 みきは言った。


 僕の攻撃、動き、全部知っている。

 みきが僕を見下ろす。



「未来を作っても動きは変わらない」


 僕は歯を食いしばる。

 未来を見る。

 次の攻撃、未来を作る。


 僕は立ち上がった。



 パンチ。

 みきは避ける。


 蹴り、避ける。


 全てかわされる。



「全部過去にある」


 未来を作っても、戦い方は過去に縛られている。



「あなたはここで終わる」


 みきがそう言った瞬間、未来が流れ込んできた。



――僕、倒れる、捕まる――


 未来が終わる。


 僕は息を飲む。



「しょうた!」


 れんは叫んだ。



 僕は振り向く。


「みきの体にも機械がある!」


 じんの目が少し動く。

 みきは一瞬だけ止まった。



 未来を見る、未来を作る。



――みきが止まる未来――


 未来が流れ込む。


 僕は動いた。

 みきの腕を掴む。



「何だそれ!」


 みきのコートがずれる。

 胸の下、小さな金属装置がある。



「やっぱり!」


 れんは叫んだ。



「バレたか」


 じんは言った。



「……お前も改造?」


「仕方ないか」


 みきがそう言った瞬間、みきの体から異常な力が溢れた。


 空気が震える。

 森が揺れる。


「使うのか」


 じんは呟いた。



「封印解除」


 みきは呟いた。



 その瞬間、みきの目が光った。


 僕の未来がまた完全に見えなくなった。

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