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おっさんが異世界でチートする話だったのに  作者: 陰キャきっず
新世界2 サガ・フロム・アビス
65/122

その18(完)

「クックック……依代を倒すとはなかなかできることじゃないな」


「誰だ!」


「我は魔神四天王の一人焔のホームラだ」


 現れたのはまるで悪魔のような姿をした男だった。


「まさか貴様がマホツさんにとり憑いていた闇の正体か!」


「そうだ。人間をたぶらかし、この世界を我色に染め上げる計画がパーになってしまったよ」


 まさかの黒幕登場に連戦で疲労困憊の俺たち。


「くっ、この世界を好きにはさせない!」


「その傷ついた体でか?」


「……ッ!」


 迎え撃とうとするも俺を含めみんなの体力も限界、もはや戦えるような状態ではなかった。


「現れよ我がしもべたち」


「グモォォォ!」


 焔のホームラが魔法陣を描くと、そこから魔物の大群が召喚された。

どれもボス級のものばかりだ。


「これはまずいですね」


「ああ、やばい」


 仲間の間にも危機感が漂う。


 まさにこの世の終わりのような光景だ。


「おっさん……」


 俺の服の袖をギュッと掴むマホツさん。

俺はそれを見て覚悟を決める。


「みんな、マホツさんを連れて出来るだけ遠くへ行ってくれ」


「……おっさんはどうするんだ」


「これを使う」


 俺はマホツさんをクレトくんたちに託し、背中に背負っていた例のアレを取り出す。


「だが、それを使えば……」


「クレトくん」


「……」


 俺の顔を見て、クレトくんは悟ってくれたんだろう。

それ以上の言葉は続かなかった。


「俺に言った言葉を忘れたんですかおっさん!」


 そんな俺に、ザマァくんは異議を唱える。


「ザマァくん、ごめん。でも、これが俺のやらなきゃいけないことなんだ」


「どうしてそんな自分勝手なんですかあなたは!」


「どうしようもない。生まれてこのかた、これが俺だからさ」


「……そうですね、あなたはずっとそういう人だ」


 まるでずっと昔から俺のことを知っているかのようにそう言葉を絞り出すザマァくん。


「おっさん、いなくなるの?」


 心配そうな顔で俺に尋ねるキツカちゃん。


「俺はいるさ。君が覚えていてくれるなら」


「……ばか」


「ごめん、ばかだな、俺」


 俺の覚悟をくみ取ってくれたのだろう。

彼女は涙をこぼしながら背を向けた。


「ぱっくん、みんなのこと、頼むね」


「やれやれ、僕は面倒が嫌いなんだけどね」


「一言が余計、だよ」


「わざと言ってるんだ、よ」


 ぱっくんとハイタッチを交わす。

後のことはこのイケメンのウザい男に任せることにしよう。


「おっさん」


「ぼっくん」


「実は僕、ゲイなんです」


「うん、なんとなくそんな気がしてた」


 いきなりのカミングアウトだったが何故かすんなり受け入れられた。


「後、貸した1000マネー返してください」


「ごめん、覚えてない」


 そんなこともあったようななかったような。


「じゃあ、返しに来るの待ってますから」


「いつか返すね」


 まるで俺がこれからどうなるかなど気にもしないような態度でいつものように接してくれるぼっくん。


 今はそれがありがたかった。


「おっさん……言えなかったことがあるんだ」


「なんだいクレトくん」


「……パーティーに、誘ってくれて……本当は嬉しかった」


「うん」


「強くなれたのはアンタのおかげだ」


「そうかな……君が頑張ったからだよ」


「フ……ありがとう、おっさん」


 捻くれ太郎の本音を最後の最後で聞くことができた。


 彼の人生は前途多難そうだがまあ、今の彼なら大丈夫だろう。


「おっさん……私も一緒にいる」


「マホツさん」


「お願い!やっと言えるの、あなたに好きだって」


「……ありがとう、うれしいよ」


 突然の告白に少し面くらってしまう。

けど、すごく幸福感につつまれた。


「でも、君は生きるべきだ。生きて、これからのアビスを見守ってあげてほしい」


「そんな……私はやっと会えたの、こころから一緒にいたいと願える人が」


「ごめん、それでも俺は、君には幸せになってほしい。それがこの世界を救うためのモチベなんだ」


「モチベ……」


 俺が彼女を想う気持ちが伝わったのか、彼女はもう何も言わなかった。

よかった、これで解決ですね。


「さあ、行って、勝手で悪いけどさ。これが俺の物語だ!」


 盛大な死亡フラグを別れの挨拶とし、みんなが一斉に走り出した。


「愚かな、一人で我が軍団に立ち向かおうとはな」


「一人じゃない、俺はどんな時でもな」


 俺はぼっちゃんから託された剣を起動させる。


 何やらガシャコン言いながら剣が変形し、内部があらわになった。

そして、刃が二つに分かれ、真ん中から光の刃が出現する。


「まさか……それは魔剣クワスカリバー!?」


 焔のホームラが何やら驚愕していた。


「神だか魔神だか知らないが、俺たちの世界には……」


「くっ、よせ、やめろぉぉぉぉーーーー!」


「もう神はいらないんだ!」


 俺は光の刃を無限大にも思えるぐらい増幅され、それを一気に振り下ろした。


 とんでもない衝撃とともに、魔物の軍勢を光が飲み込んでいく。


「グワァァァァ!!!?すまない、エンよ……」


 そして、巨悪の根源、焔のホームラごと消し去っていった。


 やがて大きな爆発が起こり、俺もその光に消えていった。


 ああ、良かった、これで―――。


 




 これがアビスに伝わる物語の最後。

深淵を駆け抜けた一人の冒険者の、英雄の物語である。


 魔神は消え去り、第二のゲートも破壊され、魔界の門も閉じた。

もう二度と、悲劇は繰り返されないだろう。


 その後、おっさんの姿を見た者はいない。

 





 まったく、目立つのは大好きなんだけどな。


 感謝してくださいよ、あいつの遠隔操作は難しいんですから。


 まさか魂だけが残っちゃうなんてね。


 彼女はどうしてる?。


 頑張ってますよ、町のために。


 そっか。ああ、早く元に戻りたいな。


 再構成にあと数年はかかるんで、我慢してください。


 仕方ないなぁ。


 生きてるだけ良しとしてください。


 まったく、何者何だか君は。


 俺はザマァ、またの名をショー。しがない旅人です。





 サガ・フロム・アビス 完

 よく読んでくれた。

残念だがフロム要素など初めからミリしかない。

騙して悪いが仕事(趣味)なんでな。


 すみません。茶番です。

次章から更新頻度が落ちますが

もし読んでくれる方いたら時々でいいから思い出してください。

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