二人を結ぶ呪い1
そんな偽物のディオンを見届けた帰り道――
「まだいけるか?」
「う……うん」
正直3回も連続で瞬間移動したせいで、結構な疲労感だ。
瞬間移動は魔法を発動する人だけでなく、一緒に移動した相手の魔力もある程度減るようだ。
だから、初めて学園に連れて来られた時もバケツを用意されたんだろう。
「次飛んだら1回休んどくか」
ディオンがそう呟き、私の顔色を気にしながら瞬間移動を使った。
次の瞬間――
私は目の前の景色に目を見開いた。
辺りは、桜の木々が山を覆い尽くし、桜の花びらが柔らかなカーペットのように地面を染めている。
辺り一面ピンク色の景色に息を呑んだ。
「うわぁぁ……」
す、凄いっ!!
空までも桜色に染まり、風に乗ってヒラヒラと舞い降りていく。
木々の間から淡い光がこぼれ落ちる、まるで夢の中にいるような幻想的な風景に、心まで震えた。
「き……綺麗……」
思わずため息まで出てしまうほどの絶景に見惚れていると、「突っ立ってねぇで、さっさと休め」と言われて、現実に引き戻された。
「おい、椅子でいいか?」
「え?こんなに綺麗な景色なんだから、せっかくなんだし椅子じゃなくて……」
そう言いながら、私は地面に手をかざして、2人が横になれるくらいのレジャーシートを出した。
「なんだ、これは?」
「え?レジャーシートだけど……」
「レジャー……?なんだそれ」
あれ?この世界にはないの?って、何その顔!
ポカンとしたディオンの顔が少し面白い。
「見た事ねぇな。これは何に使うものなんだ?これに乗って飛ぶのか?」
それだと別作品になっちゃう!
「飛ばないよ。これは……」
靴を脱ぎ、レジャーシートの上に座りながら説明する。
「こうやって使うの」
「ふぅん……?そんなの使わなくても、服を汚したくねぇのなら座るか浮いておけばいいだろ?」
そう言って宙に浮くディオン。
「それだったらちゃんと休めないでしょ!ほら、ディオンも座って」
私は、自分の横の隣をポンと叩く。
ディオンは少し眉を上げなから私の横に座った。




