夜中の探検
夜、外に出かけるのは初めてだった。
寒さだけじゃなくて、何となく色々と昼間とは違う。
聞いたことのない虫の鳴き声、夜の匂い、遠くで聞こえる獣の唸り声。
怖さもあるけれど、初めてのことがいっぱいあって僕は何だか胸がドキドキした。
「あっ!」
そこで何かが見え始める。
暗いから全部は見えないけど、すごく高い建物が見えた。
他にもたくさんある、ここが空っぽの街。
「……すごい」
空っぽの街には見たことのない物が溢れていた。
僕の世界にあるのは、缶詰の豆やゴミ山、獣除けの罠とおじいちゃんだけだったけど。
今日だけで僕は見たことのない物を多く見て世界が広がった気がする。
「あれ、おじいちゃんは……あっ、いた」
空っぽの街の色々な物に見とれていた僕はおじいちゃんを見失うところだった。
おじいちゃんは更に街の奥へと進んでいく。
僕も物陰に隠れながらおじいちゃんの後を追った。
「ふぅ、全く年を取ると体が思うように動かん。ここまで来るのも一苦労だ」
おじいちゃんは目的地に着いたみたいだ。
そこはすごく大きくて頑丈そうな建物だった。
おじいちゃんは、その建物の扉を重たそうに開いた。
「……この扉も重たく感じるな」
そのまま、おじいちゃんは建物の中に入っていく。
重たそうな扉は、おじいちゃんが中に入るとひとりでにゆっくりと閉まっていく。
僕は慌てて閉まっていく扉から中に駆け込んだ。
「……うわぁ」
建物の中は広くて、いくつも通路があった。
「迷路みたいだ……あれ、おじいちゃんは?」
辺りを見渡したがおじいちゃんの姿が見えない。
しまった見失ってしまった。
「どうしよう、とりあえず進むしかないよね」
僕は適当な通路に入っていく。
通路はずっと奥まで続いていて灯かりの光だけでは先が見えない。
周りは音が全くない、僕の歩く音だけが通路に響くだけだ。
そのせいか、急に不安な気持ちになってきた。
まるで世界に一人だけ取り残されたみたいな、そんな気さえしてしまう。
「……」
そんな気持ちを抑え込んで僕は先に進んでいく。
しばらく歩いていると広い場所に出られた。
そこは天井もすごく高くて、真ん中の場所には何かがあった。
暗くて良く見えないけど、高い天井に負けないくらいに大きな柱のような何かがある。
「何なんだろう、これ……」
僕は、そっと柱に手で触れてみた。
冷たくて硬い感触、僕はこれを知っている。
「ゴミ山にある機械と同じだ」
この見上げるほど大きなものが全部機械なのか。
おじいちゃんは一体ここで何をしているのだろうか。
その時、遠くで大きな音が聞こえた後に辺りが急に明るくなった。
「眩しっ!」
暗闇になれていたせいで僕は思わず目を閉じる。
光に慣れ始めてゆっくりと目を開けると目の前の光景に僕は驚いた。
そこには機械でできた大きな柱と周りにも大小さまざまな機会が置かれている。
「うわぁ」
僕は、その光景に圧倒された。




