先輩になった日
2032年5月。
株式会社カナメでは、新年度が始まって一か月が経っていた。
四月には、四名の新卒社員が入社した。
開発部も三課体制へ移行し、大型案件を担当する開発一課、小型案件を担当する開発二課、そして基盤運用課が、それぞれの仕事を進めている。
開発一課に所属する柴崎真帆も、社会人二年目になっていた。
昨年の今頃は、開発環境を動かすだけでも苦労していた。
今では、小さな機能修正を任され、実装方針について自分の考えを説明できるようになっている。
しかし、今年は昨年と少し違うことがあった。
自分より後に入社した社員がいる。
つまり、柴崎も先輩になったのだった。
*
「柴崎さん、少しよろしいでしょうか?」
午前中。
柴崎のもとに、新卒社員から連絡が入った。
「うん。どうしたの?」
「あの、開発環境の設定なんですけど、うまく動かなくて……」
「ああ、環境構築?」
「はい」
「じゃあ、ちょっと画面を見せてもらえる?」
「ありがとうございます」
オンライン会議に切り替えると、新卒社員が画面を共有した。
設定ファイル。
実行したコマンド。
そして、表示されたエラーメッセージ。
柴崎は、画面を確認した。
「……ああ、そこね」
「何かわかりますか?」
「うん。私も去年、同じところで困ったんだよ」
「そうなんですか?」
「そうそう」
柴崎は、少し笑った。
「最初、何が悪いのか全然わからなくて」
新卒社員も、少し笑った。
「僕も、昨日からずっと調べているんですけど……」
「そっか」
柴崎は、画面を見直した。
「ちなみに、今までどこまで確認した?」
「えっと、手順書を見ながら設定して、エラーが出たので調べてみました」
「うん」
「それで、設定ファイルを少し変更したんですけど、まだ動かなくて」
「なるほど」
柴崎は、変更内容を確認した。
「……ここ、ちょっと気になるな」
「どこでしょうか?」
「この設定なんだけど、手順書と違う値になってるよね」
「あ、本当ですね」
「何か理由があって変えた?」
「調べた記事に、こうすると動くって書いてあったので……」
「なるほど」
柴崎は、少し考えた。
「じゃあ、まず元の設定に戻してみようか」
「はい」
新卒社員が設定を戻した。
もう一度、コマンドを実行する。
しかし、エラーは消えなかった。
「……まだ駄目ですね」
「そうだね」
柴崎は、画面を見ながら考えた。
去年、自分も同じところでつまずいた。
あのとき、上條に何を教えてもらっただろう。
確か、設定ファイルだけでなく、実行している環境そのものを確認したはずだった。
「……あ、そうだ」
柴崎が言った。
「今使っている環境のバージョン、確認してもらっていい?」
「はい」
新卒社員がコマンドを実行した。
表示された数字を見て、柴崎はうなずいた。
「これだね」
「……バージョンですか?」
「うん。手順書で指定されているものと違うみたい」
「あ、本当だ……」
「じゃあ、まずそこを合わせてみようか」
「はい!」
しばらくして、開発環境が正常に起動した。
「……動きました!」
「よかった」
柴崎は、少し笑った。
「ありがとうございます!」
「ううん。私も去年、同じことやったから」
新卒社員が笑った。
「そうなんですね」
「うん。だから、あんまり気にしなくて大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
会議が終わった。
*
柴崎は、少し大きく息をついた。
「……ふう」
問題は解決した。
しかし、思っていたよりも時間がかかった。
自分で設定するだけなら、もっと早く気づけたかもしれない。
けれど、相手が何をして、どこで困っているのかを確認しながら説明するとなると、話は違う。
「……教えるのって、難しいな」
柴崎は、小さくつぶやいた。
そして、上條亮介へ連絡した。
*
「上條さん、少しよろしいでしょうか?」
「はい。どうしました?」
「今日、新卒の方から環境構築について相談されたんですけど」
「ああ、そうなんですね」
「はい。無事に動いたんですが……」
柴崎は、少し考えた。
「……教えるのって、難しいですね」
上條が、少し笑った。
「そうですね」
「自分ではわかっているつもりだったんですけど、説明しようとすると、なかなか言葉が出てこなくて」
