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カナメ -君はどう考える?-  作者: 旭月
第三章 任せた先にあるもの
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61/172

伝える責任

 2031年4月。


 大阪・本町。


 株式会社カナメでは、今年も基本給改定の時期を迎えていた。


 3月には、各部署のマネージャーが年次評価面談を終えている。


 その結果をもとに、新年度の役割と報酬を検討し、4月から適用する月額基本給を決定した。


 あとは、その結果を本人へ伝えるだけだった。


 もっとも、金目にとっては、その「あとは」が一番難しい仕事でもあった。


     *


「……今年も、なかなかやな」


 金目は、会議室の机に並べられた資料を眺めていた。


 社員ごとの評価結果。


 月額基本給の改定額と、その年額換算。


 そして、今年度に期待する役割。


 高瀬が、向かいの席に座っている。


「今年も、社長から直接お伝えする形でよろしいですね」


「せやな」


 金目はうなずいた。


「まだ俺が全員と話せる規模やし」


「承知しました」


「まあ、来年以降は考えなあかんかもしれへんけどな」


 高瀬は、少し笑った。


「今後、さらに社員が増えるようでしたら、各マネージャーへの委譲も検討したいですね」


「そうやな」


 金目は、資料を開いた。


「でも、今年は俺がやるわ」


「お願いします」


 高瀬は、査定資料について説明した。


「今回、各部署から提出された評価理由については、昨年より整理されています」


「そうなんや」


「はい。具体的な成果と、今後期待する役割を分けて記載していただいています」


 金目は、資料を確認した。


 確かに、以前よりわかりやすくなっている。


 何を評価したのか。


 どんな仕事を任せられるようになったのか。


 そして、今年度に何を期待しているのか。


 それぞれが整理されていた。


「……ええやん」


 金目は、少し笑った。


「西田さんらも、ちゃんと考えてくれとるな」


「そうですね」


 高瀬もうなずいた。


「ただ、評価結果と基本給改定額が、必ずしも一致するわけではありません」


「せやな」


「会社としての報酬原資や、現在の役割も踏まえて判断していますので」


「うん」


 金目は、少し考えた。


「……そこを説明するんが、難しいんよな」


     *


 金目は、次の資料を開いた。


 今回、基本給が上がる社員もいる。


 小幅な改定にとどまる社員もいる。


 それぞれに理由があった。


「……上げる話は、ええねん」


 金目がつぶやいた。


 高瀬が顔を上げた。


「はい?」


「いや、給料上がりますって伝えるんは、そんなに難しくないやろ?」


「そうですね」


「本人もうれしいやろし、俺もうれしいし」


 金目は、少し笑った。


「でも、期待しとったほど上がらへん人には、どう伝えるか悩むねん」


 高瀬はうなずいた。


「理由を曖昧にしないことが大切ですね」


「せやな」


「評価している部分と、今後の課題を分けて伝える必要があります」


「うん」


 金目は、資料を見直した。


「頑張ってくれとるんは、わかっとるんよ」


「はい」


「でも、頑張ったことと、今どこまで任せられるかは、必ずしも同じちゃうやろ?」


「そうですね」


「そこを、ちゃんと説明せなあかん」


 金目は、少し考えた。


「それに、期待だけ伝えても、次に何したらええかわからんかったら意味ないしな」


 高瀬がうなずいた。


「具体的な行動につながる説明が必要ですね」


「せやねん」


 金目は、資料を閉じた。


「……ほな、今年も頑張りますか」


     *


 査定結果の通知は、今年も本町事業所の会議室で行われた。


 普段はフルリモートで働いている社員たちが、日程を分けて来社する。


 金目は、一人ずつ面談を行い、4月からの基本給と、その判断理由を伝えていった。


 最初の数日は、比較的穏やかに進んだ。


 そして、上田の面談の日がやってきた。


「失礼します」


「お疲れさん。どうぞ」


