評価する側
2032年3月。
株式会社カナメでは、年度末に向けた人事評価の準備が始まっていた。
今年は、例年とは少し事情が違う。
昨年四月に創設された賞与制度が、初めて実際の評価に適用されるからだった。
これまでも、社員の役割や成果を確認し、毎年四月に給与を改定してきた。
しかし、今年からは、それに加えて賞与の算定も行うことになる。
基本給は、これから期待する役割をもとに決める。
賞与は、この一年の成果をもとに評価する。
金目が昨年の全社説明会で伝えた考え方が、いよいよ実際の制度として動き始めようとしていた。
*
「それでは、今年度の人事評価について説明します」
高瀬が、資料を共有した。
オンライン会議には、田村、井上、福原が参加している。
「今回の評価対象期間は、2031年4月1日から2032年3月31日までです」
高瀬は、資料を切り替えた。
「基本給の改定と賞与の算定について、考え方を整理しておきます」
「お願いします」
田村が答えた。
「まず、基本給については、これまでと同じく、現在の役割や今後期待する責任を踏まえて改定します」
「はい」
「一方、賞与については、今年度の成果を評価し、会社業績と合わせて支給額を決定します」
井上が、少し考えた。
「つまり、評価を二回するわけちゃうんやな?」
「はい。同じ期間の実績を確認しますが、その結果を基本給と賞与へ反映する考え方が異なります」
「なるほど」
田村がうなずいた。
「今までの評価と、見るもの自体は大きく変わらんわけやな」
「そうですね」
高瀬は、少し笑った。
「ただし、賞与は今年が初めてですので、評価根拠をこれまで以上に明確にしておきたいと思っています」
「了解」
田村が答えた。
福原が、次の資料を表示した。
「評価資料の提出期限と面談日程については、こちらにまとめています」
画面には、三月中の予定が並んでいた。
「まず、各課で実績の確認を進めていただきます」
「その後、必要に応じて面談を行い、年度末までの成果を確認したうえで、最終的な評価資料を提出してください」
田村が尋ねた。
「三月末までの仕事も、評価対象になるんやろ?」
「はい」
福原がうなずいた。
「そのため、今月の時点では評価の準備を進め、年度末の実績を反映して最終確認する形になります」
「了解」
高瀬も補足した。
「賞与の最終支給額は、年度末の実績と会社業績が確定してから決裁します」
「なるほどな」
井上がうなずいた。
今年度の評価は、まだ終わっていない。
しかし、その準備は、すでに始まっていた。
*
数日後。
田村洋介は、開発課の評価資料を確認していた。
開発課には、昨年入社した中途社員たちも加わっている。
以前よりも人数が増え、それぞれが複数の案件に関わっていた。
田村は、案件ごとの実績一覧を開いた。
担当した機能。
完了した作業。
納期。
品質。
そして、ほかの社員への支援。
「……結構あるな」
田村は、少し笑った。
課長として、誰がどの仕事を担当しているのかは把握している。
しかし、日々の細かな判断や支援まで、すべて直接見ているわけではない。
特に、案件の進行は尾崎を中心に任せている。
技術レビューは岩田が横断的に担当し、上條も一部を引き受けていた。
それぞれの仕事を、もう少し詳しく確認する必要がありそうだった。
*
「尾崎、ちょっと時間ある?」
田村が連絡した。
「ええで。どうした?」
「今年度の評価について、案件の状況を確認したいんよ」
「了解」
尾崎は、案件一覧を共有した。
「どの辺を見たい?」
「まず、大型案件の方からお願いできる?」
「ええで」
尾崎は、担当者ごとの作業状況を説明した。
予定どおり進んだ仕事。
途中で問題が発生した仕事。
そして、ほかの社員が支援に入ったことで、無事に完了した仕事。
「……なるほどな」
田村は、メモを取った。
「この案件、途中で結構詰まっとったんやな」
「せやねん」
尾崎がうなずいた。
「最初の設計では想定してへんかった条件が見つかってな」
「ほう」
「ほんで、担当者だけでは判断が難しかったから、岩田にも相談したんよ」
「なるほど」
「岩田が設計を見直してくれて、問題が大きくなる前に対応できた」
