ニューヨーク上陸‼︎世界のおばちゃん頂上決戦
第126話
「ニューヨーク上陸!世界のおばちゃん頂上決戦」
ニューヨーク。
⸻
世界ママさんバレー選手権。
開催。
⸻
会場前。
世界各国の代表チームが集結する。
⸻
アメリカ。
ブラジル。
イタリア。
トルコ。
韓国。
ドイツ。
オーストラリア。
⸻
そして日本代表――
《博多ドンタクス》。
⸻
だが。
到着初日から、
もうカオスだった。
⸻
「湿布全部出してください」
「え?」
「量がおかしいです」
⸻
空港検査官、
困惑。
⸻
「これは医療物資です!!」
「チーム全員、
肩と腰と膝が終わっとるんです!!」
⸻
「……スポーツチーム?」
「40代の現実です」
⸻
検査官、
爆笑。
⸻
一方。
タイムズスクエア。
⸻
「えぇぇぇぇぇ!?」
「でかっ!!」
⸻
巨大ビジョン。
そこに映るのは――
《FIVE PEACH》。
⸻
光子、
優子、
美香。
⸻
ニューヨーク海外ライブ開催。
⸻
「なんでママさんバレー大会で、
こんな規模になるん!?」
「爆笑発電所案件です」
「またそれ!!」
⸻
さらに。
海外支部も続々集結。
⸻
ロサンゼルス支部。
バンクーバー支部。
パース支部。
メルボルン支部。
ブエノスアイレス支部。
Kyiv支部。
⸻
もはや。
国際フェス。
⸻
そして。
大会開幕。
⸻
第一試合。
ドンタクス、
アメリカ代表と激突。
⸻
高さ。
パワー。
完全フィジカルバレー。
⸻
「デカっ!!」
「腕長っ!!」
「もうネット越しに天井見える!!」
⸻
しかし。
美鈴が、
静かに笑う。
⸻
「よし。
野球理論、
いくよ」
⸻
「出たぁぁぁ!!」
⸻
「相手エース、
ストレート一本待ち」
⸻
「……つまり?」
⸻
「変化球で崩す」
⸻
そこから。
ドンタクス、
変幻自在。
⸻
フェイント。
時間差。
軟打。
超速攻。
バックアタック。
⸻
「スライダー!!」
「フォーク!!」
「チェンジアップ!!」
⸻
実況席、
大混乱。
⸻
「これは……
バレーなんでしょうか!?」
⸻
アメリカ代表、
翻弄される。
⸻
試合終了。
日本勝利。
⸻
その夜。
ホテル会議室。
⸻
美鈴、
ホワイトボード前。
⸻
「明日はブラジル」
⸻
全員、
真顔。
⸻
世界ランキング1位。
優勝候補筆頭。
⸻
「向こうはサンバ」
美鈴が言う。
⸻
「……なら?」
⸻
ニヤリ。
⸻
「こっちはドンタクたい」
⸻
「意味分からん!!」
「でもなんか納得する!!」
⸻
決勝当日。
⸻
ブラジル代表、
陽気に踊りながら入場。
⸻
サンバ。
歓声。
超エンタメ空間。
⸻
そこへ。
ドンタクス。
⸻
法被。
博多手ぬぐい。
謎の祭り太鼓SE。
⸻
「なんで祭り始まった!?」
⸻
ファイブピーチ、
観客席から絶叫。
⸻
「お母さーん!!」
「出汁ぃぃぃ!!」
⸻
世界、
混乱。
⸻
試合開始。
⸻
ブラジル、
強い。
⸻
速い。
柔らかい。
そして陽気。
⸻
点を決めるたび、
踊る。
⸻
「メンタル強すぎる!!」
⸻
しかし。
ドンタクスも負けない。
⸻
「麻理子さん!
味噌汁レシーブ!!」
「なんですかそれ!!」
⸻
「紗希先輩!
カーブブロック!!」
「野球混ざっとる!!」
⸻
フルセット。
⸻
14対14。
⸻
最後の一点。
⸻
美鈴。
サーブ。
⸻
静寂。
⸻
そして。
⸻
ドォォォン!!
⸻
ブラジルレシーブ乱れる。
⸻
返球。
⸻
麻理子。
トス。
⸻
紗希。
囮。
⸻
その背後。
⸻
美鈴、
跳ぶ。
⸻
バァァァン!!!
⸻
決まった。
⸻
試合終了。
⸻
博多ドンタクス――
世界一。
⸻
会場総立ち。
⸻
ブラジル代表、
笑顔で歩み寄る。
⸻
「オメデトウ!」
「アリガトウ!!」
⸻
しかし。
ブラジル主将が、
本気で困惑顔。
⸻
「デモ……」
「ん?」
⸻
「ナンカ試合中……」
⸻
「リョウリ?」
⸻
「ヤキュウ?」
⸻
「ストレート、
スライダー、
フォーク、
カレー、
ミソシル……」
⸻
「アレ、
ナンデスカ??」
⸻
ドンタクス、
一瞬沈黙。
⸻
そして。
⸻
全員爆笑。
⸻
「説明できる人おる!?」
「監督本人も感覚で言っとる!!」
⸻
美鈴、
笑いながら答える。
⸻
「えっとね」
⸻
「全部、
気合いです」
⸻
「HAHAHAHAHAHA!!」
⸻
ブラジル代表、
腹抱えて爆笑。
⸻
「ニホン、
オモシロイ!!」
⸻
「ブラジルも十分濃いです!!」
⸻
その後。
両チーム入り乱れて記念撮影。
サンバ。
博多手拍子。
謎の合同ダンス。
⸻
世界の壁を越えて。
笑顔が繋がっていく。
⸻
そして。
美鈴は、
ニューヨークの夜景を見上げながら、
小さく呟いた。
⸻
「……生きとって、
よかった」
⸻
優馬が、
隣で笑う。
⸻
「うん。
ほんとによ」
⸻
次回予告 第127話「世界一のおばちゃん軍団、博多へ帰る!」
世界王者となったドンタクス!
だが帰国後——
「時差ボケで全員朝4時起床!!」
「年齢に時差が刺さる!!」
一方ファイブピーチ、
世界的人気が大暴走!
「ニューヨークライブ再生数、
一億超えました」
「規模がおかしい!!」
さらに幼稚園では、
園児たちが謎の影響。
「ぼくも出汁になる!!」
「意味分かって言いよる!?」
そして美鈴、
新たな夢を語り始める。
「次は、
子どもたちの番やね」
次回、
第127話「世界一のおばちゃん軍団、博多へ帰る!」
世界を獲っても、
博多の日常は今日もカオス。




