二人を結ぶ呪い10
ディオンの言葉が何度も頭に響き、私は驚きのあまり、しばらくその場で固まってしまった。
そして、数秒遅れて、叫んだ。
「えっ、えっ……えええええええ~~~!?」
自分でも顔が真っ赤になっているのがわかる。
きっとリンゴみたいに染まっているに違いない。
冗談!?
いや、でもディオンがこんな冗談言うわけない!
じゃあこれは一体なんなのか!!誰か説明して!
頭の中は混乱し、夢なのか、からかわれているのか、どう受け止めていいのかわからない。
「そんなに驚く事か?」
ディオンが呆れたように目をそらす。
「えっ、だ、だ、だって……っ」
一生片思いだと思っていたからこそ、こんなこと全く予想していなかった。
「で、お前はどうなんだよ?」
覗き込まれて私はさらに顔が熱くなる。
「ど……どうって……」
一歩後ずさりしてしまった足をピタリと止め、私は精一杯の声で返そうとする。
「そんなの……」
唾をゴクリと飲んでから口を開け、ディオンを見た。
「……す、好きに決まってるじゃない!」
その瞬間、ディオンは驚いたように目を大きくして、そしてフハッと笑う。
「なんだよ。その言い方」
「そ、そっちこそ……」
お互い見つめ合い、思わず吹き出してしまった。
ディオンの目が柔らかく、どこか安心したように、私を見つめている。
「本当にいいのか?」
「何が?」
「そんな事言われたら、俺はもう一生、お前をあっちの世界には戻してやれねぇと思うけど」
「いいよ。ディオンのいない世界になんて……行きたくない、し」
その時、何故かディオンは、髪をかきあげるようにして俯いた。
「あいつは?」
「あいつって?」
「あの、お前を襲った奴だ。好きだったんじゃねぇのかよ」
襲った奴……?
一瞬浮かび上がる、戦争直前に連れ込んだあの主犯格。
ディオンのあまりにも突拍子もない発想に、私は思わず空に向かって大声を上げた。
「……は、はぁぁぁーーーー!?」
私の大声に驚いたラブは、腕の中からひょいと飛び降りる。
「あっ……」
と思ったのも束の間、ラブはもう地面でチョウを追いかけ始めた。
「煩せぇな」
そう言われてディオンに向き直る。
「だって、意味が分からない……。そんな話あるわけないじゃない!」
何がどうなったらそんな考えに至るの!?
「お前、あの時やたらとあいつを庇っただろ」
「そんなの……ディオンに人殺しをしてほしくなかったからに決まってるでしょ!」
分かるでしょ!!
その瞬間ディオンは「なんだよ」とぼやきながら、私を引き寄せて抱きしめてきた。
「マジで、俺の悩んだ時間返せ」




