歌をつなぐ
イルカたちは、空をすべるように女の子にちかづきます。
そして、そのうちの一頭のイルカが、女の子のひたいにこつりと口のさきをあてました。
そうやってイルカは女の子をかんげいします。
もなとかんたは、さいしょはイルカたちのその大きさにおどろいていました。
しかし、すぐにイルカたちになれたようすをみせました。
もなはさっそく、ちかくにいたイルカのせなかにのってそのせびれをくちばしでつっついています。
「イルカさんたちが、わたしをよんだの?」
「そうだよ。君たちが歩きだすためさ」
かしこいイルカたちは、女の子のといかけにそうこたえました。
「夢はいつだってやさしいものだけれども」
「君たちは、いちどじぶんたちがいるべきおうちにもどらなければならない」
「いつまでも、まいごのままではいてはいけないよ」
白いイルカたちは、歌をつないでいくように女の子にかたりかけます。
女の子は、ちらりとかたにのっているかんたをみました。
かんたは、おちついたようすで、足で頭をかりかりとかいたり、羽を広げたりしていました。
女の子が自分をみていることに気がつくと、ぴっ、と少しだけとさかを立てます。
「じゃあ、イルカさんたち、わたしが目をさます方法をおしえて」




