26.未来を作る
夜の森。
目の前にはみきとじん。
みきの言葉が頭の中で響いていた。
「あなたの能力は未来を見る能力じゃない。未来を作る能力」
「……そんなわけない」
僕は言った。
「本当」
みきは言った。
僕は首を振る。
「違う。僕はただ未来を見てるだけだ」
「じゃあ試してみろ」
じんは笑った。
「何を」
僕は睨んだ。
「未来、作ってみろよ」
森が静かになる。
僕は目を閉じた。
未来を見る。
じんが倒れる未来。
でも見えない。
未来は乱れている。
みきがいるからだ。
未来と過去。
能力がぶつかっている。
もし本当に未来を作れるなら……。
「……じんが倒れる未来」
僕は呟いた。
その瞬間、頭の奥が熱くなる。
未来が流れ込んできた。
――じん、地面に倒れる、血――
未来が終わる。
僕は目を開いた。
「……見えた」
僕はじんに向かって走った。
「しょうた!」
れんは叫んだ。
じんが手を振る。
斬撃がくる。
「右!」
れんの声で僕は避ける。
「次は上!」
ゆきの声で僕はしゃがむ。
未来の通り。
僕はじんの前に出た。
その瞬間、たくまが最後の力で岩を飛ばす。
岩がじんの背中に当たる。
じんの体がよろめく。
僕は拳を振った。
そして、じんが後ろに倒れた。
「倒れた!」
れんは叫んだ。
ゆきも驚く。
「本当に!?」
じんは地面に倒れていた。
僕は息を切らす。
「……未来の通りだ」
「違う」
みきは静かに見ていた。
僕は振り向いた。
「え?」
「それ、未来じゃない。あなたが作った未来」
みきは言った。
僕の心臓が強く打つ。
じんはゆっくり起き上がった。
血が流れている。
でも笑っていた。
「すげぇな。本物じゃん」
じんは僕を見て言った。
「……僕が未来を?」
「そう。だから危険なの」
みきは言った。
じんが肩を回す。
「未来を作る能力。世界壊せるぞ」
未来を作れる。
もし僕が望めば、能力者のいない世界、戦争のない世界を作れる?
「でも制限がある」
みきは言った。
「制限?」
僕は聞いた。
「未来を作るたびに世界が歪む」
みきは言った。
「歪む?」
れんは聞いた。
「未来を作るたびに、能力者が増える」
みきは言った。
僕はよく分からなかった。
「あなたが未来を作るほど世界は壊れる。能力者が増える。争いが増える。あなたが世界を壊す」
みきは僕を見て言った
僕の背中に寒気が走る。
未来を見る。
――都市、炎、能力者、戦争――
未来が消えた。
「だから捕まえる」
じんは言った。
「未来の人、ここで終わり」
僕の未来はまた追い詰められていた。