 上田が、会議室に入ってきた。


「よろしくお願いします」


「こちらこそ」


 金目は、通知書を開いた。


「ほな、今年の査定結果を伝えますね」


「はい」


「今回、基本給を上げることになりました」


 上田は、少し表情を緩めた。


「ありがとうございます」


 金目は、通知書を差し出した。


「去年、もうちょっと大きな仕事を任せたいって話したやろ?」


「はい。覚えています」


「この一年、どうやった?」


 上田は、少し考えた。


「そうですね。小川君の育成もありましたし、技術的な判断を任されることも増えました」


「せやな」


「ただ、まだ岩田さんに相談することも多いです」


 金目は、少し笑った。


「それは別にええんちゃう?」


「そうですか?」


「全部一人で決める必要はないと思っとるで」


 上田は、少し考えた。


「なるほど」


「大事なんは、何を自分で判断して、何を相談するかやと思うねん」


「はい」


 金目は、評価資料を確認した。


「西田さんからも、技術的な判断を任せられる場面が増えたって聞いとる」


「ありがとうございます」


「小川君の育成も、ちゃんと進めてくれとるしな」


「はい」


「そこは、今年の成果として評価しとるで」


 上田は、少し頭を下げた。


「ありがとうございます」


 金目は続けた。


「それに、今年度はもうちょっと広い範囲を任せたいと思っとる」


「……広い範囲、ですか?」


「うん。自分の担当だけやなくて、周りの仕事も見ながら判断できるようになってほしいねん」


 上田は、少し考えた。


「……なるほど」


「もちろん、いきなり全部任せるわけちゃうで」


 金目は笑った。


「そこは西田さんと相談しながら、少しずつやな」


「わかりました」


「期待しとるで」


 上田は、しっかりとうなずいた。


「ありがとうございます。頑張ります」


     *


 別の日。


 三宅が、会議室に入ってきた。


「失礼します」


「お疲れさんです。どうぞ」


「ありがとうございます」


 金目は、査定資料を開いた。


「三宅さん、今年もいろいろありがとうございました」


「いえ、こちらこそ」


「特に、福原さんへの採用業務の引き継ぎ、助かりました」


 三宅は、少し笑った。


「ありがとうございます。まだ完全に引き継げたわけではありませんけど」


「そうなんですね」


「はい。ただ、日程調整や応募者対応については、かなり任せられるようになりました」


「それはありがたいですね」


 金目は、通知書を差し出した。


「今回、基本給を上げることになりました」


「……ありがとうございます」


 三宅は、少し驚いたようだった。


「ただ、今回の評価について、一つ伝えたいことがあるんです」


「はい」


「三宅さんが直接やる仕事、以前より減った部分もあると思うんですよ」


「そうですね」


「でも、それって仕事してへんようになったわけちゃうやろ?」


 三宅は、少し考えた。


「……そうですね」


「福原さんができるようになったんは、三宅さんが教えてくれたからやと思っとるんよ」


「ありがとうございます」


「それに、引き継いだ分、ほかの業務にも時間を使えるようになったんやろ?」


「はい。契約関係の確認や、社内手続きの整理に時間を使えるようになりました」


「ええやん」


 金目は、少し笑った。


「俺な、仕事を抱え込む人だけが評価される会社にはしたくないねん」


 三宅が顔を上げた。


「……なるほど」


「ほかの人が仕事できるようにするんも、立派な成果やと思うで」


 三宅は、少し考えてから、うなずいた。


「ありがとうございます」


 金目は続けた。


「今年度は、もうちょっと業務全体の整理もお願いしたいと思っとる」


「承知しました」


「もちろん、高瀬さんとも相談しながらやけどな」


「はい」


 三宅は、少し笑った。


「福原さんにも、もっと任せられるようにしていきたいと思います」


「よろしくお願いします」


 金目は、少し笑った。


「期待しとるで」


     *


 三宅が会議室を出たあと。


 金目は、資料を整理していた。


 上田には、技術的な判断と育成への期待。


