↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
17/34

17・初めての彼女◆(坊ちゃんの彼女)

   ◆◆◆


俺に彼女ができた。初めての彼女だ。

ギルドに併設されている店のウェイトレスで、可愛い子だ。俺は人生で一番と言うほどに、浮かれた。

今までは色んな事を始めたり、引き継いだりと忙しくしていてそんな余裕が無かったが、冒険者の仕事にも慣れて余裕が出始めた頃だった。

告白されて、OKした。

前からギルドで見かけて気になっていたと言われ、喜んだ。

俺も彼女を見かけるたびに、可愛いと思っていた子だったから。


ギルドの仕事仲間であり、親友でもあるハリーには羨ましがられた。

お前を大好きなまんじゅうちゃんも悲しむんじゃないのか? なんてからかわれる。

サヴェルノの時みたいに危ないことに巻き込まれないよう、他ではまんじゅうのことはできるだけ隠しているのだが、ハリーには特別にまんじゅうの事を話していた。

会わせたこともないし、まんじゅうは弟だと言っているのだが、なぜかこいつはいつもまんじゅうを女の子扱いしている。


帰ってからその日の内に、いつものように土産話をせがむまんじゅうにも報告する。

まんじゅうは呆気に取られたようにぼやっとしているように見えた。そのまま早々に寝てしまったので、眠かったのかもしれない。俺のテンションがいつもより高かったから、びっくりさせてしまったのかもな。


その頃から、まんじゅうと、意思疎通を図るのが難しくなった。

ただでさえそんなに暇があったわけじゃなかった日常に彼女が追加されてしまい、まんじゅうに構う時間が大幅に減ったことが原因だと思う。


夜でもまんじゅうが来れば彼女の話やその日あったギルドの面白いことなど、変わらずにしていたのだが、まんじゅうはそれらに急速に興味を失っていったようだった。

構われなくなって拗ねているのかもしれない。昔の俺みたいで、少し笑う。


それならと、彼女にまんじゅうを、まんじゅうにも彼女を紹介することにした。


家族だから知ってほしいし、そのうち俺が家庭を持つ時が来るならまんじゅうを連れて行きたいと思っている。まんじゅうと彼女に、そんな話もした。


彼女も俺がそんなに大切にしてる子なら会ってみたいと快諾してくれたので、良い子だなと思った。



まんじゅうに他の人間を紹介するのは初めてだ。

なんだかんだまんじゅうは箱入りで育っているので、外の世界のことすらよく知らないだろうから、新しい人間は良い刺激になるだろう。いつも暇そうだし、丁度良い。


対面した時、彼女は物怖じせずにまんじゅうくんと握手~、などとしていた。

母さんなんかはまんじゅうの外見が苦手で、愛着は持っていても絶対に触ろうとはしないので、まんじゅうが受け入れられたことに安堵する。

可愛い子だね、なんてことも言ってくれた。


まんじゅうは初めての他人にビビっているのか、動きが始終ぎこちなかった。

でも嫌がっている様子は無い。珍しいイベントとして楽しんでいるように思う。


父さんと母さんの感触も良好で、俺は一大イベントの成功を喜んだ。


のも、束の間。



それから日も経たないうちに、一晩で、まんじゅうが繭へと変貌してしまった。

朝、それに気付いた時、俺は膝から崩れ落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。