田村は、資料を確認した。
「……そうか」
案件の完了記録だけを見れば、予定どおり納品された仕事だった。
しかし、その裏では、ほかの社員の支援によって問題が解決されていた。
「これ、岩田の実績としても残しとかなあかんな」
「せやな」
尾崎がうなずいた。
「本人の担当案件ちゃうけど、かなり助かったで」
「了解」
田村は、評価資料へ追記した。
*
続いて、田村は岩田健太へ連絡した。
「岩田、ちょっとええ?」
「なんや?」
「今年のレビューの仕事について、少し確認したいんよ」
「了解」
岩田は、レビュー履歴を開いた。
複数の案件で行った設計確認。
実装方針への助言。
そして、不具合につながる可能性があった変更への指摘。
「……思っとったより多いな」
田村が言った。
「まあ、案件増えたからな」
岩田は、少し笑った。
「新しい人も入ったし、最初は確認することも多かったで」
「せやな」
「ただ、最近は上條にも一部お願いしとるから、前より分担できるようになってきた」
「なるほど」
田村は、資料を見直した。
「レビューで問題を見つけても、何も起きへんかったら成果として見えにくいな」
「せやねん」
岩田がうなずいた。
「何も起きへんようにする仕事やからな」
田村は、少し考えた。
「……そこもちゃんと評価せなあかんな」
「ありがたいわ」
岩田は、少し笑った。
「まあ、レビューで問題が見つからんのが一番ええんやけどな」
「そらそうや(笑)」
二人は笑った。
*
田村は、評価資料を見直していた。
自分で機能を作った社員。
案件の進行を支えた社員。
設計や実装をレビューした社員。
ほかの社員へ仕事を教えた社員。
同じ開発課の中でも、貢献の仕方はそれぞれ違う。
そして、そのすべてが成果物の数だけで表れるわけではなかった。
「……難しいな」
田村は、小さくつぶやいた。
評価する側になって初めて、見えてくることがある。
*
一方、営業部では、松井慎吾が大本恭平の育成状況を整理していた。
昨年四月に入社した大本も、もうすぐ一年になる。
最初は、顧客からの相談を受けても、何を確認すればよいのかわからなかった。
しかし、今では少しずつ、自分の考えを持って相談できるようになっている。
松井は、育成記録を確認しながら、金目へ報告していた。
「大本さんは、まだ一人で商談を完結できる段階ではありません」
「せやろな」
金目がうなずいた。
「ただ、以前よりも顧客の課題を整理できるようになっています」
「ほう」
「最近は、相談を受けたときに、まず何を確認するべきかを自分で考えてくれるようになりました」
「それはええな」
金目は、少し笑った。
「入社した頃は、何でも聞いてきとったやろ?」
「そうですね」
松井も笑った。
「ただ、わからないことをきちんと相談してくれるのは、今も変わりません」
「それは大事やな」
「はい。今後は、少しずつ担当できる範囲を広げていきたいと思っています」
「ええと思うで」
金目は、メモを取った。
「ほな、その方向でお願いします」
「承知しました」
*
同じ頃。
上條亮介は、柴崎真帆の一年を振り返っていた。
最初は、開発環境を動かすところから始まった。
今では、小さな機能修正を担当し、実装方針について自分の考えを説明できるようになっている。
ただし、まだ経験が十分とは言えない。
複雑な変更や、影響範囲の広い仕事については、引き続き確認が必要だった。
上條は、田村へ育成状況を共有した。
「柴崎さんですが、以前より実装方針を整理できるようになってきました」
「そうか」
田村がうなずいた。
「最近は、変更する箇所だけでなく、関連する機能への影響も確認するようになっています」
「それはええな」
「ただ、まだ経験が必要なところもありますので、しばらくはレビューを続けたいと思っています」
「せやな」
田村は、少し考えた。
「最初から経験者と同じ成果を求めるわけにはいかんしな」
「そうですね」
「本人がどこまでできるようになったかも、ちゃんと見たいと思っとる」
「ありがとうございます」
上條は、少し笑った。
「柴崎さんも、喜ぶと思います」
田村は、育成記録を確認した。
