12.能力者狩り
能力者殺害事件。
その言葉は、一日で全国に広がった。
テレビ、ネットニュース、SNS。
どこを見ても同じ話題だった。
能力者は本当に存在するのか?
能力者同士の殺し合いか?
危険人物ではないのか?
人々の興味は、すぐに恐怖に変わった。
そして、恐怖は行動を生む。
僕は小さな町のネットカフェにいた。
パソコンの画面にはニュースが並んでいる。
未来を見る。
――ニュース、能力者特集、議論、能力者対策チーム――
記事を開く。
そこにはこう書かれていた。
警察庁は、能力者による事件の可能性を考慮し、特殊チームの設立を検討している。
未来を見る。
――会議、警察、女性。
短い髪、鋭い目、スーツ姿。
名前は、せな。
警察庁特殊犯罪対策課。
「能力者は危険です」
未来の映像の中で、せなは言った。
会議室が静まり返る。
「だから捕まえるしかない」――
未来が消えた。
「……能力者狩りか」
僕は椅子にもたれた。
はらは言っていた。
能力者は商品になる。
でも、もう一つの未来もある。
能力者は、狩られる存在になる。
僕はさらに未来を見る。
――ニュース、警察、逮捕。
能力者たちが連れていかれる。
そして牢屋、研究施設――
「……最悪だな」
その時、テレビの音が聞こえた。
ネットカフェのフロアで、ニュース番組が流れている。
僕は扉を少し開けた。
画面には、せなが映っていた。
記者会見のようだ。
「今回の事件を受け、警察は能力者に関する調査を開始します」
「能力者を危険人物と見ているのですか?」
記者は言った。
「能力そのものではありません。問題は、その力を持つ人間です。人は力を持つと壊れます」
せなは言った。
「確かにそうかもな……」
その時、未来が流れ込んできた。
――警察、資料、僕の写真。
「この少年、未来が見えるらしい」
せなは資料を見ながら言った。
「でも証拠はありません」
部下は言った。
「証拠はいらない。危険かどうか。それだけで十分」
せなは言った――
未来が終わる。
「……」
能力者、みき、警察、能力者狩り。
世界は確実に動いている。
そして、また未来が見えた。
――山、古い建物、集まる能力者達。
五人、その中に僕もいた。
血、倒れる能力者。
僕の手にはナイフ――
未来が消えた。
「……またか」
能力者は増える。
でも未来ではどんどん減っていく。




