第六話 アーティファクトと魔素師
「と、まぁ、そんな感じで儂はその侍の末裔って訳よ。」
「島国の伝説ねぇ、そんな話、聞いたこともないな。」
ガンツら一同は工房に戻り掃除をしながらヤマトのおとぎ話を聞いていた。
「そんな事よりも、工房に風穴空いちまった。こりゃ、復旧に時間がかかるぞ…。」
ガンツは大きく肩を落とす。
「あ、でも、覇道の剣ってあの伝説にもありましたよね?」
レインは箒で瓦礫を集めながらガンツに問いかける。
「あ?あぁ。かつて大陸中に波乱を生み出して多くの国を滅ぼした挙句、妖異を引きつけて人間を滅ぼしかけたってやつか?嘘か誠か、その剣はいつの間にか消え去ってどっか行っちまったてな。」
ガンツは問に答えるも自分が言った伝説について胡散臭さそうにフンッと鼻で笑った。
「もしかして、その剣がまた何か災いを起こすって事でしょうか?」
「まさか!伝説は伝説よ。そんな事ある訳がないわw」
不安そうなレインをガハハハと笑い飛ばすガンツ。
「儂、伝説の末裔なんだが…」
「いや、そう言えば、貴様、魔素使いならば国の許可は受けて居るんだろうな?」
「ん?」
「え?」
ヤマトの反応にガンツが固まる。
ーーー魔素。
それはこの世界の全ての物質に少なからず含まれ、火土風水雷に光と闇の7つの属性を持つ無機物であり、生物にとっても非常に重要な要素である。
魔素を多く含む構成物をアーティファクトと呼び、魔素の共鳴によってその力を引き出す者を魔素師と呼ぶ。
アーティファクトはその殆どが自然によって凝縮された自然によって造られた構成物であるが、過去の遺物では人の手で造られた物もあり、そのどれも国宝として扱われている。
そして、魔素を共鳴させる事が出来る魔素師は限られた才能を持つもののみで、彼らは国によって厳重に管理されているのだ。
つまり、アーティファクトの密造、魔素術の乱用はこの国ではご法度なのである。
「まずい、まずいぞ。おい、ヤマト。その剣くれてやるからさっさとここから出ていってくれ!」
「お、おい!急にどうしたんだ!」
ガンツは慌ててヤマトの背中を押して工房から追い出そうとした。がーー。
「おい!ここに変な格好をした魔素師が居るはずだ!っていた!変な格好…というか変な髪型の貴様!こっちに来いっ!」
タイミング悪くもガルディアの憲兵たちが工房に訪れて来た。
「?儂に言ってる?」
「貴様!その剣、何処で手に入れた!?」
憲兵がヤマトに問いかけると、ヤマトは悪気なく答える。
「ん?おぉ!コレか?これはそこの小僧の試作品だそうだ!素晴らしいぞ?貴様もコレが欲しいのか?」
「あ、コラっ!」
ガンツがヤマトの口を塞ごうとしたが時既に遅し。
「魔素術乱用およびアーティファクト密造の疑いで貴様たち二人を連行する!」
「え?おっ?何で?」
「えっ!?あ、ちょっ…。僕何も悪いことしてな…ぁっ!!」
あれよあれよとヤマトとレインは手錠を付けられ城へと連行されるのであった。




