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「リナ、お前の『青』を見せてやれ」
カイの静かな声が、水流の轟音を切り裂いてリナに届く。
「……はい、カイさん!」
リナは目を閉じる。これまでのように、ただ魔力を放出するのではない。カイの剣技を間近で見続け、ノアの盾の理を理解した彼女は、水の「本質」を掴みかけていた。
水は変幻自在。熱を奪えば氷となり、形を変えれば刃となる。だが、その根源にあるのは「純粋な質量」だ。
「——『水神の拒絶』!!」
リナが放った魔法は、華やかな蒼色ではなかった。それは、光さえ通さないほど高密度に圧縮された、透明な「静止した水」。
セレナの放った水の刃がリナの領域に触れた瞬間、それは物理法則を無視して「静止」し、結晶となって砕け散った。
「なっ……魔力出力で、私を上回るというの!? 没落した端くれが!」
セレナの顔が驚愕に歪む。




