↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
笑う母の物語  作者: リンダ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
148/149

次世代始動!ファイブピーチ全国ツアー

第128話


「次世代始動!ファイブピーチ全国ツアー」


 2058年・春。



 福岡の桜が咲き始めた頃。



 小倉美鈴、

 新たな辞令を受け取っていた。



『福岡市教育委員会

 幼児教育部 部長任命』



 静かな会議室。



 美鈴は、

 辞令を見つめながら、

 少しだけ目を細めた。



「……部長かぁ」



 優馬、

 横で吹き出す。



「昔、

 幽霊で白金荘うろついとった人が?」



「誰のことかなぁ?」



「優馬〜、

 洗濯物取り込んどって〜♡」



「うわ出た!!

 幽霊時代!!」



 二人、

 顔を見合わせて笑う。



 あの日々から、

 もう何十年も経っていた。



 一方。


 爆笑発電所本部。



「全国ツアー決定ーーー!!」



 ファイブピーチ、

 全国ライブツアー始動。



 メンバーは。



 光子。


 優子。


 美香。


 奏太。


 小春。



 音楽。


 コント。


 トーク。



 そして。


 意味不明な勢い。



 移動バス初日。



「いぇぇぇぇぇぇい!!」



 優子、

 突然通路で踊り始める。



「なんで!?」



「テンション!!」



 すると。


 奏太も乱入。



「俺も混ざる!!」



「男子ぃぃぃ!!」



 さらに。


 小春がタンバリン。



 美香、

 頭抱える。



「まだ福岡出て30分なんだけど!?」



 サービスエリア到着。



「ラーメン食べる?」


「その前にライブしよ」



「なんで!!」



 五分後。



 即席ライブ開催。



 通行客、

 大混乱。



「えっ、

 ファイブピーチ!?」



「なんでSAにおると!?」



 その頃。


 博多ドンタクス体育館。



 新体制スタート。



 美鈴。



 選手引退。



 現在は――



《博多ドンタクス女子中学部監督》



 体育館には、

 中学生たちの声が響く。



「はい!

 次いくよー!!」



 しかし。


 監督初日から。



「監督、

 そのメニュー何ですか?」



「料理理論たい」



「出たぁぁぁ!!」



 ホワイトボード。



『今日のテーマ

 “煮込みバレー”』



「煮込み!?」



「じっくり繋いで、

 最後に味が染みる」



 中学生、

 完全停止。



「えっと……」



「バレーですよね?」



「もちろん」



「たぶん」



「たぶん!?」



 そこへ。


 紗希、

 コーチとして登場。



「今日は“出汁ブロック”教えるけん」



「増えたぁぁぁ!!」



 だが。


 不思議なことに。



 強い。



 異様に強い。



「なんでこれで勝てるん!?」



「意味分からんのに、

 守備ハマる!!」



 美鈴、

 ニヤリ。



「理論より、

 まず楽しむこと」



 その目は、

 昔と変わらない。



「バレーはね、

 怖がったら終わり。


 仲間信じて、

 笑って、

 繋いでいけばよか」



 体育館が静かになる。



 その言葉には、

 重みがあった。



 事故。


 絶望。


 幽霊だった時間。


 リハビリ。


 育児。


 人生。



 全部乗り越えてきた人間の言葉だった。



 一方。


 博多南幼稚園。



 園児たち、

 謎ユニット結成。



「ぼくら、

 ミニドンタクスです!!」



 副園長、

 頭抱える。



「園庭で回転レシーブ禁止ぃぃ!!」



「給食前にスパイク練習するなぁぁ!!」



 さらに。



「今日の給食、

 出汁弱い!!」



「どこで覚えたその感想!!」



 完全に美鈴の影響。



 夕方。



 体育館。



 練習後。


 美鈴、

 一人でコートを見る。



 そこへ優馬。



「お疲れさん、

 部長さん」



「その呼び方、

 まだ慣れん」



「監督も似合っとるよ」



 美鈴、

 少し照れながら笑う。



「選手としては、

 終わったけどね」



「でも、

 まだバレーしとる顔やった」



 優馬の言葉に、

 美鈴は静かにコートを見つめる。



 そこでは、

 中学生たちが、

 最後まで笑いながらボールを追っていた。



「……未来、

 ちゃんと繋がっとるね」



 その言葉に。


 優馬も、

 ゆっくり頷いた。



次回予告 第129話「ドンタクス中学部、全国へ!」


 美鈴率いる中学ドンタクス、

 ついに全国大会出場決定!


 だが——


「監督!!

 思春期女子がまとまりません!!」


「そこも指導範囲!?」


 一方ファイブピーチでは、

 全国ツアー大暴走。


「大阪ライブでたこ焼き器壊した!?」


「なんでステージで焼き始める!!」


 さらに幼稚園では、

 ミニドンタクスが進化。


「今日の給食、

 レシーブ味です!」


「意味が分からん!!」


 そして美鈴、

 教え子たちへ静かに語る。


「勝つだけじゃ、

 意味なかよ」


 次回、

 第129話「ドンタクス中学部、全国へ!」


 次の青春が、

 今始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。