二人を結ぶ呪い5
それから数か月経った、ある日の学園のパーティ会場の控室――
「お支度、すべて仕上がりました」
そう言われて目を開けると、目の前には見慣れない程に美しい自分の姿があった。
「タチバナ様があまりもお可愛らしいので、お化粧も施してみました」
鏡越しに話す、城から派遣されて来た着付けのメイド達は、少し誇らしげな表情で続ける。
「今日は、国王陛下直々の大魔法使いの称号授与式ですからね。シエル様を一目見ようと、もう沢山の国民が集まっているそうですよ」
実はなんと私は、今日――大魔法使いとなります!!
大魔法使いと認定されると知らされたのは、つい先月のこと。
でも、こうして当日を迎えても、まるで夢のようだ。
私がスッと立ち上がると、興味津々で控室まで付いてきていた友人たちが目を輝かせた。
私がスッと立ち上がると、興味津々で控室まで付いてきていた友人たちが目を輝かせた。
「凄い!!シエルお姉ちゃん綺麗~~!」
「シエルすっごく似合ってる!本当に大魔法使いって感じだね!!」
「えっ、そ、そう?」
照れながらも嬉しさが込み上げてくる。
控室の姿見に映る自分の姿を見つめると、金の刺繍がほどこされた豪華なフード付きのエンジ色のローブが目に入った。
その下には、柔らかいアイボリーのワンピースがふんわりと覗き、控えめな中にも豪華さが漂っている。
「それでは行きましょうか」
城から派遣されたメイド達に導かれて、建物の出口を出ると、外にはたくさんの生徒たちがいて騒がしかった。
なんなのかと思って目を凝らすと、そこには真っ白なペガサスがいて、私は目を大きくした。
ペガサスの頭には繊細な金のチェーンにがかかり、中央に輝く宝石には国を象徴する紋章が刻まれている。
「ペ……ペガサス?」
そう呟いた瞬間、生徒たちの注目が一斉に私に集まり、
「来たぞ!」
「おお!凄い!カッコイイ!今から行くの!?」
「本当に大魔法使いみたい!!」
と、次々に質問が飛び交う。
その間、ペガサスの横に控えていた2人の魔法使いとメイドたちが、私が通る通路をさっと整えた。
開けた道から、ペガサスの後ろに白い丸みをおびた馬車が見えた。
よく見ると、宝石の装飾が施され、車体はふわりと宙に浮いている。
「どうぞお入りください」
馬車のドアが開けられた時、背後から声がした。
「面倒くせぇ移動の仕方すんだな」




