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6

 ガイルの手がカイに触れる直前。

 ——バキッ。


「ぎ、ぎゃあああああああッ!?」


 凄まじい絶叫がロビーに響き渡った。

 誰も見ていなかった。カイはただ、一歩も動かずに立っている。

 だが、ガイルの右腕は、あらぬ方向に折れ曲がり、床に力なく垂れ下がっていた。


「……手が滑ったか? それとも、自分の属性に振り回されたのか」

 カイの声は、凍てつくように冷たかった。


「て、てめぇ……! よくもリーダーを! やっちまえ!」

『黄金の夜明け』の残りの三人が、一斉に武器を抜く。土、木、水の魔法が発動し、ロビーの温度が急上昇する。


「リナ、フェリス。手出しは無用だ」

 カイが制すると同時に、彼は剣を抜くことさえせず、ただノアの肩をそっと叩いた。

「ノア。お前の盾を見せてやれ。……こいつらは、お前の本当の価値を何も分かっていない」


「……は、はいっ!」

 ノアは涙を拭い、重厚な盾を構えた。カイから預かった『深淵鉄』の端材を加工した、新しい盾だ。


「死ねぇ! 『フレイム・バースト』!」

 ガイルが左手で放った本気の火炎。しかし、ノアの盾に触れた瞬間——。


 ——パシュン。


 火炎は爆発することさえ許されず、まるで霧に包まれたかのように、無音で消失した。


「な……魔法が、消えた……!?」

「今度はこちらの番ね。……ノア、衝撃を受け流して!」

 カイがノアの背中に手を添える。

 カイの『無色の振動』が、ノアの盾を通じて、前方へと波及した。


「——衝撃転換ショック・リバーサル


 ドォォォォン!!

 盾から放たれた目に見えない圧力の壁が、『黄金の夜明け』の四人を飲み込んだ。彼らの自慢の魔導甲冑は紙屑のようにひしゃげ、四人はロビーの壁まで吹き飛んで、そのまま石壁に埋まった。

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