表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/144

第10話:初めての町で偽装工作に勤しむ

 

 1日目:アルサの町


 ふむ、1日目が終わらない。終わってもらっても困るけど。


 色々やってるうちに、町についたのは16:00過ぎ位だ。

 あの門番に色々と聞いたお陰で、町の事前情報は増えている。大銅貨1枚の価値は有ったな。

 例のごとく、お金のはなし。


 貨幣は基本、硬貨である。紙幣はまずなく、商会等が取引で使う証文だろうか。

 硬貨というか、通貨は世界共通だ。恐ろしかろう。

 時たま、俺の国だけの通貨つくるぜー。とか起きるが、基本的に、世界共通通貨が有る。

 はいどん。


 賎貨:1

 大賎貨:10

 銅貨:100

 大銅貨:1000

 銀貨:10,000

 大銀貨:100,000

 金貨:100万

 大金貨:1千万

 白金貨:1億

 大白金貨:10億


 この方が見やすいかな。どうだろう。

 そんなわけで、門番に渡した袖の下は、大銅貨1枚。

 凡そ千円位の価値だ。中々だろう。千円なんて、言い切れるのか? 言い切れるとも。

 何故なら、単位は、エンやで。あまり使われないけど。

 大抵、銀貨何枚とか、銅9とか、そんな感じ。

 物価は流石に違うが、日本の感覚に何故か。


 そう、創造神(ry (ローマ字打ちじゃない) (からむしろめんどい)


