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静まり返るギルド。
「アヴァロンの期待の新星」と呼ばれていたDランクパーティーが、無名の少年のデコピン一つ、そして少女の盾一枚で全滅した。
カイは、壁に埋まって白目を剥いているガイルの元へ歩み寄り、その胸元に『Fランク』のプレートを投げ捨てた。
「……お前らには、それがお似合いだ。ノアを捨てたツケは、一生かけてその無能な属性で払え」
カイが振り返ると、ロビーの二階、特等席からその様子を眺めていた一人の男がいた。
全身が岩石のように硬質な筋肉で覆われた老人。
四聖ギルド、土の聖座——巌窟王バルトス。
バルトスは、自分の元から追放されたノアと、その隣に立つカイを見つめ、不気味な笑みを浮かべた。
「……ほう。あの『欠陥品』を、これほどの盾使いに磨き上げるとは。……面白い。アヴァロンの塔が、久々に血で汚れそうだ」
カイはバルトスの視線に気づきながらも、あえて無視してノアを促した。
「行くぞ。……今日は一番高い肉を食おう。ノアの初勝利の祝いだ」
「は、はい! カイさん……ありがとうございます!」
ノアの笑顔は、アヴァロンのどんな属性の光よりも、明るく輝いていた。




