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怪物を退けた一行の前に、霧の向こうから人影が現れた。
それは、ボロボロの灰色の布を纏った、一人の少年だった。
「……あんた、何者だ? 属性も持ってないのに、なんで『虚鬼』を倒せる?」
少年の瞳には、カイと同じ「色」がなかった。
そして、彼が背負っている折れた剣の形を、カイは知っていた。
「……その剣、どこで手に入れた」
「これ? ……村のじいさんの形見だよ。じいさんは言ってた。『いつか、俺と同じ匂いのする男が、空から降ってくる』って」
カイは息を呑んだ。
その剣の柄に刻まれていたのは、師匠の家紋。
師匠は、この大陸から来たのか? それとも、ここで修行していたのか?
「案内してくれ。……俺は、師匠の足跡を追っている」
カイの言葉に、少年は少しだけ警戒を解き、灰色の平原の奥を指差した。
「……ついてきなよ。でも、村にはあまり近づかないほうがいい。……『色』を持つ奴らは、ここでは生贄にされるからさ」