「ありますよね(笑)」
「はい」
柴崎は、少し笑った。
「去年、上條さんに教えていただいたときは、もっと簡単に説明してもらっていた気がします」
「そうですか?」
「はい」
上條は、少し考えた。
「でも、柴崎さんも、ちゃんと原因を見つけて解決できたんですよね?」
「はい」
「それなら、まずは十分だと思いますよ」
「そうでしょうか?」
「はい。最初から上手に説明できる人ばかりではありませんから」
柴崎は、うなずいた。
「……そうですね」
「それに、教えるときって、自分がどこまで理解しているのかもわかるんですよ」
「なるほど」
「普段は何となくできていることでも、理由を聞かれると説明できないことがありますから」
「……確かに、そうでした」
柴崎は、少し笑った。
「今回も、途中で自分が何を確認すればいいのか、わからなくなりかけました」
「そういう経験も、大切だと思います」
「ありがとうございます」
上條は、少し間を置いた。
「ただ、無理に全部教えようとしなくても大丈夫ですよ」
「はい」
「わからないところがあれば、僕にも聞いてください」
柴崎は、少し安心したように笑った。
「ありがとうございます」
*
五月中旬。
営業部では、大本恭平が、新卒社員から仕事について質問を受けていた。
今年の新卒社員は、開発部を中心に配属されている。
営業部への新しい配属はなかった。
しかし、全社研修の一環として、ほかの部署の仕事について学ぶ機会が設けられていた。
その中で、大本にも質問が回ってきたのだった。
「大本さん、営業の仕事って、普段どんなことをされているんですか?」
「……ええ質問やな(笑)」
大本は、少し笑った。
隣には、松井慎吾と小坂千尋がいる。
「大本君、ちゃんと説明できる?」
小坂が尋ねた。
「……たぶん(笑)」
松井も、少し笑った。
「では、お願いします」
「はい」
大本は、少し考えた。
「営業の仕事いうたら、まずお客様の困りごとを聞くことやと思います」
新卒社員がうなずいた。
「はい」
「ほんで、うちの会社で何ができるかを考えるんです」
「なるほど」
「ただ、お客様が言うたことを、そのまま開発部へ渡すわけではないんですよ」
「そうなんですか?」
「せやねん」
大本は、少し考えた。
「例えば、何かの機能を追加してほしいって相談されたとするやろ?」
「はい」
「でも、なんでその機能が必要なんかを確認せな、ほんまにそれを作ったらええんかわからへんねん」
「なるほど」
「場合によっては、別の方法の方がええこともあるし」
松井がうなずいた。
「そうですね」
大本は、続けた。
「それに、うちで対応できるかどうかも、開発部と相談せなあかん」
「はい」
「無理な約束したら、お客様にも迷惑かけるからな」
小坂が、少し笑った。
「……大本君、ちゃんと覚えてるね」
「そら、覚えてますよ(笑)」
「八月の案件のこと?」
「そうです」
大本は、少し笑った。
「結局、受注できへんかったんですけど、あのとき勉強になったんで」
新卒社員が、少し考えた。
「……営業って、契約を取るだけじゃないんですね」
「せやな」
大本は、うなずいた。
「お客様と会社の間で、ちゃんとできることを考える仕事やと思います」
松井が、少し笑った。
「いい説明ですね」
「ありがとうございます」
大本は、少し照れたように笑った。
*
研修を終えたあと。
小坂が、大本へ声をかけた。
「大本君、ちゃんと説明できてたね」
「ほんまですか?」
「うん。よかったと思うよ」
「ありがとうございます」
大本は、少し笑った。
「でも、説明しながら思ったんですけど」
「うん?」
「俺も、まだまだ知らんこと多いなって」
松井がうなずいた。
「それでいいと思いますよ」
「そうなんですか?」
「はい。全部知っている必要はありませんから」
松井は、少し笑った。
「わからないことを確認して、自分で考えられるようになればいいんです」
「……なるほど」
大本は、少し考えた。
「……なんか、それ去年も聞いた気がします(笑)」
小坂が笑った。
「松井さん、いつも同じこと言ってるからね(笑)」
「大切なことですから」
松井も笑った。
大本は、二人を見ながら少し笑った。
一年前。
