33・進む◆(拘束期、再会)
まんじゅうに会いに行った父さんたちから、まんじゅうの気持ちを聞いた。
俺が会いに行った時のことは誤解だったと判明した。
まんじゅうは俺達に気を使っていただけだった……安心した。
ほっと安心すると同時に、今度からまんじゅうには言葉の勉強をさせようと決めた。
これまではそこまで問題なく意思疎通が図れていたので気にしていなかったが、このままでは……またこの前のようなことが起きるのは避けたい。そのうち致命的にズレたやり取りをしそうだという恐怖もある。
一から学びなおすのが確実だろう。
まんじゅうならやりかねない。俺もまんじゅう相手になると、時々冷静でなくなってしまうから。
母さんが、まんじゅうが作った糸で、まんじゅうの服を作っているようだった。
見るだけで力が入っているのがわかる。
母さんは成体になったまんじゅうをいたく気に入っていた。
父さんと母さんには、もう俺がまんじゅうに一喜一憂してしまうことがバレている。
もはや俺がまんじゅうから離れられないことも理解されているようで、現在の彼女のことはきちんと決着をつけてあげなさい、とは言われていた。
宙ぶらりんは相手が一番つらいわよ、と。
ここの所あまりにもまんじゅうに集中しすぎてとてもそれどころではなかったが、母さんの言う通り、確かに俺がけじめを付けなければいけない問題だった。
彼女と、話をする。
これまでのことの謝罪、失踪しても変わらず接してくれたことへの感謝。
まんじゅうへの、思い。
彼女は、知ってた、と言わんばかりにため息を付いていた。
あれ…? 俺ってそんなにわかりやすかったか?? 初めて疑問を持った。
実は彼女も、俺が失踪した時から気持ちを保ててはいなかったらしい。
帰ってきたし、なんとなくまだお別れもしていなかったから付き合っていただけで……。
あなたみたいな人とは二度と出会えないだろうし、あなたと付き合ったことは良い経験になったわ、と、彼女はあっさりと去っていった。
俺には勿体無い女性だったと思う。
次は、もっと良い出会いを見つけて欲しい。
家に帰ると、父さんが頭を撫でてきた。
父さんにそんなふうにされるのは、いつ以来だっただろうか。
母さんは、まんじゅうの衣装について、俺に意見を聞いてきた。
そういえば昔はまんじゅうを飾れないか試していたこともあったなと思い出す。
俺の好みも採用しつつ、見事な衣装を作り上げていく。
母さんが作る衣装は、まんじゅうにとても良く似合いそうだった。
服を作るならこの日までに、この日は家族揃って出向いて欲しいとギルド長から言われていたから母さんは大変そうだったが、出来上がりには満面の笑みだ。
まんじゅうがこれを着た所を見るのが楽しみで仕方がない。