同じ一年でも、社員によって担っている役割は違う。
経験も違えば、期待されていることも違う。
その違いを踏まえずに、成果の量だけを比べても、正しい評価にはならない。
田村は、資料を保存した。
今年度の評価をまとめるために、確認しなければならないことは、まだ残っていた。
*
三月中旬。
金目は、高瀬と西田を交えて、今年度の人事評価について確認していた。
画面には、各部署から提出された評価資料が並んでいる。
「……今年は、いつもより確認すること多いな」
金目が言った。
「そうですね」
高瀬がうなずいた。
「初めての賞与算定がありますので、評価結果の反映方法を慎重に確認しています」
「せやな」
金目は、資料を見直した。
「基本給と賞与は、ちゃんと分けて考えたいんよ」
「はい」
「今年頑張ってくれたからって、全部基本給に乗せるわけちゃうやろ?」
「そうですね」
高瀬は、説明資料を開いた。
「基本給については、現在の役割や、今後期待する責任を踏まえて改定します」
「うん」
「一方、賞与については、この一年の成果を評価し、会社業績を反映して支給額を決定します」
西田がうなずいた。
「基本給は期待値、賞与は結果、いうことやな」
「せやな」
金目は、少し笑った。
「同じ人を評価しとるんやけど、見とる方向が違うんよ」
高瀬は、資料を切り替えた。
「なお、中途入社者については、入社前の期間を算定対象から除外します」
「了解」
「休職期間についても、規程に基づいて控除します。また、支給日に在籍していることが支給条件となります」
「せやな」
金目は、うなずいた。
「そこは、最初に説明したとおりに進めよう」
「承知しました」
高瀬は続けた。
「ただし、三月末までが評価対象期間ですので、現時点では最終的な支給額を確定できません」
「そらそうやな」
「年度末の実績と会社業績を確認したうえで、四月に最終決裁をお願いします」
「了解」
金目は、資料を閉じた。
「ほな、まずは各部署の評価をちゃんと揃えようか」
*
三月下旬。
田村洋介は、上條亮介との評価面談を行っていた。
「上條さん、今年度もお疲れさまでした」
「お疲れさまでした」
上條が答えた。
「今日は、この一年の仕事を振り返りながら、来年度の話もできたらと思っとる」
「よろしくお願いします」
田村は、評価資料を開いた。
「まず、実装の仕事については、安定して対応してくれとると思う」
「ありがとうございます」
「小規模案件も、少しずつ任せられるようになってきたな」
「そうですね。以前より、お客様の業務を理解できるようになってきました」
「せやな」
田村は、うなずいた。
「それと、柴崎さんの指導もありがとう」
「いえ。まだ教えることも多いですので」
「そら、まだ一年目やからな」
田村は、少し笑った。
「でも、最近は自分で考えて相談できるようになってきたやろ?」
「はい。以前より、実装方針を整理してから相談してくれるようになりました」
「それは、上條さんがちゃんと見てくれとるからやと思うで」
「ありがとうございます」
上條は、少し照れたように笑った。
*
田村は、次の資料を開いた。
「それから、レビューの仕事も増えたな」
「そうですね」
「岩田に集中しとったところを、一部引き受けてくれたやろ?」
「はい。自分が内容を把握している案件を中心に対応しています」
「助かっとるで」
田村は、少し考えた。
「こういう仕事って、自分の成果物としては残りにくいんよな」
「そうですね」
「でも、ほかの人が仕事を進められるように支えるのも、大事な仕事やと思っとる」
上條がうなずいた。
「ありがとうございます」
「なので、今年度の評価では、そういう貢献もちゃんと見たいと思っとる」
「はい」
田村は、資料を見直した。
「ただ、今後については、もう少し任せられる範囲を広げたいとも思っとるんよ」
「といいますと?」
「小規模案件の進行やな」
上條は、少し考えた。
「今も、一部は担当していますが」
「せやな」
「もう少し、自分で判断できる範囲を増やしてもらえたらと思っとる」
「なるほど」
田村は、少し笑った。
「もちろん、いきなり全部任せるつもりはないで」
