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反乱で処刑された若き領主、気づいたら過去に戻っていました。  作者:


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定まらぬ矢先

兄との話し合いの結果。

北部方面は後退。それは揺るがない。

問題は——その先。


地図を見下ろす。


我が領の領都と北部方面との間。


隣国の侵攻の形は三つ。


直進か。途中で南下か。

あるいは、街道二本を使った直接侵入。


最後の案は、切られた。

兄の判断は、来ない。来ても、陽動程度。


理由は示されないが。

街道沿いには、偽装村が二つ。防御は整っている。そこは、グレゴールが指揮を取る。


残るは——直進か。途中で南下か。

どちらも、あり得る。

そして——どちらも、防げない。


ここで考えても、決まらない。

なら——配置だけ、先に置く。


兄上の隊は、旧領境の中央。

俺は、その南側。領都から見て、北の偽装村と兄上の間。


線を引くが薄い。あまりにも。

比較的、開けた地形で遮る物は無い。

砦も無い。


つまり——止める場所が無い。


「……どうする」


ぽつりと漏れる。

防ぐのか。受けるのか。流すのか。


まだ、決まっていない。

地図を見つめる。線。間。空白。

配置は、出来た。


だが——戦い方は、まだ無い。

静かに、息を吐く。


春は近い。そして——それは、始まりでもある。


翌朝。


冷えは残るが、空気は柔らかい。重い思考を振り払う様に、外へ出る。


気分転換。それだけの理由。

領都の通り。人の流れは、戻っている。


荷を運ぶ者。声を張る商人。行き交う住民。

冬前と、大きくは変わらない。

それでも——活気がある。


止まっていない。


目に入るのは、顔。

疲れはある。だが、沈んではいない。

生きている。その実感だけが、はっきりとある。


歩く。南町へ。


以前より、建物が増えている。


仮設だったものが、形になり。

道も、少しずつ整っている。


煙が上がり生活の匂い。


「……進んでいるな」


小さく漏れる。


冬を越えた。それだけで、価値がある。

視線を巡らせる。


人。物。流れ。


守るべきものは、ここにある。

足を止める。一瞬だけ。


そして、また歩き出す。

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