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ニンゲンスレイヤー  作者: 弐屋 丑二


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199/200

行きましょうか

 ドラゴン達が元拠点に炎を吐きながら次々に降下していき、その先頭で宙を飛ぶターズと、タナベが背中にしがみつき空を駆けるヤマモトは空中で激突した。ターズが右手で持つ刃の見えないニンゲンスレイヤーをヤマモトが横に避け、両手持ちで振り下ろしたシルバーソングをターズが左手で受け止める。ヤマモトはニヤリと笑って

「歌え!シルバーソング!」

小刻みに震え出した銀大剣の刃先がターズの左手をゆっくりと切り裂いていく。それをターズはなんでもない様子で眺め、右手のニンゲンスレイヤーをヤマモトの背中にしがみついたタナベ目掛けて突き出した。


 ヤマモトは咄嗟にバックステップで離れるが、微かにタナベの髪の毛が切れる。彼は片手でヤマモトに掴まりながら、金属の塊を操作して

「僕は大丈夫だ!集中して!速度追加アプリ起動!」

「分かった!行くぞ!」

ヤマモトは再びターズと超高速で避けながら切り合い始めた。


 炎を吐き出しながら降下していくドラゴン達に霧が次つぎに絡みついていき、気絶したドラゴン達が落ちていく。地上で腕を組んでいたネールはニカッと笑い

「元綺羅綺羅王の名は伊達ではないぞ!」

そう言うと背中に虹色の光の翼を生やし、全身を発光させながらドラゴン達に突進し始めた。霧が一瞬猫型になり

「視界が潰れて迷惑だにゃ!」

文句を言うと光の塊になったネールは

「アハハハ!どうせ相手の体温で見れるじゃろう!」

ドラゴン達の中を派手に光りながら縦横無尽に飛び始めた。混乱したドラゴン達に霧が絡みついて締め上げて落としていく。


 ラーヌィの上で触手の塊になったグランディーヌは、羽ばたくサンガルシアと対峙していた。グランディーヌはニュッと触手の中から顔を出すと

「もはや、女神は死んだ。我々は話し合えるはず」

サンガルシアは綺麗な方の顔でニヤリと笑うと

「ターズがヤマモト達を殺したがっとる。それだけや」

グランディーヌは大きく息を吐くと

「仕方ない。やりたくはなかった」

顔を触手の中に埋めた。すぐに触手内部が紫色に激しく発光し始め、球状の触手が急速に枯れていくと中から、ブランアウニスそっくりの妖しく美しい裸の長身女性が出てくる。彼女はサンガルシアへと優雅に手を翳し

「消えろ」

冷徹に言い放つとサンガルシアが皮膚のある部分から冷や汗を垂らしながら後退し、今までサンガルシアが羽ばたいていた空間に漆黒の歪みが出来ていた。

「最悪やな……虚無王様の身体のスペアやったんか」

女性は微笑むと

「悪いが……お前を潰す為に力を使い切らせて貰うぞ。いや、お前らか」

そう言いながら、背後を見ずに、後方から炎を纏って突進して来たサキュエラに左手を翳す。サキュエラは瞬く間に暗闇に包まれて苦しげに

「その身体を渡しなさい!虚無王様が完全復活できるわ!」

女性は興味なさげに冷たい笑みを浮かべ、足元のラーヌィを軽く足で叩く。ラーヌィは魔法の翼を消し、地上へと一直線に落下して退避して行った。同時に宙に浮いた女性は鮮やかな笑みを浮かべ

「さようなら、王様の側近達」

スパークしながら黒く発光し始めた。



帝都上空



 クーナンとハーツに見守られた狂ってしまったターシアが月を見上げながら不安定な口調で

「我……ターシアは……主人である……もう名前のない神達の契約を果たす……我ターシアは……神々との契約により……その血となり肉となる……あはっ!あははは!」

そう言うとピタッと止まった。クーナンが心配そうに

「お、おい……おかしいぞ……」

ハーツも慌て出して

「お、オクカワさんの話だったら……この人を倒した後、蘇生させる時に大悪魔王と、女神の血を取り込んだターズさんの血を混ぜる予定だから……えっと、万が一の時は、受け皿に……」

突如ターシアはガクガクと震え出した。



窓から緑の連星が見える異星



 父親と母親と食事をしているぽっちゃりした少女が急に激しく震え出した。

「あっ……あれ……おかしいよ」

母親はうんざりした様子で息を吐くと、立ち上がり少女の後ろへと周ると深呼吸して「バンッ!」と音がするほど背中を叩く。すると少女の身体から黒い何かが抜け出てきて、父親が開けた窓から外へ出ていき、空へ昇っていった。唖然としている少女に母親は

「向こうの世界に再転移させようとしてる馬鹿が居るねえ。3日くらい私が一緒にいよう」

父親は黙って頷いた。



帝都上空



 ガクガクと震え出したターシアは「ゴキッメキャ」と音を立てながら身体の形状が変わっていく。いきなり太ったかと思うと手足が伸び、顔が凹み首が伸びてと、伸縮を繰り返した末に、成人男性の身体へと変化して行った。そして拉げたターシアの顔は、優しげなオクカワ・ユタカのものに完全に変化し、彼は静かに

「行きましょうか」

クーナンとハーツに微笑む。

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