自分は、営業の仕事についてほとんど知らなかった。
今でも、まだ経験は浅い。
しかし、少なくとも、自分がこの一年で学んだことを、ほかの人へ説明できるようにはなっていた。
それが、少しうれしかった。
*
五月中旬。
柴崎真帆は、昼休みに大本恭平と話していた。
二人とも、社会人二年目。
部署は違うものの、同期として時々こうして近況を話している。
「……そういえば、大本君も新入社員に仕事を教えたんだって?」
柴崎が尋ねた。
「教えたいうほどでもないで」
大本は、少し笑った。
「営業部の仕事を説明しただけや」
「でも、すごいね」
「何が?」
「私、後輩に説明するの、結構難しかったから」
「……ああ、それはわかるわ」
大本がうなずいた。
「俺も、何から説明したらええんかわからんかった」
「そうなんだ」
「せやねん。自分ではわかっとるつもりでも、いざ説明するとなるとな」
柴崎は、少し笑った。
「そうそう。それ」
「ほんで、説明しながら思ったんやけど」
「うん?」
「……俺、松井さんに教えてもろたこと、そのまま話しとるなって(笑)」
柴崎が笑った。
「私も、上條さんに教えてもらったことを思い出してた」
「やっぱりそうなるんやな」
「うん」
柴崎は、少し考えた。
「上條さんって、すぐに答えを教えるんじゃなくて、どう考えたのか聞いてくれることが多いんだよね」
「ああ、それ松井さんもや」
大本が笑った。
「質問したら、質問で返ってくるねん(笑)」
「そうなんだ(笑)」
「でも、何も教えてくれへんわけちゃうんよな」
「うん。そうだね」
柴崎は、うなずいた。
「わからないことは教えてくれるし、考え方も一緒に整理してくれる」
「せやな」
大本は、少し考えた。
「……ただ質問で返したらええ、いう話でもないんやろな」
「うん。私もそう思う」
「相手が何も知らんかったら、考えようがないもんな」
「そうだね」
二人は、少し笑った。
去年は、教えてもらう側だった。
今でも、わからないことは多い。
それでも、自分たちが教わってきたことを、少しずつ次の誰かへ伝えられるようになっていた。
*
五月下旬。
柴崎のもとへ、再び新卒社員から連絡が入った。
「柴崎さん、少しご相談してもよろしいでしょうか?」
「うん。大丈夫だよ」
「ありがとうございます」
今回は、開発環境の設定ではなかった。
担当している小さな機能修正についての相談だった。
「実装の進め方で、少し迷っていまして」
「そっか。じゃあ、一緒に見てみようか」
オンライン会議に切り替えると、新卒社員が画面を共有した。
既存システムの画面修正。
表示する項目を一つ追加するという、比較的小さな変更だった。
「ここまでは確認したんですが、この先がわからなくて」
新卒社員は、調べた内容を説明した。
既存の画面構成。
データの取得方法。
そして、変更が必要になりそうな箇所。
柴崎は、画面を見ながらうなずいた。
「うん。結構調べたね」
「ありがとうございます」
「前より、ちゃんと整理できてると思う」
新卒社員は、少しうれしそうに笑った。
「ただ、ここからどう変更したらいいのか、迷ってしまって」
「なるほど」
柴崎は、資料を確認した。
表示項目を追加するだけなら、画面側の変更で済むようにも見える。
しかし、実際にはデータの取得処理も関係していた。
「ちなみに、この項目の値って、どこから取ってくる予定?」
「えっと、今の取得処理には含まれていないので、追加する必要があると思います」
「そうだね」
「ただ、取得処理を変更すると、ほかの画面にも影響するかもしれなくて」
柴崎は、うなずいた。
「うん。そこに気づいたのはいいと思う」
「ありがとうございます」
柴崎は、少し考えた。
自分が答えを教えることはできる。
しかし、今回は新卒社員も、必要な情報をかなり調べている。
それなら、もう少し自分で考えてもらってもよさそうだった。
「……じゃあ、今わかっていることを整理してみようか」
「はい」
「変更したいのは、画面に項目を一つ追加することだよね」
「はい」
「そのためには、表示する値が必要になる」
「そうですね」
「でも、今の取得処理には、その値が含まれていない」
「はい」
「じゃあ、どうしたらいいと思う?」
新卒社員は、少し考えた。
