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笑う母の物語  作者: リンダ


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145/149

決戦!出汁バレー全国制覇!

第125話


「決戦!出汁バレー全国制覇!」


 全国ママさんバレー全国大会――


 準決勝当日。



 朝六時。


 ホテル。



「……ぃだい」


「どしたんですか紗希先輩」


「起き上がれん」



 別室。



「腰がァァァ!!」


「誰か湿布ォォォ!!」


「階段降りるだけで悲鳴出る!!」



 40代、

 全国大会二日目。


 身体は正直だった。



「これが……

 全国の壁……!」


「違う。

 加齢の壁」



 美鈴、

 即ツッコミ。



 しかし。


 その目は死んでいない。



「よし」


 パンッ!!


 美鈴が手を叩く。



「筋肉痛は、

 生きとる証拠!


 今日も出汁取っていくよ!!」



「だから出汁ってなんですか!!」


「もう哲学になっとる!」



 一方。


 爆笑発電所本部。


 海外支部から続々と応援動画が届いていた。



『Los Angeles支部ですー!』


『メルボルンから応援してます!』


『ブエノスアイレス、

 ドンタクス愛しとるー!!』



 そして。


 画面が切り替わる。



『Kyivから愛を込めてー!』



 そこには。


 ウクライナ国旗を背景に、

 笑顔で手を振る子どもたち。



 ソフィーアもいた。



「みすずー!

 がんばってー!!」



 会場が静まる。


 優馬が、

 静かに呟いた。



「……あの戦争の中で、

 笑っとる」



 美鈴も、

 画面を見つめる。



 あの日。


 ニュースで見た、

 小さな女の子。


 その命が。


 今、

 未来へ繋がっている。



「……負けられんね」



 準決勝開始。



 相手は、

 前回王者。


 《横浜ベイマダムズ》。



 高さ。


 パワー。


 組織力。


 全部トップクラス。



 開始直後。


 ドンタクス、

 圧倒される。



「ブロック高っ!!」


「壁やん!!」


「なんであの年齢で飛べるん!?」


「お互い様や!!」



 しかし。


 第二セット。



 美鈴が、

 静かに言う。



「焦げた料理、

 どうする?」



 後輩たち、

 一瞬きょとん。



 紗希が笑う。



「リカバリーする」



「そう」


 美鈴が頷く。



「失敗した時こそ、

 料理人の腕の見せ所。


 バレーも同じ」



 そこからだった。



 繋ぐ。


 拾う。


 叫ぶ。


 笑う。



「出汁ぃぃぃ!!」


「全国で定着しとる!!」



 フルセット。


 24対24。



 最後。


 美鈴のサーブ。



 ドォォォンッ!!



 相手レシーブ乱れる。


 返球。



 麻理子。


 トス。



 紗希。


 跳ぶ。



 バァン!!



 決まった。



 試合終了。


 博多ドンタクス、

 決勝進出。



 会場大歓声。



 その頃。


 別ホールでは。



「ライブいきまーす!」



 ファイブピーチ、

 ライブ開演。



 だが。


 途中で。



「なんで卓球台運ばれてくるん!?」



 拓実、

 乱入。



「世界初、

 卓球しながらライブ!」



「意味分からん!!」



 翼まで登場。



「テニスラケットギターやります」



「スポーツ祭りになっとる!!」



 そして迎えた決勝。



 相手は、

 北海道代表。


 《札幌スノーウィンズ》。



 激闘。


 執念。


 総力戦。



 第四セット終盤。



 美鈴、

 跳ぶ。



 その瞬間。


 観客席。


 正一が、

 小さく笑った。



「……昔と変わらんな」



 佳代も頷く。



「ううん。

 今の方が強い」



 最後の一点。



 美鈴のフェイント。


 空いたコースへ。


 ポトリ。



 床に落ちる。



 試合終了。



 博多ドンタクス――


 日本一。



 涙。


 絶叫。


 抱擁。



「勝ったぁぁぁ!!」


「出汁が世界へ行くぞぉぉ!!」


「だから出汁って何ぃぃ!!」



 実況席。



「博多ドンタクス、

 優勝です!!」


「そして――」



「日本代表として、

 ニューヨーク世界大会出場決定!!」



 会場、

 総立ち。



 美鈴は、

 静かに天井を見上げた。



 幽霊だった自分。


 絶望した夜。


 事故。


 リハビリ。


 育児。


 涙。


 笑い。



 全部。


 全部繋がって。


 今、

 ここにいる。



「……まだ終わらんよ」


 美鈴が笑う。



「世界、

 獲りに行こうか」



次回予告 第126話「ニューヨーク上陸!世界のおばちゃん頂上決戦」


 博多ドンタクス、

 ついにアメリカへ!


 だが空港では——


「湿布、

 没収されかけた!!」


「危険物扱い!?」


 一方ニューヨークでは、

 ファイブピーチ海外ライブ決定!


「なんでタイムズスクエア!?」


 さらに海外チーム、

 クセ強すぎ。


「ブラジル代表、

 踊りながら入場しよる!」


 そして美鈴、

 世界のエースたちと対峙する。


「言葉はいらん。

 ボールで話そう」


 次回、

 第126話「ニューヨーク上陸!世界のおばちゃん頂上決戦」


 世界でも、

 青春は止まらない。

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