「はい」
「案件の規模や内容を見ながら、少しずつお願いしたい」
上條は、うなずいた。
「わかりました。ぜひ、挑戦してみたいと思います」
「ありがとう」
田村は、少し考えた。
「逆に、上條さんから何か希望はある?」
「そうですね……」
上條は、少し考えた。
「小規模案件の進行については、もう少し経験を積みたいと思っています」
「うん」
「ただ、実装の仕事も続けたいです」
「なるほど」
「自分で手を動かすことも好きなので」
田村は、少し笑った。
「ええと思うで」
「ありがとうございます」
「別に、進行を任せるからって、実装せんようになるわけちゃうしな」
「そうですね」
「そこは、仕事の配分を考えよう」
「よろしくお願いします」
*
面談を終えた田村は、評価資料を見直していた。
上條は、実装の仕事を安定して進めている。
柴崎の指導にも関わり、技術レビューの一部も担当している。
そして、小規模案件の進行についても、少しずつ経験を積み始めていた。
そうした仕事を踏まえれば、今後さらに任せられる範囲を広げることはできそうだった。
ただし、それは今年度の成果を評価することとは、少し違う話だった。
今年、何をしてくれたのか。
来年、何を任せたいのか。
田村は、その二つを分けて資料へ記録した。
「……なるほどな」
評価面談とは、単に一年の仕事を採点する場ではない。
その人が何をしてきたのかを確認し、次に何を任せられるのかを考える場でもある。
田村は、次の面談予定を確認した。
*
三月末。
田村は、開発課の評価資料を取りまとめていた。
社員ごとの実績。
案件への貢献。
技術的な支援。
育成への関与。
そして、今後期待する役割。
確認した内容を、一つずつ整理している。
評価を決めるのは田村自身だった。
ただし、その判断に必要な情報は、自分一人で集めたものではない。
尾崎から聞いた案件進行の状況。
岩田から確認した技術レビューの実績。
上條から聞いた柴崎の育成状況。
そして、各社員との面談。
それらを踏まえて、田村は評価資料をまとめていた。
*
「……お疲れさん」
西田が、オンライン会議に入ってきた。
「お疲れ」
田村が答えた。
「評価の方、どうや?」
「ひととおり整理できたで」
「そらよかった」
田村は、資料を共有した。
西田は、内容を確認しながらうなずいた。
「……人数増えたから、大変やったやろ」
「せやな」
田村は、少し笑った。
「全員の仕事をちゃんと見るんは、思っとったより難しいわ」
「せやろな」
「特に、案件をまたいで支援しとる人の仕事は、資料だけやとわかりにくい」
「なるほど」
「尾崎や岩田にも聞いて、ようやく見えてきたところが結構あったわ」
西田は、うなずいた。
「ええことやと思うで」
「そうなん?」
「田村が直接見てへん仕事でも、ちゃんと評価できるようにする必要があるからな」
「せやな」
西田は、資料の一つを指した。
「ちなみに、ここの評価は、どういう理由で決めたん?」
田村は、該当する社員の実績を開いた。
「この人は、担当案件の成果だけやなくて、別の案件の設計支援にも入っとるんよ」
「なるほど」
「そこで問題を見つけて、手戻りを防いでくれた」
「そうか」
「その分も、評価に入れとる」
西田は、うなずいた。
「理由が説明できるなら、ええと思うで」
「せやな」
「評価する側も、ちゃんと根拠を持たなあかんからな」
田村は、少し笑った。
「……ほんま、それやな」
*
西田との確認を終えた田村は、評価資料を保存した。
以前は、自分が直接見ている仕事が多かった。
誰が何をしているのか。
どこで困っているのか。
誰が誰を助けているのか。
そうしたことを、日々の仕事の中で自然に把握できていた。
しかし、今は違う。
社員が増え、案件が増え、自分が直接関わらない仕事も増えている。
だからこそ、現場の話を聞く必要がある。
そして、集めた情報をもとに、自分の責任で判断しなければならない。
田村は、評価資料をもう一度確認した。
まだ、年度末の最終実績を反映する作業は残っている。
賞与の支給額も、これから確定することになる。
それでも、評価の根拠となる情報は、ひととおり揃っていた。