「……取得処理に項目を追加する必要があると思います」
「うん」
「ただ、ほかの画面でも同じ処理を使っているので、影響がないか確認した方がいいですよね」
「そうだね」
柴崎は、少し笑った。
「じゃあ、まずその処理を使っているところを調べてみようか」
「はい!」
「そのうえで、どう変更するか考えよう」
「わかりました」
新卒社員は、メモを取った。
*
しばらくして。
新卒社員は、関連する画面と処理を調べ終えた。
「柴崎さん、確認できました」
「うん。どうだった?」
「同じ処理を使っている画面が、ほかにも二つありました」
「なるほど」
「ただ、今回追加する項目を返しても、既存の画面には影響しないと思います」
「どうしてそう思ったの?」
「今の画面では、必要な項目だけを使っているので、取得する値が増えても表示には影響しないはずです」
柴崎は、少し考えた。
「うん。考え方は合ってると思う」
「ありがとうございます」
「ただ、取得する値が増えることで、処理の負荷が変わる可能性はあるよね」
「あ……そうですね」
「そこも確認してみようか」
「はい」
新卒社員は、もう一度資料を見直した。
柴崎は、必要なところだけ補足した。
どこを確認すればよいのか。
何を調べれば判断できるのか。
そして、どのような点に注意するべきなのか。
すべてを代わりに考えるのではなく、判断するための材料を一緒に整理していった。
*
その日の夕方。
新卒社員から、再び連絡が届いた。
『確認した内容をもとに、実装方針を整理しました。お時間のあるときに確認いただけますでしょうか』
柴崎は、資料を開いた。
変更する箇所。
関連する処理。
影響範囲。
そして、確認するべきテスト項目。
まだ不足しているところはある。
しかし、最初に相談されたときよりも、ずいぶん整理されていた。
「……すごいな」
柴崎は、小さくつぶやいた。
そして、返信した。
『確認しました。方向性はよいと思います。テスト項目について、もう少し一緒に確認しましょう』
少しして、返事が届いた。
『ありがとうございます! よろしくお願いします!』
柴崎は、少し笑った。
去年の自分も、こんなふうに相談していたのだろうか。
上條に何度も質問し、教えてもらいながら、少しずつ仕事を覚えてきた。
今度は、自分がその役割を担っている。
まだ、上手に教えられている自信はない。
それでも、少しずつできるようになってきた気がした。
*
五月末。
柴崎は、上條亮介へ新卒社員の様子を報告していた。
「上條さん、この前相談してくれた新卒の方なんですが」
「はい」
「自分で実装方針を整理できるようになってきました」
「それはよかったですね」
上條は、少し笑った。
「柴崎さんが、ちゃんと見てくれたんですね」
「いえ、そんな」
柴崎は、少し照れたように笑った。
「私も、まだわからないことが多いですし」
「それは、僕も同じですよ」
「そうなんですか?」
「もちろんです」
上條は、少し笑った。
「知らないことなんて、いくらでもありますから」
「……そうですよね」
「でも、柴崎さんは、自分がわかるところを教えて、わからないところは確認しているんですよね?」
「はい」
「それでいいと思います」
柴崎は、少し考えた。
「……私も、少しは先輩らしくなれたでしょうか」
上條は、少し笑った。
「もう十分、先輩だと思いますよ」
「……ありがとうございます」
柴崎は、少し照れたように笑った。
*
会議を終えた柴崎は、作業一覧を確認していた。
自分が担当している機能修正。
レビューをお願いしている変更。
そして、新卒社員からの相談。
一年前には、そこに後輩からの相談という項目はなかった。
今は、自分の仕事を進めながら、誰かの仕事を支えることもある。
もちろん、まだすべてを任せられるわけではない。
難しい問題があれば、上條や田村に相談する必要がある。
それでも、自分が教わったことを、少しずつ次の誰かへ伝えられるようになっていた。
柴崎は、少し笑った。
「……先輩、か」
まだ、少し不思議な響きだった。
けれど、悪い気はしなかった。
株式会社カナメでは、今年も新しい仲間が仕事を覚え始めている。
そして、その仕事を支える人たちも、少しずつ増えていた。
