全国大会と最強おばちゃん軍団
第124話
「全国大会と最強おばちゃん軍団」
全国ママさんバレー全国大会――
開幕。
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開催地・神戸。
全国から集まった強豪チームが、
次々と体育館入りしていく。
だが。
その中でも、
異様に目立つ集団がいた。
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「湿布班どこ!?」
「テーピング足りん!」
「冷却スプレー誰持った!?」
「老眼鏡が消えた!!」
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博多ドンタクス。
平均年齢46歳。
しかし熱量は、
完全に高校部活。
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「美鈴監督!
朝食バイキングで、
紗希先輩がクロワッサン12個食べました!」
「エネルギー補給や!!」
「フードファイターやないんやけん!!」
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一方。
福岡。
博多幼稚園。
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「園長先生ぇぇぇぇ!!」
「おらんのに呼ばんでぇぇ!!」
副園長、
限界突破。
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「トカゲ逃げました!」
「誰が持ち込むん!?」
「園児が園長先生の机に、
謎の泥団子供えてます!」
「神格化されとるやん!!」
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その頃。
神戸会場の別ホールでは――
ライブ機材搬入中。
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「アンプこっち!」
「照明テスト入ります!」
「卓球台なんであるん!?」
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《ファイブピーチ》、
全国大会応援ライブ決定。
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光子、
優子、
美香。
さらに。
夫となった翼と拓実もスタッフ参加。
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「なんでママさんバレー全国大会に、
こんな音響設備あるん!?」
「爆笑発電所案件です」
「全部その一言で済ませるな!!」
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今や。
《爆笑発電所》は、
巨大組織へ成長していた。
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本部は福岡。
支部は全国へ拡大。
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・札幌
・東京
・大阪
・広島
・那覇
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さらに海外。
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・ロサンゼルス
・バンクーバー
・パース
・メルボルン
・ブエノスアイレス
・Kyiv
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スポーツ。
音楽。
地域クラブ。
子どもの居場所支援。
文化活動。
全部を繋ぐ、
巨大コミュニティへ進化していた。
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そして。
部活動地域移管の流れを受け。
爆笑発電所は、
各競技の運営も担うようになる。
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・フェニックス福岡
・博多ドンタクス
・翼のテニス部門
・拓実の卓球部門
・高校野球育成部門
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その全ての中心にいたのが――
小倉美鈴。
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「料理理論、
次いくよ」
ホワイトボード前。
美鈴が笑う。
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「はい?」
「まだやるんですかあれ」
「全国で通用するん?」
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しかし。
美鈴はニヤリ。
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「料理はね。
下ごしらえ、
火加減、
タイミング、
盛り付け。
全部、
チームスポーツと同じなんよ」
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選手、
まだ半分理解不能。
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「……で、
レシーブは?」
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「出汁」
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「また出汁ぃぃぃ!?」
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「スパイクは主菜。
でも出汁が弱い料理は、
全部ぼやける。
レシーブ弱いチームは、
勝てん」
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すると。
後方で腕組みしていた紗希が頷く。
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「……なるほどねぇ」
「理解できるんですか!?」
「長年付き合っとると、
翻訳できるようになる」
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さらに。
野球理論も融合。
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「流れを読む。
配球を読む。
相手心理を崩す。
これ全部、
バレーでも同じ」
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宗像中、
宗像高校時代の後輩たちも、
真剣な顔になっていく。
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「……確かに」
「美鈴先輩、
昔からそうやった」
「感覚じゃなく、
全部意味あったんや」
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そこへ。
古賀麻理子が挙手。
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「すいません」
「はい」
「私まだ、
出汁がセッターなのか、
レシーバーなのか分かりません」
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全員爆笑。
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「麻理子さん、
そこからです!!」
「料理理論、
奥深すぎる!!」
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しかし。
その理論は、
確実にチームを変えていた。
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全国大会二回戦。
ドンタクス、
強豪を撃破。
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三回戦。
フルセット。
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美鈴のサーブ。
紗希のブロック。
後輩たちの執念のレシーブ。
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全部が繋がる。
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実況席。
「博多ドンタクス、
とんでもないチームですね」
「40代中心とは思えません」
「これは……
新時代のママさんバレーです」
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観客席。
光子と優子が、
叫ぶ。
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「お母さんいけぇぇぇ!!」
「出汁ぃぃぃ!!」
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「応援ワードがおかしい!!」
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だが。
その声を聞いた美鈴は、
笑った。
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人生は、
何度だってやり直せる。
幽霊だった日々も。
絶望した夜も。
全部、
今へ繋がっていた。
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そして。
小倉美鈴は、
もう一度、
全国の舞台で跳ぶ。
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次回予告 第125話「決戦!出汁バレー全国制覇!」
全国大会準決勝!
だがドンタクスは——
「朝起きたら全員筋肉痛!!」
「40代の現実!!」
一方爆笑発電所では、
海外支部から応援動画到着!
『Kyivから愛を込めてー!』
「世界規模になっとる!?」
さらにファイブピーチ、
ライブ中にまさかの乱入。
「なんで卓球台持ってくるん!?」
そして美鈴、
宿敵チームエースと激突。
「まだ飛べる。
私は」
次回、
第125話「決戦!出汁バレー全国制覇!」
青春は、
年齢では終わらない。




