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第六章、休日2

卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル

http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1515515.html


ご満悦の直子さんだったが、強い要望でデパートに行きたいとの願いで、



街で唯一残っている、デパートに向かう為に車を走らせた。



街に到着するなり、43年前とは大幅に街の様子は、様変わりしたが、



まさに鼻が利く直子は、嗅ぎ当てたのだった。



すると閉店してしまった、デパートのシャッターを叩いた直子さん。



直子、「ちょっと開けてよ、何時だと思ってるのよ#!。



もう一時半よ!、日曜日よぉもぉ~、どうなっているのよぉ#!」。



現代組はその行動が、切なくて堪らなかった。



街のシンボルマークで、昔は市民のステータスだったからだ。



良子、「だから、潰れてしまったって言ったでしょ!」。



直子、「私のデパートよ!、勝手に潰さないでよ#!」と、激怒した。



更に切なさが増す、現代組だった。



春実、「あ~お姉さん、ここでなくてはダメかいな?」。



直子、「ダメよ#!、私のデパートなんだから#!」。



またシャッターを叩き続けた。



春菜、「物欲もここまで来ると、素敵に見えて来た」。



良子、「昔から物凄い執着心なのよ、このデパートに対して..」。



春実は仕方なく、無理やりシャッターから直子の手を持って、引き離した。



直子、「何するのよぉ#!」。



春実、「お姉さん、そのくらいにするでござる!。



もう三分叩いていると、お上に通報されるでのぉ!」。



直子、「そうしたら、ここのシャッター開ける様に、頼んでやる#!」。



春実はそのまま、直子の手を持って、「まあ、まあ、まあ..」と、言いながら、



駅近くの、今でも営業しているデパートに、連れて行ったのであった。



四人は店内に入ると、直子が、「これよ!これで無ければ、ならないのよ#!」。



現代組は同時に、「何が?」と、答えると。



直子、「デパートの1階は必ず、化粧品の香りがしなければ、いけないのよ!」。



現代組はやはり同時に、「確かに!」と、答えた。



するとあちらこちらと、



1階のフロアーを、歩き回り一言、「地味ねぇ~」と、溜息を付いた。



そして一人でエスカレーターに乗って、上がって行った直子だった。



現代組は更に同時に、「ヤレヤレ..」と、溜息を付いたのであった。



なぜ直子は、化粧品を見て地味と答えたか。



実は昔の色んな物の配色は、赤、黒、白と、はっきりした配色で、



今の様なパステル調の配色は、無かったのであった。



薄いピンクや、ハーフで淡い配色は無く、



直子の様な性格がアバウトな人の価値観には、合わなかった様なのだ。



直子の後ろを付いて行く三人であった。



するとまた嗅ぎ出した。



春実、「今度の臭いの素は、何であるかな?」。



良子、「服よ!きっと..」。



春菜、「ブー!ハズレ..、お腹空いたのよ!」。



そう言ってエスカレーターの、階数が書かれたプレートを見ると、



食堂のフロアーだった。



春実と良子は小さくこけた。



フロアーに降り立つと、わき目も振らず、臭いの素へと飛んで行った。



それを見た春実は、「考える前に、行動するね~。



母ぎみアレは使い様に寄っては、相当物になるでござるぞ!」。



良子、「あんた#!、その変な江戸言葉、いい加減止めなさいよ!」。



春菜、「もう身に付いてしまって、今更止められないんだって」。



春実、「ワッハ、ハ、ハ、ハ、ハ!」。



直子の行った先は、ありふれた喫茶店であった。



ありふれてはいたが、景色は良くてラウンジ感覚であった。



早速窓際の席に着いた直子、後の三人も同じ席に着いた。



春菜、「な..なんか、感じるんだけど、この雰囲気..」。



春実、「何をじゃ?」。


良子、「そうよこの雰囲気は、卸本町に在った、あの角の洋食屋よ!」。



春実、「するとぉ」。



そしてウェートレスが、水を運んで来た。



水をテーブルに置くと直子は、メニューも見ずに、「オムライスね!」と、答えると、



後の三人も続いて、「同じ物を!」と、答えた。



ウェートレスは、「オムライスを四つで!」と、答えると、四人は頷いた。



春実、「キターでござるな春菜!、春菜を病み付きにさせた、



シンプルオムライスの昭和44年組の元祖!」。



直子、「これが一番いいのよ!、あんな何とかテレーヌだとか、



フォアクロだかフォアクリだが、ビーフスノウガリフだの寄りも、



オムライスが一番、洋食の帝王よ!」。



春実、「テレーヌとフォアグロは、解ったでござるが、



ビーフスノウガリフは、わらわは、まだ口にした事は無いぞ!、美味そうじゃのぉ~、



皿の上にカキ氷を乗せて、その上にビーフを乗せ、



更にその上に、ガーリックを乗せた料理かの?」。



完全に惚けていたが。



春菜、「凄い想像力ね!お姉ちゃん!」。



良子、「春実その創作料理、今度作ってみたくなったわよ!」。



春実、「その上に塗すソースは、ホワイトで頼むぞよ!」。



春菜、「ミルクを使った甘いソース、夏のメニューにぴったりね!」。



直子、「何だかクドそうね..」。



そんな話をしていると、オムライスがやって来た。



定番のシンプルオムライスであった。



春菜、「わお~、私好みぃ」と、指を組んで耳元に持って行った。



春実は、オムライスの皿の縁を見て、春菜を伺った。



それを以心伝心した春菜も、春実を伺った。



すでにこの二人は、西部劇の銃を先に抜けと、言わんばかりであった。



それを見た良子、「あんた達、そんな女々しい駆け引き、止めなさいよ!」。



そして同時にパセリを摘んで、同時に、「ハーブ!」と、答えたのであった。



すると直子が、「パセリでしょ!、知らないの?」と、言われてしまった。



春実と春菜は、「しまったぁ~」と、悔しがったのであった。



何の事だかさっぱり、解らない直子は、「それ何のお呪い?」と、答えながら、



スプーンでオムライスを、頬張ったのであった。




この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。

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