 三宅には、業務を人へ任せ、組織として回せるようにする力への期待。


 それぞれ、違う強みだった。


 金目は、少し考えた。


 仕事ができる人。


 人を育てられる人。


 周囲の仕事を進めやすくできる人。


 そのどれもが、会社に必要な力だった。


 ただ、評価の仕方は同じではない。


 金目は、次の資料を開いた。


 中野。


 昨年から着実に成長している若手社員だった。


 評価資料には、成長した部分がいくつも書かれている。


 しかし、今回の基本給改定額は、比較的小さなものになっていた。


 金目は、しばらく資料を眺めた。


「……さて、どう伝えようかな」


 会議室の外から、足音が近づいてきた。


     *


「失礼します」


 会議室の扉が開いた。


「お疲れさん。どうぞ」


 金目が声をかけると、中野は軽く頭を下げた。


「よろしくお願いします」


「こちらこそ。まあ、座って」


 中野は、向かいの席に腰を下ろした。


 普段はオンラインで話すことが多い二人だったが、今日は少し違う。


 机の上には、基本給改定の通知書が置かれていた。


「ほな、今年の査定結果を伝えますね」


「はい」


 金目は、通知書を中野へ差し出した。


「4月からの月額基本給と、その年額換算は、こちらになります」


 中野は、資料に目を落とした。


 しばらく、何も言わなかった。


「……ありがとうございます」


 金目は、その表情を見ていた。


 昇給はしている。


 しかし、期待していた金額ではなかったのだろう。


「どう? 率直に聞かせてもらってええで」


 中野は、少し迷った。


「……正直に言ってもいいですか?」


「もちろん」


「もう少し上がると思っていました」


 金目はうなずいた。


「そうか」


「はい」


「どのあたりを評価してもらえると思っとった?」


 中野は、少し考えた。


「去年より、一人で対応できる仕事が増えたと思っています」


「うん」


「小川君の環境構築も手伝いましたし、レビューでも以前より指摘されることが減りました」


「そうやな」


「自分なりには、結構成長できた一年だったと思うんです」


 金目は、黙って聞いていた。


 中野の言うことは、間違っていなかった。


 評価資料にも、同じような内容が記されている。


「……せやな。そこはちゃんと評価しとるで」


「ありがとうございます」


「西田さんからも、できることが増えたって聞いとる」


「はい」


 金目は、少し考えた。


「ただな、今回の基本給については、もう一つ見とるところがあるねん」


「……何でしょう?」


「今の中野君に、どこまで仕事を任せられるか、いうところや」


     *


 金目は、評価資料を開いた。


「例えば、今は自分の担当範囲やったら、だいぶ一人で進められるようになったやろ?」


「はい」


「そこは、去年から大きく成長したところやと思う」


「ありがとうございます」


「ただ、設計の判断が必要になったときとか、ほかの機能への影響を考えなあかんときは、まだ上田君や岩田さんに相談することが多いんちゃうかな」


 中野は、少し考えた。


「……そうですね」


「もちろん、相談すること自体が悪いわけちゃうで」


「はい」


「俺も、わからんことは人に聞くしな」


 金目は、少し笑った。


「むしろ、わからんまま勝手に進められる方が困るわ」


 中野も、少し笑った。


「それはそうですね」


「ただ、次は相談するときに、自分なりの判断も持ってきてほしいねん」


「……判断、ですか?」


「せや。例えば、二つの方法があったとして、どっちがええと思うか。その理由も含めて説明できるようになってほしい」


 中野は、少し考えた。


「なるほど」


「もちろん、最初から正解せんでもええで」


「はい」


「大事なんは、何を考えて、どう判断したかやと思っとる」


 金目は続けた。


「そこができるようになったら、もうちょっと大きな仕事を任せられると思うねん」


 中野は、資料を見直した。


「……そういうことなんですね」


「うん」


「じゃあ、今回の評価は、去年より成長したことは認めてもらえているけど、まだ次の段階には届いていない、ということでしょうか」


