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サ終ゲームのリスタート  作者: 橋 みさと
第5章 きっと、みんなと一緒なら
69/70

トルネクロンC

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「くろんちゃん、しっかり!」

「無理しすぎは駄目だよぉう!」

「ごめんなさい。でも……できる時に、やらないと……!」

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私たちも心配しつつ画面を見つめる中、くろんさんはチョコケーキさんからの回復を受け、立ち上がる。

ようやくここで敵の高揚効果と、味方に付与されていた状態異常「溶解」の効果が切れた。


それぞれ状態異常が付与されたタイミングは違うが、長い人でだいたい40秒前後は続いていたので、みんなほっとした表情を見せる。


「何とか1周乗り切ったな!」


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トルネクロン「吹き飛ぶがよい!」

「さらに強化、強化~ぁっ☆」

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°˖✧はぴ✧˖°さんが必殺技ゲージを使用し、味方バフの強化版を付与する中、Miyabiさんも必殺技準備に入った。

トルネクロンが放った全体魔法攻撃を、また照輝さん・チョコケーキさんの連携で弱めて耐え、その直後にMiyabiさんが必殺技を叩き込み、着実にHPを削る……。


「いいぞ、順調に進んでいるな」

「このままのペースで進められれば……敵の行動2周半くらいで倒せるか?」

「ウペウペ!」


確かにトルネクロンの残りHPと、火力2人が必殺技で与えられるダメージ量から計算すると、そのくらいでいけそうだ。


とはいえ、まもなく戦闘開始から1分半……。

アークタルラはその1分半ほどで2匹とも倒せたが、トルネクロンとの戦いはまだまだ終わらない。ここから先は、あの時とは比べ物にならないような、精神的疲労の蓄積が予想される。


実際すでに、照輝さんを除く4人には、疲労が見え始めていた。


「照輝さんの必殺技ゲージMAXを確認」

「Miyabiさんの必殺技ゲージMAXを確認」


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トルネクロン「風よ、我に集え……」

「俺様の肉体美、その目に焼き付けな!」

「いいね、一緒に焼き上げちゃおう!」

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トルネクロンが再度高揚効果を付与するタイミングで、2人同時に必殺技ゲージを使用した火属性攻撃を叩き込む!

より一層激しい炎がトルネクロンを包み込み、心臓部分にあった鉱石がこれで半分ほど砕け、大きな欠片が落ちた。


「おおおおおお!」

「いける、これはいけるって!」

「ウッペー!」


観戦エリア内の期待感は、うなぎのぼりだ。ウパぺんたちも様々な応援グッズ片手に、モニターを注視している。

……あの手?でどうやって持ってるのかと一瞬思ったけど……ゲーム世界だから突っ込んじゃ駄目、かな?


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トルネクロン「毒風よ、捉えよ!」

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また、状態異常ありのランダム順攻撃が始まった。


「今度は近列攻撃からだ!」


大慌てで火力2人が後列移動した直後、前列範囲に毒液交じりの風が吹き荒れる。風が治まるタイミングを見計らって、くろんさんと°˖✧はぴ✧˖°さんは前列移動し、さらにトルネクロンのHPを削った。


「照輝さんに〈状態異常〉溶解20%付与を確認」

「くろんさんの必殺技ゲージMAXを確認」


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トルネクロン「毒風からは逃がさぬ!」

「……っ! …………ごめんなさい」

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私にはそれが、何に対する謝罪だったのか分からなかったが、くろんさんはそう言いおいて、トルネクロンの状態異常付与付き全体魔法攻撃が来る直前に、必殺技準備に入った。


今のでジャスティアさんが折れそうなほど小枝を強く噛み、顔を歪めたので、彼に対しての謝罪なのかなとは思ったが……。


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「それ、すっごく痛いよ( _•ㅅ•)_? 覚悟はいい?」

「ええ……よろしく」

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チョコケーキさんには通じたらしい。

照輝さんとの連携で、紫色の強風そのものの威力は再び弱められた。


「味方全員に〈状態異常〉溶解10%付与を確認」


だが容赦なく、状態異常が付与される。


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「攻めるわよ」

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必殺技ゲージを使用したくろんさんの大剣攻撃は、再び業火の斬撃となってトルネクロンの鉱石部分をさらに砕く!

