暗くて狭い世界
本作は一話ごと短く全体で五話構成となっております。
読みにくかったら申し訳ありません。
僕は物心ついた時からおじいちゃんと一緒だった。
おじいちゃんは僕に色々なことを教えてくれる。
文字や動物、食べ物のこと。
そして、生き残る方法も。
「おじいちゃん、またゴミ山に行くの?」
「あぁ……お前も付いて来るかい?」
「うん」
おじいちゃんは、時々ゴミ山に行く。
ゴミ山というのは大昔に使われていた機械の部品が山となっている場所のこと。
部品は食べられないし、生きるために必要ない物だから僕は「ゴミ山」と呼んでいる。
おじいちゃんにとっては「宝の山」らしいけど。
「おぉ、こんなものまで放置されているとは……ややっ、これは使えそうだな……」
おじいちゃんはゴミ山に来ると数時間は機械の部品を熱心に見るんだ。
何がそんなに楽しいのか、僕にはわからない。
全部一緒の物に見える。
「はぁ、つまらないな……」
そう思いながら僕は遠くの景色を見た。
どこまでも続くゴミの山と黒くて分厚い雲に覆われた空。
いつも見ている、見飽きた光景。
「おーい、マルコム」
おじいちゃんが手を振って僕を呼んでいる。
「そろそろ、日が暮れる。帰ろう」
「わかったよ」
その日もいつも通り、家へと帰り、豆の缶詰の夕飯を食べ、家中の鍵を念入りに閉めてベッドに横になる。
明日も似たような日がやって来るんだな。
そう思いつつ僕は目を閉じて眠りについた。
*
次の日、早朝。
「おじいちゃん、罠の設置できたよ」
「どれどれ……うん、問題ないな」
今日も日課の獣除けの罠を設置する。
おじいちゃんは、獣は本当に恐ろしいと言うが僕は見たことがない。
「……なぁ、マルコム」
「何、おじいちゃん?」
僕は作業の手を止めて、おじいちゃんを見る。
「その、なんだ……」
「……? おじいちゃん、どうしたの?」
「マルコム、ワシはお前に「生き残る方法」だけを教えてきたが「生きる目標」というものを教えられていないと思ってな」
「どういうこと?」
おじいちゃんは少し迷ったように頭を掻いた。
「マルコム、お前何か「夢」はあるか?」
「うーん、ないかな」
「そうか、それなら何か「夢」を見つけないか?」
「……「夢」ってどんなもの?」
「そうだな……何でもいいだ。好きなもの……お前自身が本当にやりたいこと、叶えたいことだ」
「……わかった、考えてみる」
いつもと違う会話。
どうして、おじいちゃんがそんなことを言い出したのか僕にはわからないけど。
おじいちゃんの真剣な顔を見て僕は「夢」について考えるようになった。