 金目はうなずいた。


「そういう理解でええと思う」


 中野は、少し黙った。


 金目は、言葉を続けなかった。


 中野が考える時間を待った。


「……わかりました」


 中野は、少し顔を上げた。


「正直、まだ少し残念ですけど」


「せやろな」


「でも、何を期待されているのかはわかりました」


 金目はうなずいた。


「それはよかった」


     *


 中野は、もう一度通知書を見た。


「……一つ、聞いてもいいですか?」


「もちろん」


「今おっしゃったことができるようになれば、来年はもっと上がるんでしょうか?」


 金目は、少し考えた。


「……そこは、約束できへんな」


 中野は、少し驚いたようだった。


「そうなんですね」


「うん。会社の状況もあるし、来年の役割もあるからな」


「なるほど」


「ただ、次の評価で何を見たいかは、ちゃんと伝えられるで」


 金目は、評価資料を指した。


「まずは、担当する仕事について、設計の選択肢を自分で整理できるようになること」


「はい」


「それから、変更したときに、ほかのところへどんな影響があるかを考えられること」


「はい」


「あと、後輩から相談されたときに、答えを教えるだけやなくて、一緒に考えられるようになってほしいな」


 中野は、少し考えた。


「……なるほど」


「もちろん、全部いっぺんにできるようにならんでもええで」


 金目は、少し笑った。


「西田さんや上田君とも相談しながら、少しずつやっていこうや」


「はい」


 中野は、しっかりとうなずいた。


「頑張ります」


「期待しとるで」


     *


 中野が会議室を出たあと。


 金目は、しばらく席に座っていた。


 机の上には、中野の評価資料が残っている。


 本人が成長したことは、間違いない。


 努力してきたことも、十分理解できる。


 しかし、評価と報酬は、必ずしも同じように伸びるわけではない。


「……難しいなあ」


 金目は、小さくつぶやいた。


 昇給を伝えるだけなら、そこまで苦労はしない。


 しかし、期待していたほど上がらなかった理由を伝えるときには、言葉を選ぶ。


 努力を否定したくはない。


 かといって、曖昧な説明で終わらせるわけにもいかない。


 金目は、資料を閉じた。


     *


 4月の下旬。


 予定していた査定結果の通知が、すべて終了した。


 金目は、西田とオンラインで話していた。


「……今年も、なかなか大変やったわ」


 金目が言った。


「お疲れさん」


 西田は、少し笑った。


「今年も全員と話したんやろ?」


「せやで」


「ようやるなあ」


「まあ、まだ俺ができる規模やからな」


 金目は、少し考えた。


「でも、そろそろ考えなあかんな」


「何を?」


「査定結果の通知も、マネージャーに任せることや」


 西田は、少し考えた。


「まあ、今でも評価面談はやっとるしな」


「せやねん」


「ほな、通知も任せたらええんちゃう?」


 金目は、少し笑った。


「そう簡単でもないと思うねん」


「なんで?」


「評価するんと、給料の話するんは、また違うやろ?」


 西田は、少し考えた。


「……それはそうやな」


「評価は現場で見てもらっとる。でも、最終的な基本給は会社全体の原資も考えて決めとるやろ?」


「せやな」


「せやから、マネージャーに通知を任せるんやったら、ちゃんと説明できるようにせなあかん」


 西田がうなずいた。


「なるほどな」


「本人から質問されたときに、何でこの金額なんか説明できへんかったら困るしな」


「そらそうや」


 金目は、少し考えた。


「それに、マネージャー自身が決められる範囲も整理せなあかんな」


「……決裁権限か」


「せや」


「今は、評価資料を作って、最後は金目君が決めとるもんな」


「うん」


 金目は、少し笑った。


「まず、誰が何を決めて、誰が説明するんか、ちゃんと整理しようや」


「了解」


「高瀬さんとも相談して、来年に向けて考えよう」


「ええと思うで」


     *


 会議が終わったあと。


 金目は、今年の査定通知の記録を確認していた。


