決戦!出汁バレー全国制覇!
第125話
「決戦!出汁バレー全国制覇!」
全国ママさんバレー全国大会――
準決勝当日。
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朝六時。
ホテル。
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「……ぃだい」
「どしたんですか紗希先輩」
「起き上がれん」
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別室。
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「腰がァァァ!!」
「誰か湿布ォォォ!!」
「階段降りるだけで悲鳴出る!!」
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40代、
全国大会二日目。
身体は正直だった。
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「これが……
全国の壁……!」
「違う。
加齢の壁」
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美鈴、
即ツッコミ。
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しかし。
その目は死んでいない。
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「よし」
パンッ!!
美鈴が手を叩く。
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「筋肉痛は、
生きとる証拠!
今日も出汁取っていくよ!!」
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「だから出汁ってなんですか!!」
「もう哲学になっとる!」
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一方。
爆笑発電所本部。
海外支部から続々と応援動画が届いていた。
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『Los Angeles支部ですー!』
『メルボルンから応援してます!』
『ブエノスアイレス、
ドンタクス愛しとるー!!』
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そして。
画面が切り替わる。
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『Kyivから愛を込めてー!』
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そこには。
ウクライナ国旗を背景に、
笑顔で手を振る子どもたち。
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ソフィーアもいた。
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「みすずー!
がんばってー!!」
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会場が静まる。
優馬が、
静かに呟いた。
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「……あの戦争の中で、
笑っとる」
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美鈴も、
画面を見つめる。
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あの日。
ニュースで見た、
小さな女の子。
その命が。
今、
未来へ繋がっている。
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「……負けられんね」
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準決勝開始。
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相手は、
前回王者。
《横浜ベイマダムズ》。
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高さ。
パワー。
組織力。
全部トップクラス。
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開始直後。
ドンタクス、
圧倒される。
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「ブロック高っ!!」
「壁やん!!」
「なんであの年齢で飛べるん!?」
「お互い様や!!」
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しかし。
第二セット。
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美鈴が、
静かに言う。
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「焦げた料理、
どうする?」
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後輩たち、
一瞬きょとん。
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紗希が笑う。
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「リカバリーする」
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「そう」
美鈴が頷く。
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「失敗した時こそ、
料理人の腕の見せ所。
バレーも同じ」
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そこからだった。
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繋ぐ。
拾う。
叫ぶ。
笑う。
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「出汁ぃぃぃ!!」
「全国で定着しとる!!」
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フルセット。
24対24。
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最後。
美鈴のサーブ。
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ドォォォンッ!!
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相手レシーブ乱れる。
返球。
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麻理子。
トス。
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紗希。
跳ぶ。
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バァン!!
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決まった。
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試合終了。
博多ドンタクス、
決勝進出。
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会場大歓声。
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その頃。
別ホールでは。
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「ライブいきまーす!」
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ファイブピーチ、
ライブ開演。
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だが。
途中で。
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「なんで卓球台運ばれてくるん!?」
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拓実、
乱入。
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「世界初、
卓球しながらライブ!」
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「意味分からん!!」
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翼まで登場。
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「テニスラケットギターやります」
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「スポーツ祭りになっとる!!」
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そして迎えた決勝。
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相手は、
北海道代表。
《札幌スノーウィンズ》。
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激闘。
執念。
総力戦。
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第四セット終盤。
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美鈴、
跳ぶ。
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その瞬間。
観客席。
正一が、
小さく笑った。
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「……昔と変わらんな」
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佳代も頷く。
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「ううん。
今の方が強い」
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最後の一点。
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美鈴のフェイント。
空いたコースへ。
ポトリ。
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床に落ちる。
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試合終了。
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博多ドンタクス――
日本一。
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涙。
絶叫。
抱擁。
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「勝ったぁぁぁ!!」
「出汁が世界へ行くぞぉぉ!!」
「だから出汁って何ぃぃ!!」
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実況席。
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「博多ドンタクス、
優勝です!!」
「そして――」
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「日本代表として、
ニューヨーク世界大会出場決定!!」
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会場、
総立ち。
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美鈴は、
静かに天井を見上げた。
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幽霊だった自分。
絶望した夜。
事故。
リハビリ。
育児。
涙。
笑い。
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全部。
全部繋がって。
今、
ここにいる。
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「……まだ終わらんよ」
美鈴が笑う。
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「世界、
獲りに行こうか」
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次回予告 第126話「ニューヨーク上陸!世界のおばちゃん頂上決戦」
博多ドンタクス、
ついにアメリカへ!
だが空港では——
「湿布、
没収されかけた!!」
「危険物扱い!?」
一方ニューヨークでは、
ファイブピーチ海外ライブ決定!
「なんでタイムズスクエア!?」
さらに海外チーム、
クセ強すぎ。
「ブラジル代表、
踊りながら入場しよる!」
そして美鈴、
世界のエースたちと対峙する。
「言葉はいらん。
ボールで話そう」
次回、
第126話「ニューヨーク上陸!世界のおばちゃん頂上決戦」
世界でも、
青春は止まらない。