 ちなみに、お金は最初から持っていたものだ。旅装セットの1つ。お金持ち! ってほどは入ってない。リソースの問題が有ったからだ。

 手持ちは、白金貨10枚、金貨10枚、銀貨10枚、大銅貨9(10-1)枚、銅貨10枚、賎貨10枚。

 あれ、結構持ってるな。金貨以上はアイテムボックスに入れてある。

 一般的に用いられるのは銅貨、少し高めで銀貨だ。金貨はあまり使われない。

 あれ? サンプル用に10枚、大銅貨だけ使用頻度高いらしいから追加したけど、結構なもんじゃねぇか。

 まぁ、考えて使えば良いだろう。


 ちなみにちなみに、世界共通通貨:エンがめちゃ強い理由は、ダンジョンから出るんだ。

 貨幣がそのまま。

 含有率は一定で、基本的に偽造不可能。信頼度爆高。

 使わない理由がない。

 徐々に総量は増えていくように思えるが、貨幣を食らうモンスターも居るし、儀式の贄として消滅することも多い。

 実際には、微増といった具合で、急激なインフレデフレは起きないらしい。


 いつの間にか10億持ってることを頭の隅に起きつつ──目をそらしなどしない──、目的地へと付く。


 ここは、鑑定協会だ。


 ──────────


 アルサの町:鑑定協会


 視点:受付嬢


 ここは鑑定協会。その人の持つ、スキルやステータスを可視化する、世界規模の協会。冒険者ギルド程ではないが、全世界の大きな町以上に存在する。

 村に置かれないのは、費用対効果と、安全のためだ。

 鑑定協会では、鑑定アイテムを使って、その人のステータスを見ることが出来る。

 始まりは、異世界から来た勇者、通称2代目勇者様の遺産だ。

 生産系勇者と、自分を称していた2代目勇者様は色々な役に立つものを造った。

 その代表的なものが、冒険者ギルドのギルドカードと、鑑定協会の鑑定アイテムだ。

 複製にもコストがかかるし、使用自体にもコストがかかるため、町レベルからしか置かれない。

 盗まれても使用できない呪いが有るため、その心配は無いのだが、複製コストがかかる。

 その為、鑑定協会はある程度の武力もあるし、受付嬢は質を高めている。


 実際にお給料も良いし、冒険者ギルドよりも来る人の幅は広いものの、冒険者のようにガラの悪い人の割合は低い。美人に生んでくれた親に感謝ねー。


 ちょっと暇しつつ、来客を待つ。費用もかかり、知れても価値が有るかわからないステータス。

 鑑定協会はそこまで忙しくないが、その代わりよく来る人は基本お金持ちだ。

 ステータス鑑定能力持ちなんて、中々見付からないし。

 冒険者も、命がかかってるのでよく来るが、静かにしないと鑑定してあげないので、大体落ち着いている。

 あっちの受付嬢は大変ね。


 おっと、来客ね。


「すみません、鑑定と、鑑定書の発行をお願いします」


 あら、赤い髪の綺麗な男の子ね。成人の記念鑑定かしら。


「分かりました。鑑定と、鑑定書の発行ですね。鑑定に大銀貨1枚、鑑定書に銀貨1枚かかります。宜しいですか?」


 少し驚いたような顔をする男の子。まあ、そうよね。最初は高いと思うかも知れないけど、それだけ取らないと採算が取れないのよ。


「えっと、大銀貨の持ち合わせがなくて……金貨でも宜しいですか?」

「はい。大丈夫ですよ」


 少し小声で話してくる。当然ね。金貨なんて持ってると知れたら、結構危ないもの。見た感じ、そこまで強いとも思えないし。


「では身分証の提示をお願いします」

「はい。仮の身分証ですけど。これから冒険者ギルドに行く予定なんです」


 あら、それで。鑑定書が有ると、登録がスムーズになるもの。

 鑑定書は魔法紙だから高い代わりに信頼度が有る。どうやら、目端が利く子ね。

 色々と、鑑定でのルールを説明しつつ、身分証の確認を終える。


「はい……レッドさん。身分証を確認しました」

「では……これを」


 ちょっと葛藤した様子で銀貨と、金貨を隠しつつ渡してくる。なけなしのお金かしら? 可愛いわね。


「はい。こちらをお返しします」


 隠しながら、お釣りの大銀貨を返す。一応、ブースになってるけど、礼儀よね。


「では鑑定部屋へ行きましょうか」

「はい。お願いします」


 うんうん。礼儀正しいのはポイント高いわよ。顔も良いしね。


 ──────────


 鑑定部屋は、周りから見られないように個室だ。結構広い部屋に、大きな鑑定アイテム。

 ステータスは、それこそ個人情報の塊だ。ルール上、受付嬢、そしてデータベースには登録されてしまうが、守秘義務が有る。私も契約魔法を受け入れてるし。


 レッドさんが、鑑定アイテムでスキャンされる。結果待ち……。あら。


「結果が出ましたよレッドさん。こちらをご覧ください」


 ステータスのうち、この町で表示できるのはレベルとスキル欄、耐性欄だけだ。

 大きな都市とか、主要都市ではより詳しく分かるらしい。その代わり、コストも上がる。


 ステータスを表示しているモニターを案内する。

 文字を読めることは聞いているが、アシストは受付嬢の役目だ。

 大まかなスキルの説明も出来る。


【モニター】

 レベル:15


 ノーマルスキル

<剣術:レベル:2>

<感覚強化:視聴:レベル:1>

<投擲:レベル:3>

<速読:レベル:2>

<思考加速:レベル:3>


 耐性


<精神耐性:レベル:8>



「何か、ご質問などは有りますか?」

「そう、ですね。冒険者としてはやっていけそうでしょうか?」

「私見ですが、剣術と投擲のスキルが有るため、戦うことに関しては問題ないと思います。思考加速も便利だと思いますよ。

 視覚と聴覚の強化も、冒険者には有用です。感覚強化のレベルはまだ低いですが、感覚強化系のスキルはパッシブスキルの中でも上がりやすいので、より良くなっていきますよ。

 取得の経緯に、心当たりは有りますか?」


 成人したばかりと聞いているし、動機もよくあるもの。

 最初のスキル鑑定で、これは普通に当たりね。

 大抵はもっと少ないし、役に立ちにくいスキルが多い。

 エクストラは無いけど、努力すれば届くかもしれないし。この子は有望そうね。


「剣術は教わったことが有りますし、投擲は鳥を獲るのに使ってました。目が良いと言われたこともあります。

 他のは良く分かりません。特に、この耐性の高さは……」


 そうよねー。耐性の<精神耐性>高過ぎよね。とすると。


「では、先天的な耐性。ギフトと呼ばれるものでしょう。

 精神攻撃をするモンスターと戦う時にはとても心強いと思いますよ。良いギフトです」

「そうですか! それなら良かったです」


 本当に、ろくなギフトじゃないこともあるし。天賦の才能でもあり、毒でもある。昔の人は良く言ったものだわ。


 幾つか会話を重ねるうちに鑑定書が出来上がった。


「こちらが鑑定書になります。ご確認ください」

「はい、大丈夫です」


 あら早い。あっ、速読。


「こちらの筒に入れてお持ちください。破損に気を付けてくださいね」

「はい。ありがとうございます」


 鑑定部屋を出て、挨拶する。


「今日はありがとうございました」

「いえいえ、またのお越しをお待ちしております」


 笑顔でにっこり。軽くお辞儀。

 あらら、効果は薄めね。足早に去っていった。冒険者ギルドが夕方は混むって言ったの、失敗だったかな。


「あらレーネ、さっきの赤い髪の子、どうだった?」

「駆け出しより、良いスキルだったと思うわよ?」


 同僚のオーリに話し掛けられる。守秘義務に値しない部分の会話は、良く上がる話題だ。


「へー、貴女にしては愛想良かったじゃない。気に入ったの?」

「にしては、は余計よオーリ。

 それを言うなら貴女もでしょう? まあ悪くはなかったわ。

 顔も良いし、態度も丸ね。何より好色の視線がないのが良いわね」

「あらー? 貴女のその脂肪に目が行かないなんて、もしかして彼貧乳好きかしら」

「脂肪言うな。評判良いのよ?」

「うふふ、少し分けなさいよ。今度来たら私担当しようかしら」

「貴女好きねぇ、年下(ショタ)

「生き甲斐よ、い・き・が・い」

「もう少し母性つけなさいよ」

「うっせぇ黙れ──ようこそ鑑定協会へ!」


 一気に声が変わる同僚を横目に、肩を動かす。これ、肩凝るのよ? メリットも有るけどね。



 ──────────


 よし、首尾良く鑑定書を手に入れることが出来た。高かったなおい。1回十万だぜ、試験に。

 あれ? 受験そんくらいするわ。


 夕方は冒険者ギルドは混む、か。想定内では有るが、気を付けていくとしよう。


 テンプレは嫌いじゃないが、場合によりけり、だな。



創造神様が異様に便利すぎる。この人一人で説明が付くことが多すぎる。


2代目勇者さんは時折出てきます。本来、全く別のプロットにいた存在ですが、何故かこちらで登場しました。



巨乳受付嬢:レーネさんですが、そもそも人間嫌いなレッド君には刺さりませんでした。


人外の巨乳なら心は揺れます。そう、揺れるんです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