表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大賞受賞作】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?~あなたがくれた幸せの呪い~  作者: 花澄そう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

315/327

二人を結ぶ呪い9


なんと、私の足にしがみついているのは、あのラブだった。



「ラ……ラブ……?」


そ、そんなわけ……


足の力が抜けるように、その場にしゃがみこむ。


震える手でラブそっくりな生き物に手を伸ばす。

ふわっとした手触り。毛並みが指先から伝わる。


そして魔力さえも――




「……嘘……」


信じられない状況に、言葉が出ない。

あの日、ラブは光の粒となって消えてしまったはず。


なのに、何がどうなっているのか……



「……本当に……ラブなの……?」



すると、隣に立っているディオンが「お前、これがラブじゃなくて何に見えんだよ」と微笑んだ。


「だ、だって、ラブは……っ」


「お前がいつも夜になるとしみったれた顔してっから、熊野郎の魔分子を集めて足りない部分は培養して調合したんだ」

そう言ってディオンは小瓶を見せる。


「えっ……?」

魔力分子?何それ。


「そ、そんな薬みたいな……」

「俺も驚いてる。まさかこんな方法で復活するなんて」

と、全然驚いていないような顔で言われて、滑稽こっけいに思った。



「とにかく、そいつは正真正銘あの熊野郎だ」

ディオンの言葉に、私は足にしがみつくラブに目を向けた。



懐かしそうにこちらを見つめるつぶらな瞳に、胸が熱くなる。


そっと抱き上げると、懐かしい温かさが手に伝わってきて、勝手に涙があふれた。



「ラブ!」

ギュっとラブを抱きしめて呟く。


「まさか、こんな素敵な誕生日プレゼントがあっただなんて……ディオン、本当にありがとう……」


「……ん」


ディオンは、自分のほほを指でき、暫く黙り込むと口を開けた。




「実は、もう一つある」


「え?」


ラブを抱きながらディオンに目をやると、ディオンは顔をかすかに歪めて言った。


「お前に選択権をやる」


「選択権?」

突然、何!?


「お前が、この世界に留まるのか……前世の世界に戻るのか」



指を2本立てて言ったその台詞せりふに、心臓が嫌な音をたてた。


「……えっ?」

どういう事?



「奴の魔法陣や魔法石を、再現出来ることが分かった。だから多分、お前を前世の世界に帰してやれると思う」


――っ!!

嘘……


前世に……帰れる?




でも、どうしてそんな事言うの?

ディオンは私と離れることなんて、なんとも思わないの……?


泣きそうになりながらディオンに目をやった時、その考えは間違いだと思った。


だって、ディオンは胸が張り裂けそうな顔をしていたから。


「お前は……どうしたい?」


嬉しい。

まるで、ディオンも私と離れたくないみたいだから。


私がニコっと微笑むと、ディオンは目を大きくした。



「私は……こっちの世界にいたい」



案の定、ディオンは私の言葉に、ホッとしたような顔をした。


「……そうか」



私が死んだあと、どうなったか気にはなる。

でも――前世に未練なんて、これっぽっちもない。



「私は、こっちの両親やディオン、メイやルイーゼ、アランたちとこの世界で生きたい!」



私の言葉に、「アランは余計だろ」って口を歪めたディオンに笑みがこぼれる。

「ディオンって、本っ当にアランの事を毛嫌いしてるよね」


「当たり前だろ」

「匂いが苦手なんだよね」



「はぁ?違げーよ。俺が、()()()()()()()だからに決まってるだろ」



「………………えっ………?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