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サ終ゲームのリスタート  作者: 橋 みさと
第5章 きっと、みんなと一緒なら
70/70

トルネクロンD

戦闘不能そのものは、珍しいことじゃない。


普段の装備集めの時に、レア敵の攻撃を受けきれなかったとか、ボスの行動分析戦闘の際にやむを得ずとかで、誰しも何度か経験している。

実際火属性選抜メンバーは、くろんさんを除き全員、アークタルラ戦で戦闘不能を経験済だ。


だがこんな中盤で、火属性選抜メンバー内から戦闘不能者が出たという事実は、私たちに少なからず衝撃を与えた。


いや……今までが上手くいきすぎていただけなのかもしれない。彼らは戦闘不能になる危険性と、常に隣り合わせだったのだから。


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「止まるな、筋肉を動かし続けろ!」

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照輝さんの掛け声でくろんさん、°˖✧はぴ✧˖°さん、チョコケーキさんはハッとし、次々と前列移動武器を使用して、死の縄跳びを成功させた。°˖✧はぴ✧˖°さんに至っては必殺技ゲージを使用し、魔砲での強化デバフまで付与させている。


そうだ、今は立ち止まってる暇はない。

この戦闘はまだ、終わっていないのだから!


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「Miyabiさん、意識はあるか!?」

「何……とか……。死ぬほど、痛いけど……!」

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照輝さんの助言が効いたのかは分からないが、Miyabiさんはあの攻撃を受けてなお、意識を保っていた。


普段戦闘不能者が出た時は大抵、すぐに敵を倒しきるか、全滅して救護室に飛ばされるかなので、即治療が受けられる。戦闘エリアから離れれば、痛みも和らぐ。


だが……今回のように戦闘エリアから離れられなければ……痛みは継続する。


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「早く助けてあげないと……!!」

「そうだチョコケーキちゃん、蘇生はぁ~!?」

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「そうだよ、選抜メンバーのプリなら、蘇生メイス持ってるはずだよな!?」


だが予想に反して、彼女は頭を振った。


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「今は駄目! もう少し後!( _•ㅅ•)_」

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「えっ、どうして……?」


私の疑問に、すぐ傍にいた熾天使セラフィムさんとシクザリアさんが答えてくれた。


「ただ蘇生すればいいってものじゃないのよぉ~♡ あの火属性の蘇生メイスを使うなら、安全なタイミングで蘇生してあげないとぉ~♡」

「ボス戦での蘇生は、かなり難しい……タイミング次第では、またMiyabiさんが命の輪廻に還るだけだ」


そうか、もうすぐ極大全体魔法攻撃が来るタイミングだから……。確かにそんなタイミングで蘇生しても、何もできないまま再度戦闘不能にさせてしまうだけか。


それを聞き、チョコケーキさんは冷静だと判断したのだろう。照輝さんはニヤリと笑った。


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トルネクロン「我が力、暴風となり吹き荒れよ!!」

「蘇生タイミングは任せるぜ!」

「はいはーい!!」

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極大全体魔法攻撃の詠唱が開始される!


これに合わせて照輝さんは必殺技ゲージを使用し、火属性の剣盾を掲げる。また濃い赤光が、味方全員を包み込むのに合わせて、チョコケーキさんも守護技槍を繰り出した。


「味方全体に風ダメージ耐性UP50%7.9秒付与を確認」

「照輝さんの逆鱗1回の消費を確認」

「トルネクロンへ物理・魔法与ダメージDOWN25%7.9秒付与を確認」


くろんさんがダメージバリアを自傷で破壊しつつ、辛くも後列移動した直後、2周目最後の攻撃となる暴風が吹き荒れ、彼らを切り刻む!


「照輝さんの逆鱗1回の消費を確認」


ようやく状態異常の効果が切れたタイミングで、くろんさんは必殺技準備に入った。


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トルネクロン「風よ、切り裂け」

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次のトルネクロンの行動は、単体攻撃だ!


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「こっから私のターン!!」

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チョコケーキさんはそう叫んだ直後、必殺技ゲージを使用し、見慣れない火属性メイスの詠唱に入った。風属性耐性がUPする槍で後列移動していた照輝さんは、それをチラリと確認する。


「蘇生予告だ!」

「ナイトが単体攻撃捌くのに忙しい間に!?」

「いや、これが最適なはず……!」


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「回復神とは私のことよ!!ヾ(*•ᆺ•)ノ」

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詠唱が終わり、チョコケーキさんはそのメイスを頭上に掲げた。Miyabiさんの身体を炎が包み込み、優しく焼く……。


次の瞬間、ボンッという破裂音と共に炎がはじけ、まるで不死鳥が蘇るように、MiyabiさんがHP全快状態で立ち上がった。


「Miyabiさんの蘇生成功を確認!」


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「ナイスマッソー!!」

「むしろ私に感謝しなさい!!」

「うん、ありがとう!!」

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これにより、蘇生メイスは長い長い再使用可能時間(リキャストタイム)に入った。この戦闘中の再使用は、もう不可能だ。


Miyabiさんはそのまま、4秒詠唱の自己バフ付与にかかる。照輝さんもトルネクロンの単体攻撃を凌ぎきったタイミングで、味方全体のバフを付与する剣盾の詠唱を開始する……。


「そうか、戦闘不能になった場合、必殺技ゲージはそのままだけど、バフ・デバフが全部切れてしまうから……」


永続デバフはともかく、それ以外にMiyabiさんが付与していたトルネクロンへのデバフと、Miyabiさん自身に付与されていたバフは全て切れてしまったから、軒並みかけ直す必要があるわけだ。

このロスは、正直かなり大きいぞ……!


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「絶対に……間に合わせるわ……!」

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わざと少し時間をおいてから、くろんさんは第2の必殺技準備の大剣を使用した。自傷が入ったが、チョコケーキさんがメイスを振ったので、耐性付与と同時に、自傷分以上にHPが回復する。

Miyabiさんもまた、自身に付与したばかりのバフ効果を延長しつつ、後列移動して次に備えた。


「くろんさんの必殺技ゲージMAXを確認」

「Miyabiさんの必殺技ゲージMAXを確認」


トルネクロンの近列攻撃を、うまく躱して放たれた大剣での必殺技は、鉱石部分にひときわ大きなヒビを入れる!

さらに続く全体攻撃をかいくぐって、放たれた杖での必殺技が、そのヒビを深く大きくした。


「これ、予想では最後の周回だよな? あと時間どのくらいだ?」

「あと……約1分……!」

「照輝さんの必殺技ゲージMAXを確認」

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