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おっさんが異世界でチートする話だったのに  作者: 陰キャきっず
新世界2 サガ・フロム・アビス
57/122

その10

 ボス戦の後、俺たちは何とか地上まで帰ってきた。


 諦めなければ何とかなる。

そう思えた冒険だった。


「とりあえず飲もうか!」


「フー!」


「ヤー!」


「ワー!」


「キー!」


 戦いの疲れを俺たちは酒や食事で洗い流す。

酒場で飲んだくったの大騒ぎの最中だ。


 ちなみに俺とぱっくん以外はジュースだ。

お酒は二十歳になってからな。


「それにしても今回は稼ぎがすごい」


「ああ、まさか10万マネーにもなるなんて」


 クレトくんとキツカちゃんがもうけについて話していた。


 確かに階を進むにつれて稼ぎは多くなったけど、5階からはさらに見たこともないお宝がいっぱいだったからな。


「いやー、ただのニートだったのにとんだ成り上がりだなぁ」


 ついこの間まで親のすねをかじって生きてきたとは思えない成長ぶりに我ながら感動している、


「ハハハ、すごいですねおっさんは」


「だろぉ?」


 ザマァくんが俺を大いに褒めまくる。

お酒の勢いもあってか上機嫌だ。


「しかし、今回はやばかったね」


 けど、ぱっくんはいつもの揚々とした性格とは裏腹に、静かに口を開いた。


「確かに、運が良かった」


「俺のおかげだろ」


「俺のおかげだろ」


「ええ……」


 うっかり心の内をぽろっと出してしまった。

クレトくんもしまったという顔をしている。


 だが、キツカちゃんやぱっくんの言う通り、ああいう博打は何度も打ちたくないものだ。


 そうならないようにリーダーの俺がしっかりしないといけないんだよな。


 楽しい宴の中、俺は片隅で今後のことを考えているのであった。



 



 後日、しばらく休日にすることをみんなに伝える。


 ここまでほぼ働きづめだったので

たまにはリフレッシュも必要だろう。


 クレトくんは早々にどこかへ行ってしまった。


 ぱっくんはふらっとナンパでもしているんだろう。


 ザマァくんは街のことをあまり知らないので

探検しに行くらしい。


 俺はキツカちゃんをさそって

ギルドの図書館まで来ていた。


「ごめんねせっかくの休みに手伝わせて」


「気にしないで、私も本好きだし」


 俺は深淵についてあまりに知らなさすぎる。

出現するモンスター、ボス。

やはり探索には情報収集が大事だということを思い知った。


 キツカちゃんは何度もここに来ていたというので

色々と案内を頼んだのだ。


「じゃあ、また後で」


「うん、わかったよ」


 キツカちゃんと別れ俺も自分の調べ者に没頭する。


 それにしても本当にすごい量だな。

自分の何倍も高い本棚を見上げると、うへぇと声を漏らしてしまう。


 とりあえずそれっぽい本に手を伸ばす。


 しかし、触れたのは本ではなくやわらかい感触だった。


「あっ」


「あっ」


 誰かの手に触れてしまったのだ。

すいませんと謝ろうとして相手の顔を見る。


「あ、マホツさん?」


「あら、おっさんじゃありませんか」


 なんと立っていたのはマホツさんだった。


 とろうとした本はどうぞと譲られてしまう。


「ありがとうございます。マホツさんも調べ者ですか」


「ええ。冒険者たるもの、情報が第二の武器ですから」


 日々、勉強をして探索に生かそうとしているそうな。


「聞きましたよ、5階攻略おめでとうございます」


「いやぁ、みんなの力あってのことですから」


 彼女は俺たちの成功を心より祝福してくれているように見える。

まあ、お世辞だと思うけど。


「正直、私はあなたがこんなに成長するなんて思いもしませんでした」


「あはは、俺も驚いているんです」


 彼女の口から本音が漏れた。

うっせ、と思うと同時に、どこか彼女との距離が縮まったような気がした。


「いずれあなたを頼るときが来るかもしれませんね」


 笑顔でそういう彼女の顔は綺麗だった。

美少女だからか俺はそれに見惚れてしまう。


「ええ、いずれはあなたと同じ場所まで行かせてもらいますよ」


「ふふふ、待ってますよ」


 その後、しばらく世間話を続けた。

彼女のこと、俺のこと、冒険のこと。


 ああ、とても楽しかった。そう思えた一日だった。





 その後、マホツさんといるところをキツカちゃんに見つかった俺は、何故か彼女に説教されるという事態になった。


 罰金としてデート一回をねだられた。

しぶしぶ彼女の言う通り俺のおごりでスイーツ巡りにつき合わされてしまうのだった。


 ふ、興味ないね(大嘘)。


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