「……評価する側も、楽ちゃうな」
田村は、少し笑った。
社員の仕事を理解すること。
その成果を正しく評価すること。
そして、次に何を任せたいのかを伝えること。
それもまた、今の自分に任されている仕事だった。
株式会社カナメの2031年度が、静かに終わろうとしていた。
お読みいただきありがとうございます。旭月です。
今回は、カナメの年度末の人事評価についてのお話でした。
昨年四月に創設された賞与制度が、いよいよ初めて実際の評価に適用されることになります。
これまでの給与改定に加えて、今年からは一年間の成果を賞与として還元する仕組みが加わりました。
金目が掲げた考え方は、
**「基本給は期待値。賞与は結果」**
というものです。
これからどのような役割を任せたいのか。
そして、この一年でどのような成果を出してくれたのか。
同じ人を評価するにしても、過去の実績と今後の期待では、見ている方向が違うわけですね。
さて、今回の中心人物は田村でした。
開発課の課長として、多くの社員を評価する立場になっています。
しかし、社員が増え、案件が増えたことで、すべての仕事を自分の目で確認することは難しくなってきました。
そこで田村は、尾崎や岩田、上條から話を聞きながら、社員たちの実績を整理していきます。
今回、特に描きたかったのは、成果として見えにくい仕事です。
例えば、技術レビュー。
問題を発見して修正すれば、将来の不具合を防ぐことができます。
しかし、その結果として何も問題が起きなかった場合、成果が目立たないこともあります。
ほかにも、困っている社員を助けたり、新人に仕事を教えたり、案件の進行を支えたり。
自分の名前がついた成果物として残らなくても、組織にとって大切な仕事はたくさんあります。
そうした貢献を、どのように評価するのか。
管理職にとって、なかなか難しい問題ではないでしょうか。
もちろん、周囲の人から話を聞けば、それだけで正しい評価ができるわけではありません。
人によって見えている範囲は違いますし、印象だけで判断してしまう危険もあります。
だからこそ、実際に何をしたのか、どのような成果につながったのかを確認する必要があります。
そして、最終的な評価の責任は田村自身が持つ。
今回のカナメでは、そうした形を取っています。
さて、もう一つ描いたのが、上條との評価面談です。
上條は、実装だけでなく、柴崎の指導や技術レビュー、小規模案件の進行にも関わるようになってきました。
田村は、その成果を確認したうえで、来年度はさらに任せる範囲を広げたいと伝えています。
一方、上條自身は、実装の仕事も続けたいと考えています。
ここも大切なところだと思っています。
仕事ができるようになったからといって、必ず管理職を目指さなければならないわけではありません。
本人が何をしたいのか。
会社として何を期待しているのか。
その両方を確認しながら、次の仕事を考えていく。
評価面談には、そんな役割もあるのでしょう。
そして、今回の田村。
最後には、西田から評価の根拠を尋ねられていました。
人を評価するということは、単に点数をつけることではありません。
なぜ、その評価になったのか。
どのような事実をもとに判断したのか。
それを説明できなければ、評価される側も納得しにくいでしょう。
**評価される側に説明を求めるのであれば、評価する側も自分の判断を説明できなければならない。**
今回は、そんなことを考えながら書いていました。
……もっとも、全員が納得する評価を行うというのは、なかなか難しいものですけどね(笑)。
さて、カナメの2031年度も、いよいよ終わりを迎えます。
ただし、今回の時点では賞与の支給額はまだ確定していません。
三月末までの実績と会社業績を確認し、四月に最終決定する予定です。
制度を作ることと、実際に運用することは別の話。
金目たちにとっても、初めての賞与支給は一つの大きな節目になるのでしょう。
そして、開発部では仕事の進め方を見直す動きも始まっています。
新しい年度を迎えるカナメは、どのような組織になっていくのでしょうか。
引き続き、お付き合いいただければ幸いです。




