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 アヴァロンの塔が崩壊してから一ヶ月。

 世界は混沌の中にあった。四聖ギルドという「絶対の重し」が外れたことで、各地で自由を求める声と、秩序を失ったことによる混乱が渦巻いていた。


 だが、カイたちの視線は、既にその先——アヴァロンの最上階から見えた、地図にない大陸へと向けられていた。


「……ここが、世界の終わりか」


 カイが甲板で呟く。

 彼らが乗り込んだのは、アヴァロンの遺産である魔導飛空艇。雲海を抜け、属性の加護が届かない『断絶の嵐』を突き抜けた先に、その大陸はあった。


 そこは、空が常に薄灰色に濁り、植物は結晶のように硬く、生き物の気配が希薄な、無機質な世界。


「リーダー、気をつけて。……ここ、空気が『死んでる』わ。属性の匂いが一欠片もしない。……私の木の加護が、悲鳴を上げてる」

 フェリスが耳を伏せ、短弓を握りしめる。


「私の水も、ここでは上手く形になりません……。魔力そのものが、何かに吸い取られているみたい」

 リナが不安げに杖を抱きしめる。


「……大丈夫です。私が、みんなを守ります」

 ノアが新盾を構える。だが、その声にも緊張が混じっていた。

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