 上田には、技術的な判断と育成への期待を伝えた。


 三宅には、業務を人へ任せ、組織として回せるようにする力を評価した。


 中野には、成長を認めたうえで、次に何を目指してほしいかを説明した。


 それぞれ、伝える内容は違った。


 そして、受け止め方も違った。


 金目は、少し考えた。


 評価を決めること。


 報酬を決めること。


 そして、その結果を本人に伝えること。


 どれも大切な仕事だ。


 しかし、それらを一人で抱え続ける必要はないのかもしれない。


 必要なのは、誰が担当しても、会社として説明できる仕組みを作ること。


 そのためには、評価基準だけでなく、判断する権限と責任も整理しなければならない。


「……任せる準備するんも、仕事なんやな」


 金目は、少し笑った。


 そこへ、西田からチャットが届いた。


『高瀬さんとの打ち合わせ、来週でええ?』


『ええで。お願いします』


 金目は、少し考えてから、もう一通送った。


『しかし、仕事減らすために任せようと思っとるのに、仕事増えとるな(笑)』


 すぐに返事が届いた。


『そら、社長やからな(笑)』


「……またそれかい」


 金目は、思わず笑った。


 株式会社カナメの4月が、静かに終わろうとしていた。

お読みいただきありがとうございます。旭月です。


今回は、年に一度の査定結果通知のお話でした。


昨年に続き、金目が社員一人ひとりと直接顔を合わせ、基本給改定の結果を伝えています。


もっとも、今回の面談では、それぞれ違った話がありました。


上田には、昨年伝えた期待に応えてくれたこと。


三宅には、自分の仕事をほかの人へ任せられるようにしたこと。


そして中野には、着実な成長を認めながらも、期待していたほどの昇給には至らなかった理由を伝えました。


さて、人事評価というのは、何度経験しても難しいものです。


以前の後書きでも触れましたが、昇給を伝えるだけなら、そこまで苦労はしません。


難しいのは、本人の期待に届かない結果を伝えるときです。


本人が頑張ってきたことは知っている。


成長していることも理解している。


それでも、報酬という形では、必ずしも本人の希望に応えられるとは限りません。


そんなとき、どのような言葉で伝えるべきなのか。


筆者自身、マネジメントの仕事をする中で、いつも悩むところだったりします。


そして今回、もう一つ描きたかったのが、三宅の評価です。


自分でたくさんの仕事をこなす人は、成果が見えやすいものです。


一方で、自分が担当していた仕事を誰かに教え、任せられるようにする。


その結果、自分が直接担当する仕事は減っていく。


これも、組織にとっては大切な成果だと思っています。


むしろ、特定の誰かがいなければ回らない仕事を減らすことは、会社を強くすることにつながるのでしょう。


さて、今回の金目は、査定通知そのものを将来的にマネージャーへ任せることも考え始めました。


しかし、これも簡単ではありません。


現場の仕事を評価すること。


会社全体の報酬原資を踏まえて、基本給を決めること。


そして、その判断を本人へ説明すること。


この三つは、似ているようで、それぞれ異なる責任を伴います。


評価資料を作ることができても、なぜその基本給になったのかを説明できるとは限りません。


かといって、決定権のない人に説明だけを任せるのも、なかなか難しいものです。


誰が判断し、誰が責任を持ち、誰が本人に伝えるのか。


会社が大きくなるほど、そうした仕組みを整える必要が出てくるのでしょう。


金目は、少しずつ仕事を任せられるようになりました。


けれど、任せるための準備にも、また別の仕事が必要になります。


……楽をするために始めたはずなのに、なかなか楽にはなりませんね(笑)。


さて、カナメは2031年の春を迎えました。


新しい仲間も増え、それぞれの専門性を生かしながら仕事を進めています。


金目が直接判断する仕事は、これからさらに減っていくのかもしれません。


その代わり、経営者として考えなければならないことは、ますます増えていきそうです。


引き続き、お付き合いいただければ幸いです。

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