夢って何だろう
「……「夢」かぁ」
けれども、考えても考えてもよくわからない。
「夢」って何だろう。
「僕のやりたいこと」って何だろう。
「好きなもの」って何だろう。
「うーん……「好きなもの」かぁ」
缶詰の豆やゴミ山、獣除けの罠、どれも「好きなもの」とは違う。
どちらかというと「好きなもの」や「夢」とは程遠いものかな。
「叶えたい「夢」か……難しいなぁ」
自分だけの「夢」を見つけることはとても難しい。
僕は昼も夜も暇な時があれば「夢」について考えるようになっていた。
「マルコム、ちょっと出かけるから留守番を頼む」
「……うん、わかった。気を付けてね」
「ありがとう、鍵をしっかりと閉めておくんだぞ」
おじいちゃんは時々、どこかへと出かける。
最初はゴミ山にでも行っているんだろうと思っていたけど。
おじいちゃんはゴミ山に行く時には必ず一緒に行くか聞いてくれる。
「おじいちゃんは、一体どこに出かけていくんだろう?」
家の窓からおじいちゃんを見る。
おじいちゃんが進んでいく先は昔、おじいちゃんに行っちゃだめな危険な場所への方向だ。
「……確か昔、街があったっていう場所だよね」
昔、街には多くの人が暮らしていたっておじいちゃんから聞いたことがある。
けど、今は誰もいない空っぽの街になったらしい。
そんな空っぽの街へと出かけるおじいちゃんはいつも日が昇る頃に戻って来る。
「おじいちゃんは、街で何をしているんだろう?」
前までは気にもならなかったのに何故だろう今は気になって仕方がない。
こっそり、おじいちゃんの後を付いて行こうかな。
でも、夜は危ない獣が増えるから外に出ちゃだめだって言われている。
「う~ん……」
僕は頭を抱えて悩んだ。
「……おじいちゃんが家に戻るよりも先に帰ってくれば大丈夫かな」
僕は暖かい服を着込んで、灯かりを持つとそっと外へと出る。
外はひんやりと寒くて、とても暗い。
遠くにおじいちゃんが持っている灯かりだけが見える。
「急がないと置いて行かれちゃう」
僕は灯かりを付けると遠くに見えるおじいちゃんに向かって駆け出した。