しかし、その後の行動時ダメージは何故か、くろんさんだけ先ほどよりも大きく、痛みで小さくうめいた。


「えっ! 何で!?」

「デバフのせいだよ! 状態異常付与される時点での防御系バフ・デバフの量で、状態異常の威力が変わるんだ!」

「……じゃあここからしばらく、よりキツイ行動時ダメージが入るってことか!?」


なるほど、だから謝罪を……。


とはいえ先ほどの場面だと、2回連続で後列移動しなければ戦闘不能になっていたし、デバフを付与せずに後列移動できる武器もなかったので、仕方ないとも言える。

ファイターだと、こういう場面での立ち回りが重要になってくるのか……!


「°˖✧はぴ✧˖°さんの必殺技ゲージMAXを確認」

「Miyabiさんの必殺技ゲージMAXを確認」


トルネクロンの状態異常付き単体攻撃をかいくぐって、Miyabiさんが必殺技を叩き込む。行動時ダメージが入り、Miyabiさんもまた痛みで顔を歪めた。そして……


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トルネクロン「毒風よ、回り込め!」

「……え? あっ、遠列!?」

「Miyabiちゃん!?」

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その痛みで判断が鈍ったか、遠列攻撃が来るタイミングでMiyabiさんが、後列移動武器を選択してしまう!


「やばい!」

「ウペペ!?」


咄嗟に照輝さんが、味方全体の防御バフを延長しつつ、ダメージバリアを1枚追加付与したので、遠列攻撃そのものには耐えたが、


「チョコケーキさん・Miyabiさんに〈状態異常〉溶解20%付与を確認」


よりキツイ状態異常が、Miyabiさんにまでかかってしまった。


「ただでさえマジシャンは、最大HP低目なのにこれは……!」


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「ごめん! 失敗しちゃった!!」

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その小さな失敗を、取り返そうとしたのだろう。Miyabiさんはその焦りから、大鎌攻撃の詠唱を即開始した。


「ああっ!」

「そのタイミングは……!」


ランダム順の死の縄跳びが……来る!


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トルネクロン「風刃よ、降り注げ……!」

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無情にも、Miyabiさんの武器詠唱開始とほぼ同じタイミングで、トルネクロンが前列即死攻撃の詠唱を開始した。

このゲーム、武器の詠唱を開始してしまったらもう、使用キャンセルはできない。つまり……。


Miyabiさん自身もこれに気づき、青ざめた。くろんさん、°˖✧はぴ✧˖°さん、チョコケーキさんの3人は、かける言葉を失っている。


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「筋肉に力を入れて備えるんだ! 何としてでも、意識を保て!」

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照輝さんだけが後列移動しつつ、そう叫んだ。大鎌の詠唱が終わり、強制的に前列移動しつつ攻撃したMiyabiさんは、この言葉に反応し、全身に力を入れてぎゅっと目を閉じる。


その3秒後、前列範囲を死の竜巻が襲い、Miyabiさんの身体をズタズタに切り裂いた。


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「きゃあああああああっ!!」

「Miyabiさん……!」

「Miyabiちゃ~ん!」

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「ひいいい!」

「やばいやばいやばいって!」

「ウペペピィィ!!」


ゲーム世界なので、血が飛び散ることも、身体が千切れることもない。だがその声は確かに、断末魔だった。Miyabiさんに致命的なダメージが入り、HPゲージが0になった彼女は、その場に倒れる。


「……Miyabiさんの戦闘不能を確認」


花図鑑さんのその報告が、観戦エリア内にやたら大きく響いて聞こえた。

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