誰かに教わったことが、次の誰かへ渡されていく。
そんな小さな積み重ねが、今日も会社の中で続いていた。
お読みいただきありがとうございます。旭月です。
今回は、社会人二年目になった柴崎と大本のお話でした。
昨年四月に入社した二人も、気がつけば先輩になっています。
……時間が経つのは早いものですね(笑)。
もっとも、本人たちはまだまだ教わることの方が多いようですが。
さて、今回の中心人物は柴崎でした。
昨年は、開発環境を動かすところから苦労していた柴崎も、今では小さな機能修正を任されるようになっています。
そして今回は、初めて後輩から仕事の相談を受けることになりました。
自分で作業するだけなら、何となくわかっている。
ところが、いざ人に説明しようとすると、うまく言葉にできない。
こうした経験をしたことがある方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
実は、人に何かを教えるというのは、なかなか難しいものです。
自分が理解していることと、相手が理解できるように説明することは、必ずしも同じではありません。
普段は当たり前のように行っている作業でも、なぜそうするのかと聞かれると、説明に困ることがあります。
そして、その理由を改めて考えることで、自分自身の理解が深まることもあるのでしょう。
**教えることは、自分が学び直すことでもある。**
今回は、そんなことを考えながら書いていました。
さて、後半では柴崎が、後輩に「どうしたらいいと思う?」と尋ねていました。
これは、これまで上條から何度も聞かれてきた問いでもあります。
ただし、何でも質問で返せばよいというわけではありません。
必要な知識がなければ、そもそも考えることができませんからね。
知らないことは教える。
わからないところは一緒に確認する。
そのうえで、本人が考えられるところは、できるだけ任せてみる。
大切なのは、答えを教えないことではなく、次に同じような問題が起きたとき、自分で考えられるようになることなのだと思います。
……もっとも、何を聞いても質問で返されたら、少々困ってしまいますけどね(笑)。
そして、今回は大本にも登場してもらいました。
営業部の仕事について新卒社員へ説明する場面です。
一年前には、営業の仕事をほとんど知らなかった大本。
今では、お客様の困りごとを聞き、開発部と相談しながら、実現できることを考える仕事だと説明できるようになっています。
以前、小坂が大型案件の受注を見送ったときの経験も、しっかり残っているようでした。
自分が経験したことを、自分の言葉で誰かへ説明できる。
それも、一つの成長なのでしょう。
さて、今回もう一つ描きたかったのは、教わったことが次の誰かへ受け継がれていく姿です。
上條が柴崎に教えたこと。
松井が大本に教えたこと。
それが、今度は新しく入社した社員たちへ伝わっていく。
もちろん、まったく同じ言葉や方法で教える必要はありません。
それぞれが自分の経験を重ねながら、自分なりの教え方を見つけていけばよいのだと思います。
そして、今回の上條。
柴崎から「少しは先輩らしくなれたでしょうか」と尋ねられ、「もう十分、先輩だと思いますよ」と答えていました。
なかなか、いい先輩ですね。
ただ、上條自身も、最初から人に教えることが得意だったわけではないでしょう。
誰かに教え、相談を受け、ときには自分もわからないことを調べる。
そうした経験を積み重ねながら、上條もまた成長しているのだと思います。
先輩になるというのは、何でも知っている人になることではありません。
自分ができることを少しずつ増やしながら、誰かの仕事を支えられるようになること。
そして、困ったときには、自分も誰かに助けてもらえること。
そんな関係が、自然に広がっていくといいですね。
さて、カナメでは今年も新しい仲間が加わり、社員たちがそれぞれの仕事を覚え始めています。
今後も中途採用が続き、さらに多くの仲間を迎えることになるでしょう。
人が増えれば、仕事の進め方も、人と人との関わり方も変わっていきます。
そんな中で、柴崎や大本がどのように成長していくのか。
これからも見守っていただければ幸いです。
次回も、どうぞよろしくお願いいたします。




