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14.五人の能力者

 古い研究所の部屋。

 天井の蛍光灯がチカチカと点滅している。


 僕の言葉で、部屋の空気が少し重くなった。



「ここで死ぬ? あなたいきなり不吉な事を言うのね」


 短髪の女が、腕を組みながら言った。



「未来で見たから」


 僕は言った。



「未来か。面白い能力だ」


 老人がほくそ笑む。



「本当に見えるのか?」


 背の高い男が僕を見て言った。



「……少し先の未来。そして、未来の可能性が見える」



「すごい!」


 少年が目を輝かせていた。



「能力者が五人。偶然とは思えない」


 短髪の女がため息をついた。



「まずは自己紹介だな」


 背の高い男は言った。



 男は自分を指さした。


「俺はたくま。能力は……」


 テーブルのコップを指さした。

 次の瞬間、コップが浮き、ゆっくり宙に上がる。



「うわ!」


 少年は驚いていた。


 そしてコップが戻った。



「念動力。物を動かせる」



「分かりやすい能力ね」



 短髪の女は言った。


 女は自分を指さした。



「私の名前はゆき。私の能力は……」


 彼女は数秒、目を閉じた。



「あなた」


 僕を指さす。



「昨日コンビニでパンを買った」


 僕は少し驚いた。


 女は笑った。



「記憶に触れると、相手の記憶が見えるの。相手に触れるともっと見えるわ」



「すごい!」


 少年が興奮している。



 老人が杖をつき立った。


「次はワシか。名前はかずお。能力は……」


 かずおさんは、床の影を見ていた。



 次の瞬間、かずおさんの影が動いた。

 影が壁を這う。

 蛇のように動いている。


「影を操れる」


 そして影が元に戻った。



「すげぇな」


 背の高い男が笑って言った。



 そして、少年が元気に手を挙げた。


「ぼく! ぼくはれん!」


 元気な声だ。


「能力は……」


 れんは壁を見ていた。



「この建物、地下があるよ」


 全員が止まった。



「階段、廊下、部屋……見える!」

 

 れんは言った。



「透視?」


 ゆきは言った。



「うん! 壁とか、向こうが見える!」



 四人の能力者の紹介が終わった。

 そして、全員の視線が僕に向く。



「最後はあなた。どうぞ?」


 ゆきが言った。


 僕の番……。



「僕は、しょうた。未来が見える」


 沈黙が流れる。



「能力者オールスターだな」


 たくまは笑って言った。



 念動力、記憶、影、透視、未来。

 これで五人。


 その時、未来が流れ込んできた。



――扉、閉まる、鍵、外、誰か、笑う――


 未来が終わる。


「……」


 僕はドアを見た。


 その瞬間。


 ガシャン!!


 金属の音が鳴り響いた。



 全員がドアを見た。


 ドアが閉まった音。

 そして鍵がかかる音。



「……え?」


 れんが言った。



「開かない」


 たくまはドアを引いた。




「誰かいるの?」


 ゆきが顔をしかめる。



 その時、天井のスピーカーから音が流れた。


「ようこそ」


 男の声だ。


 緊張感が走った。



「能力者諸君。集まってくれてありがとう」


 声は笑っていた。



「誰だ!」


 たくまは怒鳴った。



「簡単なゲームをしよう。この建物から一人だけが出られる」


 全員の顔色が変わった。



「そして残りは死ぬ」



「……え?」


 れんは震えていた。



 僕は目を閉じて未来を見る。



――血、能力者、倒れる。

 そしてナイフを持つ僕――


 未来が終わる。



「能力者デスゲームの開始だ」


 スピーカーの声が響いた。


 部屋の電気が消える。

 暗闇の中、悲鳴が鳴り響いた。

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