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「……よくやった。……あとは、俺が断つ」
三人が切り開いた、わずかな隙間。
カイが地面を蹴った。
その踏み込みは、もはや音さえ置き去りにしていた。
神罰の執行者は、必死に光の障壁を張る。
「小癪な! 人間が、神の理に逆らうなど——」
「理だの、システムだの……」
カイが空中で『虚空』を閃かせる。
「……そんなものは、師匠の酒瓶よりも脆いんだよ」
(無色一刀流・真伝——『神断』)
抜刀。
それは、世界から一切の音が消えた瞬間だった。
執行者の巨大な体が、縦一文字に割れた。
切り口からは光が溢れ出すが、それは空へは戻らず、カイの剣に吸い込まれ、霧散していった。
「……あ、あぁ……。神の……収穫が……断たれた……」
執行者が砂となって消え去ると、大陸の空を覆っていた灰色の雲が、一筋だけ割れた。そこから差し込んだのは、属性の混じらない、本当の太陽の光だった。




